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「素晴らしい日々へ 第二十一話(GS)」

ほんだら参世 (2005-02-11 23:59/2005-02-14 15:22)
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「さて、そろそろシロちゃんとタマモちゃんに会いに行きましょうか。」

そう言いながら、私は二人と美神さん達が勢ぞろいしている場所に向かって足を進める。
頭の中で、横島さんが二人と一緒にここに来た日の事を思い出しながら。
そう、私があの人に全てを捧げた日の事を・・・


*  *  *  *  *  *


「うーーっし、とうちゃーーーく!!」

「おお、ここが彼の有名な修行場、妙神山でござるか。」

「・・・まったく、無駄に険しい場所にあるわよね。 絶対に流行ってないでしょ、ここ。」

目的地に到着した事で叫ぶ俺の横には、目をキラキラさせているシロと、狐の姿に戻って俺の頭に乗ってただけのくせにブチブチ文句を垂れるタマモがいる。


なんでこの二人が一緒に居るかと言うと、

「拙者は、先生が今まで苦しんでいたのに何も出来なかったでござる。 だから、せめて修行中の先生の側でさぽーとと言うものをさせて欲しいでござるよ!!」

といったシロに、

「・・・ふーーー、駄目と言っても付いて行きそうね。 わかったわ、行って来なさい。 後、タマモ。 あんたも、シロが何か無茶しないか付いて行って見張ってきて。」

と美神さんが許可を出したのだ。
三人も抜けて、事務所の方は大丈夫なんすかと聞いたら、

「元々最初は荷物持ちのあんたしか居なかったんだし、大丈夫よ。 あの頃のあんたより、今のおキヌちゃんの方がよっぽど頼りになるから。 もしもの時は、ピートにでも助っ人を頼むつもりだし。」

との有り難いお言葉を頂戴した。
後、別れ際におキヌちゃんが、

「いってらっしゃい、横島さん。 私はここで横島さん達が帰ってくるのを待ってますから、頑張ってきてくださいね。 私も、ここに帰ってきた横島さんに釣り合えるぐらい魅力的な女性になれるように、一生懸命頑張りますよ。」

と笑顔で見送ってくれたのは本当に嬉しかったな。


「横島、横島。 どうしたの? 入らないの?」

空を見上げる様にしながら今までの事を少し思い出している所で、タマモが袖を引っ張りながらそう言ってきた。

「お、おう、それじゃあ行くか。 シロ、何時までもぼうっと眺めてると置いてくぞ。」

「え、あ、ああ〜〜。 せんせ〜〜、待ってください〜。 置いてかないで欲しいでござるよ〜〜。」

こうして俺達は、妙神山の門の向こうへと入っていった。


ちなみに、鬼門のヤツらがシロとタマモを試すなどと言っていたが、膾切りと丸焼きのセットにされてたりする。

「わ、わしらの出番・・」

「・・これで終わりか?」

一応文珠を置いていってやるから、許せ。


*  *  *  *  *  *


「おう、横島。 久しぶりだな。」


[爆]


ドゴーーーーーン


門をくぐったら出てきた馴染みの顔に、思わず文珠を使ってしまった私は間違ってますか まる

「せ、先生? い、いきなり何を?」

「うわ、焦げ苦さ。 でも、ピクピクしてるから、一応生きてるわね。」

タマモの言う通り、ピクピクしてっから一応生きてるよな。 
しかし、連絡が取れねえと思ったらこんな所に居たんか、こいつは。 

「な、何ですか、今の轟音は!?    って、横島さん!?」

「あ、ヨコシマーー! 久しぶりでちゅーー!!」

轟音を聞きつけたらしい小竜姫様と、パピリオが直ぐにこっちに向かってきた。
小竜姫様の方は轟音の原因が俺らしい事に驚いたのかビックリした様子だが、パピリオの方はいつも通りのタックルを俺に敢行。
今日は腹でなく首に来たので、予想が外れた俺は大ダメージだったりする。
・・・・・・・・・・おキヌちゃん、俺はルシオラの霊期構造の侵食ではなく、あいつの妹の手でこの世を去るかもしれないよ・・・・・・・・・ガクッ。


*  *  *  *  *  *


「俺がここで修行してる間に、そんな事があったのか。 親友が大変な時に何も出来なかったなんて、・・・・・・・・横島、すまん。」

俺の目の前で、雪之丞がそう言いながら頭を下げた。
ここは妙神山の居住スペースの一室で、今現在俺と雪之丞、小竜姫様に猿神のじいさんが居る。
パピリオ達が居ないのは、流石に姉の残した霊期構造で俺が死ぬかもしれんと言う事実を教えるのは酷なのでと言う理由で、シロとタマモを遊び相手(道具?)として渡して席を外してもらっている。
散々ごねたが、当分ここに居るから後で思いっきり相手にしてやる、と言ってなんとか納得させた。
今はシロとタマモと一緒に、別室でゲームをやっている筈だ。

「気にすんな。 異界空間にこもってじいさんに稽古付けてもらってたんなら、伝わらないに決まってんだから。 それに、お前が居ても糞の役にも立たん状況だったしな。」

「はっきり言ってくれるな、親友。」

「はっはっはっ、事実だぞ、親友。」

その瞬間にきた雪之丞の右ストレートに俺が左のクロスをかます。
何故かその時、今までの服装から手にグローブを嵌めてトランクス一枚と言う姿に変わっていたが、俺達だからと納得しておいてくれ。

「ふふふ、青春と言うものですね。」

いや小竜姫様、それあんたのセリフとちゃうでしょ。

「さて、そろそろ戯れ合うのは止めて小僧の体の事に関しての話を始めたいんじゃが、良いか?」

じいさんのその問いかけに、俺と雪之丞は頷いてその場に座った。

「お主の中の、ルシオラとやらの霊期構造を押さえる方法は二つある。 一つは応急処置としての方法で、即効性ではあるが少々不安定になりうるものじゃ。 もう一つは長期的な療法で、時間は掛かるがもっとも確実な方法になる。」

多分、応急処置の方が小竜姫様がこの前少なくともって言った期間でなんとかなる方で、長期的ってのが完全にって方で言った期間かかるやつなんだろうな。

「まず、応急処置としての方法だが、小竜姫の竜気を小僧に流し込んで中和させると言う方法じゃ。」

事も無げにじいさんはそう言ったが、大丈夫なんか?
これ以上体に色んなもん混ぜて、どうにかなっちまうんじゃねえのか?

「ふむ、どうやら不安な様だが、大丈夫じゃよ。 きちんと色々な用意と対策を考えてのことだ、安心していろ。 そして、もう一つ。 長期的な療法としてじゃが。」

じいさんはそこで腰を上げ、後ろに有った箱から何やら古びた書物を取り出して、それを俺の前に放った。
これが何かはわかんねえけど、じいさんの顔に浮かんでいる獰猛なほどの笑顔は何やら怖いんで、マジで止めて欲しい。

「お主の魂と肉体を、魔族の霊期構造すら従属させれるほどに鍛え上げる。 その為にその書物に書かれている流派を極めてもらうぞ。 古の昔にある人間が、人の身で神魔を超える為に編み出した最強の流派、“武神流”をな。」 


小竜姫SIDE

ルシオラさんの霊期構造の侵食への対策法を話した後、今日はまず竜気を流し込む事をやるから一時解散と言う事になった。
私は今夜横島さんに対して行う儀式のことを考え、深いため息を吐いてしまっていた。
それをする事自体には抵抗は無い、と思う。
だが、今のあの人の事情やらを考えると、少々気が重くなる。

「悩んでいる様だの。」

突然聞こえてきた声に驚き振りかえると、禁煙パイプを咥えた老師が立っていた。

「ふん、たるんどるぞ、小竜姫。 考え事に没頭していたとは言え、特に気配を消しておらんかったわしの接近に気付かんとわ。」

「はい、すいません。」

いつもなら叱られた瞬間に気を引き締めようとするのだけど、今は出来そうに無かった。
老師の叱咤ですらも、私の頭のもやもやは消える事は無かったのだ。
そんな私の様子を見て、老師はため息を一つ吐いた。

「まったく、そうも悩む事でもあるまい。 神族ではそんな事珍しくないし、人間の方でもざらに有る事なんじゃろうが。」

「他がそうでも、私は気にするんですよ。 今の横島さんは絶対に、そんな事は駄目だと言いますから。」

そう、あんな事があった横島さんにとって、今回のコレは絶対にやってはいけない事の部類に入るはずだ。
考えるまでも無く、絶対にそれを拒絶するだろう。
それでも、それをやらなくてはあの人を助けられないのだから、しょうがないと思う。

「・・・・・やりたく無いと言うなら、今からでも他の方法を探すぞ。 幸い、まだ少しは期間が有るからな。」

「いえ、別にそれをするのが嫌なわけではないんです。 ただ・・・・・」

ただそれを行った場合、あの人に嫌われるかもしれないのが怖い。
いや違う、あの人はそんな事で嫌わないだろう。
私が怖いのは、その事で横島さんが苦悩するであろう事だ。
そして、


「・・・・・私も女ですから。」


あの人が苦悩した上で、私を受け入れてくれる事を何処か期待している、女としての欲望が怖かった。


「・・・・・・・そうか。」

その言葉に篭っていた色々な感情を読み取ってくれたのか、老師はそれだけを言って立ち去ろうとしてくれた。

「まあ、自分が良しと思った事をせい。」

「・・・はい、有り難うございます。」

立ち去る老師の背中を見送った後、私は再び考えに没頭した。
何が良い事かを、考える為に・・・。


忠夫SIDE

「さて、夜になっちまったけど・・・・・


僕ちん、どうしたらいいんでしょうか。」

じいさんの説明が終わった後に、パピリオ達に捕まって相手をさせられて、それが終わったら雪之丞の組み手に付き合わされたんだよな。
その後に他の皆と同様にあいつにもあの時のことを話して謝ったけど、アホかといわれて殴ってきやがってそのままもう一ラウンド追加。
んで、[縛]の文珠で固めて額に骨と落書きしてやった雪之丞を置いて、汗流す為に風呂に入ったらパピリオ達が乱入してきて・・・・


・・・・・いや、俺はロリコンじゃないから興奮なんかしなかったじょ!


まあ、そんなこんなで今日という日が終わったんだが、マジでどうしたらいいんだ?
竜気を流し込むとか言ってたけど、何処へ行けとかいう事は言われなかったし。


もしかして、放置プレイ?
文字通り、命がけの放置プレイってヤツなんですか、こいつは!?
んな事を考えながら悶えていると、誰かが戸を叩く音が聞こえた。

「うぃー、誰っすかー?」

「あ、横島さん。 わたしです、小竜姫です。」

おお、小竜姫様だ!
えがったー、放置プレイじゃなかったんだな。

「あー、お待ちしてましたよー、小竜姫様。 さ、入って入って。」

俺は放置プレイの回避を喜びながらそう言って、小竜姫様を部屋に招き入れた。

「いやー、どうすれば良いのかの指示が無かったから、どうすりゃ・・・・・・・・はい!!」

軽い調子で小竜姫様を向かい入れようとしたが、その格好を見た瞬間にびっくりして思わず硬直してしまっていた。
その小竜姫様の姿がどういうものかと言うと、着ているものは白い上に薄い浴衣みたいので下着も着けてないのだ! 
・・・・・・何故そんな事が解るかというと、


透けてんだよ、服の下の肌色が!!
んでもって当然ピンク色の先端が透けてたりするんだよ!!!
更に、唇には赤い紅がさしてあったりするのだ!
化粧なんかしてる所を見た事なんか無い、小竜姫様がだぞ!
いつも着けてるヘアバンドや小手も無いし、神剣も持ってないし!
これを驚かずに、何に驚けっちゅうねん!!!

「し、しょしょしょしょっししししししょ、しょおおおお、りうきさみゃ!? な、何ばしよっとるとですかい!!?」

混乱して無茶苦茶にそう叫んだ俺に、小竜姫様は静かにこう答えた。

「あなたに私の竜気を、そして


私自信を捧げに来ました。」


後書き

うぃ、ほんだら参世です。
自分がSS書き出して、ついに一年が立ちました。
この『素晴らしい日々へ』も21話、来年までに終われたら良いななどと妄想しとります。

んでもって、今回の話なんですが、散々悩んでたくせに最後の小竜姫の行動は何じゃ!?って感じかもしれませんが、全ての理由は次回にてってヤツです。
まあ、お待ち下さいってなもんですわ。
加えて、今日に間に合わせ様と急いで書いたんで変な所があっかもしれませんから、そんな所を見つけたらご指摘下さい。

前回リクをくださった、偽バルタンさん、HALさん、朧霞さん、らでぃさん、丸猫さん。
皆さんのリクエスト、了解しましたっす!
何とか日刊で行けるように頑張りたいですが、何分駄目駄目な作者なもんで、遅れるかもしれません。
そこらへんはお許しを〜〜〜〜。

では、次回は『極楽の守護者』の方で会いましょ〜〜。

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