「横島、冥界からのチャンネルが閉じられた今、私達はオカルトGメンに蓄えられた霊力と、持ち出したアイテムの霊力によってなんとか存在を保っているにすぎない。力は人間のGSより少し上と言った程度だろう。幹部相手の戦いはお前と佐藤に任せる」
「ういっす。まかせといてください。その代わり、僕と一夜のアバンチュールを・・・。」
潜入前の最終確認、ワルキューレの言葉に敬礼して答えた後、げへへという顔をする横島。しかし、ワルキューレはしれっと答える。
「美神とおキヌに言いつけるぞ。」
「げっ、ばれてる!?」
「お前達の様子を見れば何かあったことは嫌でもわかる。」
そう言われて、とほほ、っと言った感じになる横島。
美神とおキヌに好かれてまだ不満なのだろうか?
「それでは、行こう。この蘇る超闘士佐藤の伝説はここから始まる!!」
そして、何故か佐藤がその場を締め、潜入作戦は開始された。
「ここか・・・。」
佐藤の闇羽衣・改で逆転号に進入した横島達と魔界正規軍、計7名。
そして、そこでワルキューレが正規軍のメンバーの方を向いて指示をだす。
「ジークとバルドは右翼機関部、クラムとサキュラスは左翼機関部を制圧。私は横島達と共に、幹部がいると思われる。中央ブリッジを制圧する。」
「「「「了解!!!!」」」」
ワルキューレの指示に答え、走り去っていく隊員達。
「では、行くぞ。」
そして、ワルキューレは横島達の方を向き直り、言葉をかけると移動を開始し始めた。
「そういえば、佐藤さんの闇羽衣・改って、相手の居場所が分からないと意味が無かったと思うんすけど、敵の本拠地なんて良くわかりましたね。」
普通、そういうものの居場所は隠すようなものの気がすると思い、横島が尋ねる。
それに対し、佐藤は自慢気な笑みを浮かべて答えた。
「ふふふ、妙神山が襲撃された時に敵に対して探知機、“覗く眼”をつけておいたのだよ。一度目に潜入した時も、それのおかげで居場所が分かった。」
「はー、あいかわらず、抜けてるのか、しっかりしてるのか分からん人やなあ。ところで、ヒャクメが裏切ったと言うのは本当なのか?」
「ああ、あいつは悪魔に魂を売ったのだ!!」
魔族であるあんたが言うか?っと思いつつ、ヒャクメが裏切ったと言うのがどうも信じられない横島。
まあ、直接聞いてみればいいと気楽に考えている。
「ここだな、気配は5つ。強いのが3つと弱いのが2つ。確実に幹部が全員そろってるな。」
そうこういう内に目的値にたどり着く。
ちなみに横島達は佐藤の闇アイテム“遮る壁”によって霊力や魔力を完全に隠蔽していた。
「よし、他2班に連絡を・・・・。
そこで、ワルキューレが連絡を入れようとした時だった。
ドカーン
突然爆発が起きた。
「どうした!!何があった!!」
その事態にすぐさま、連絡を入れる。すると情けない声が返って来た。
『すいません、姉上!!何故か艦内にいたケルベロスに見つかってしまいました!!!!』
「なんだとおお!!!!!!!」
ベレイ帽が取れたのか軍人モードから通常モードに戻っているらしく、ワルキューレを姉とよぶジークと他、一名の悲鳴。
「・・・・・しまった。“遮る壁”は匂いまでは遮れないんだった。」
呟く佐藤。それと、同時に横島達が待機していた部屋のドアが開いた。
「一体、何が起こったの!?」
「あっ。」
異常事態に部屋を飛び出そうとしたルシオラと横島がお見合う感じになる。
そして、一瞬の沈黙の後、彼女は戦闘態勢に入った。
「お、お前は!? これはお前たちの仕業ね!! あの時の屈辱かえさせてもらうわ!!」
この前の事を思い出したのか顔を真っ赤にして叫ぶ。
そして、さらに残り、二人、ベスパとパピリオが現れる。
「こいつらは!?」
「この前はよくもやってくれたでちゅね!! 借りを返すでちゅ!!」
「なっ、侵入者だと!?」
「え、えっ、えー!!」
その後ろには土偶の形をした幹部魔族土偶羅の姿とヒーローものの悪役よろしくな格好をしたヒャクメの姿もある。
「くっ、仕方ない。このまま戦闘を開始する。私は援護に徹する。頼んだぞ、横島!!佐藤!!」
ワルキューレの言葉に答え、前に立つ横島と佐藤。
横島は霊波刀を構えようとする。だが、それを遮って佐藤がさらに一歩前にでた。
「横島、ここは兄弟子の俺に任せてもらおう。」
そう、ニヒルな笑いを浮かべ宣言する。
そして、強大な魔力が彼から放たれる。
それに気圧される
「す、すげえ。」
例えば横島の文珠のように、あるいは霊力の同期のように、瞬間的に本来のポテンシャル以上の出力をだせる方法が存在する。
佐藤が今、使っているのもその技だった。1万マイトにも届こうとする強大な妖力。
そして、佐藤は横島の方に顔だけ向けて言う。
「ふっ、横島、お前にはまだ、何故、俺が“蘇る超闘士”と呼ばれているかを知らなかったな。」
「えっ、それって、自分で自称してるだけじゃないですか。」
「それはな、この俺の持つ技の中で最も美しく、強いこの技がフェニックスの形を描くからだ!!」
横島の突っ込みを無視して叫ぶ佐藤。そして、技を放とうとする。
だが、この時、力の強大さに圧倒されて、その場の全員が気付かなかった事に今まで、後ろに隠れていたらしいヒャクメが気付いた。
「ちょ、ちょっと待つのねー、こんな狭い所でそんな大技使おうとしたら!!」
「「「「「「あっ。」」」」」」
敵、味方、全員の声がハモる。だが、時、既に遅し。
次の瞬間、逆転号は爆発した。
(後書き)
更新に大分、間が空いてしまいました。すいません。
それから、佐藤の基本魔力を2000マイトに変更します。