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▽レス始

「横島の町〜第4話〜(GS) 」

とみぃ (2005-02-06 15:45/2005-02-06 15:50)
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タマモは雷撃の閃光の中、おキヌと横島が消えたのを見た。
美神がゆっくりと倒れる。


嘘!
確かに雷撃はなかなかの威力だったけど、人を消し飛ばすようなものではなかった筈だわ。
横島達が気になるけど、それよりまだする事がある。

雷獣はくるりと向きを変え、走り出した。
「バカ犬!なにやってんの!あいつが逃げる」


私は呆けているシロに向かって走りながら怒鳴った。
あわててシロも追いかける。

まだ脅威は去っていない。
美神は倒れ、おキヌもいない。
そして横島も・・・・
だから私とシロでやるしかない。

<誰かが傷ついても、敵への対応がとりあえす優先>

美神から繰り返し聞かされたルール。


<でなきゃ戦力が分散されて誰も助からない事になるわよ>

ま、状況次第なんだけど、とも言ってたけどさ。


「貴様、よくも先生を!」

あ、バカ。

シロが霊波刀を出し、考えもなしに切りかかっていく。
間に合うか?

私はいざという時のために持たされている文珠を握り
「避」「雷」と刻み、シロの前に投げつける。
さっきは、まだ何もしない段階で攻撃をしてきた雷獣が相手。
不用意な攻撃を仕掛けたらそれこそー

「おおっと!」

案の定雷撃が襲ってくるが、文珠が間に合い雷を受け止める。

「すまんでござる!」
「バカ犬!落ち着きなさいよ」

さあて。
雷を封じた雷獣なんて怖くは無い。
でも殺すわけではない・・・・・私達と同じだから。

「『縛』よ!」
「承知!」


シロが文珠を雷獣に投げつける。
一瞬で雷獣は捕縛され、転がった。


私もシロもお札は得意ではない。元々それなりの能力を持っているから、使う必要がないというのもある。けれども文珠だけはどんな霊具より私達に馴染んだ。

だからこんな時には惜しみもなく使う。
昔の美神なら「勿体無い」とでも言いそうだけど、今はなにより安全優先。


さらに念のため「眠」で眠らせた後、シロが雷獣を抱き上げた。
私も覗き込む。

「こうしてると・・・・」
「かわいいものね・・・」

すやすやと眠る雷獣はまるで子犬のよう。
ひのめと一緒だわ。
あの子も起きているときはどうにも手を付けられないけど、
寝ているときは本当に天使みたい。

いつか私も子供を産む時がくるのかも。
それは誰の・・・・・・


「とりあえず美神のところに戻りましょ」


すべてはそれから。
横島達はどこに行ったのか?
美神なら・・・・・何か知っているかもしれないわ。


美神のところに戻ってみたが、まだ彼女は倒れたままだ。
とはいえ、気をうしなっているだけで、たいしたことはなさそう。
シロは美神を舐め、ヒーリングを施す。


「とりあえず、電話するわね」


私はポケットから携帯電話を取り出す。

<私がいない時は横島君の指示に従って。彼もいない時はおキヌちゃん、そしてあんたたちだけになったら・・・・>

そんな場合、当面の危機が去ったらまず電話しなさいと言われた番号に掛ける。世界最高の指揮官、彼女の電話に。


「もしもし、私だけど」
「あら、タマモちゃん久しぶりね」


私は手短に状況を説明する。


「雷撃を受けた後、2人が消えちゃったのね・・・」

「そお。それに美神が目覚めないんだけど、大丈夫かな?」

「令子はたぶん平気だから安心して。それより横島君がないとさびしいでしょ♪」

「何言ってるのよ!!」

「しかもおキヌちゃんだけ一緒なぁんて、うらやましい?」

「・・・・・・」

「これで2人が急接近!しちゃったらタマモちゃんどーする♪」

「・・・・・・あのぅ」

「ああ!今頃2人っきりで熱いひとときかも・・・きゃっ♪」

「・・・・・・・・・・・・・」


このノリにはとてもついていけそうにないわ・・・
とにかく、そっちにオカルトGメンをすぐ派遣するからそれまで待ってて、と電話を切られた。


電話を切った美知恵は先ほどまで浮かべていた笑顔から、一転して厳しい表情に変わる。


「オズプレイの緊急発進準備!ストレッチャーと装備一式も搭載して!」
「緊急派遣チームも準備、5分後に出動します」
「白井総合病院にも支援要請、念のため医療チームを待機させて」
「西条君は本部にホールド、私のいない間指揮をお願いします」


娘の事務所はいいチームに育ってきていた。
だからこそ、こんな事態になった時は反動が怖い。
それで電話では安心させるようにわざとふざけてみた。
いつもならこれは横島君の役目なんだけど、いないものはしょうがない。

・・・・ま、ちょっとだけ探りを入れてみたのもあるんだけどね。


「なんですか一体?隊長みずから出陣するほどの事態って?」

西条君が私に詰め寄る。

「詳しく説明している暇はありませんが、横島君とおキヌちゃんが時空移動した可能性があります」
「なんですって?あれは封印されたはずでは!」
「理由も不明です、最悪の事態を考えて行動してください」
「参りましたね。彼にはまだ車の代金を払ってもらってないんですよ」


苦笑いしている彼も心配しているのがわかる。

大事にしていた車を譲るほどだから、仲がいいのねと以前聞いた時は
「いやいや、嫌がらせしたい相手がいたら車を売れ、という諺がイギリスにあるんですよ」
とはぐらかされたが、最近よく横島君が西条君を訪ねに来ているのも知っている。


西条君にいくつか指示を出した後、デスクの引き出しから通信鬼を取り出す。よく知っている神族に直通でつながるこの通信鬼。


まさかこれを使う事態になるとは、さすがに私も想像してなかった。
しかし、「悪い事態こそあり得る」という法則からすると、今まで使わずに済んだこと自体が僥倖だったのかもしれない。


「・・・・ヒャクメ様、ちよっとお力を借りしたいんですけど・・・ええ、小竜姫様もできれば・・・」


あとがき

とみぃです。
どーにかこーにか書きあがったけど、時代物より余程こっちが苦労しました・・・次はまた過去の話に戻ります。

でも当時の宗教観がいまひとつわかりません。
(というか、カソリック自体がわからなくなってきた@_@)
もう少し調査が必要ですから、今しばらくお待ちください。

さて、西条がちらっと言っていた車の話は、恐れ多くも外伝で書こうかな〜?と思っています。本編も進んでないのに・・・・ねぇ。
でも「自分の車って青春よね!」と愛子が言いそーな話のネタがありますんで。


というわけでレスのお返し。


時塚様>どうも時塚様には全部バレているのかも・・・(汗)タイトルは最後に関わってくる予定です。

Mk-2様>いろいろとご指摘ありがとうございます。今後も「おかしい」と思ったらツッコミをお願い致します。

法師陰陽師様>この年代を選んだのは、おキヌを2人にすると、もう私の文章能力では書ききれないという理由もあります・・・・

Dan様>熊本に加藤清正の業績はいくつも残っています。そのひとつに絡ませる予定です。(あまり広く知られていない物ですが)

MAGIふぁ様>某所の「後ろ向きでも全力で走れ!」全部読んでますよ〜! あの脱力具合が素敵です。
調査はググって出来る範囲程度です。でも次は現地を見ないと書けそうにありません。

矢沢様>村長は意外と加藤清正に近い存在です。側近というわけではありませんが、彼のとある実在した政策には欠かせない人物です。


さて、次は日曜日に投稿できるのか?
ていうか仕事休めるのか?>俺
現地調査に行くヒマあるのか?

色々問題をかかえつつ、次回!

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