オープニング
ガラスの割れるような音とともに、紅い身体の戦士が垣間見える。
横島忠夫・ワルキューレ・メドーサの順番に現れる
三人が交差する
仮面ライダーナイトが最初に現れ、ウイングランサーで敵をなぎ払う
仮面ライダー王蛇が現れ、その凶暴な力でナイトに襲いかかる
最後に仮面ライダー龍騎が現れ、ドラグセイバーで敵に斬りかかる
横島・ワルキューレ・メドーサがそれぞれVバックルにデッキを装着!!
龍騎に変身した横島が、ドラグクローから昇竜突破を放つ!!
その炎を切り裂いて、統治者・仮面ライダーオーディンが出現、ゴルトバイザーにアドベントカードを装填しゴルトセイバーで龍騎に斬りかかる!!
虚像世界と現実世界の三人が、背中合わせに東京タワーから街を見下ろす。
虚像世界を一人歩く龍騎の背後を、契約モンスター・ドラグレッダーが雄々しく飛び回る
横島・ワルキューレ・メドーサの順番に映り込み、三人のライダーが激しく戦いの火花を散らす!!
龍の戦いのテロップが映る
EPISODE 01
横島は自分の控室で、決勝戦に向けて精神集中をしていた。
今度の相手、伊達雪之丞の実力は半端ではない。それは、奴が優勝候補の筆頭にあったピートを倒したことで十二分に理解できた。ピートほどの実力者が倒されたのだ。自分など一溜まりもないだろう。
“あの力”があれば別だが・・・・・
一瞬考えたが、すぐに頭を振った。
ばかな!!
“あの力”が自分に返ってくるということは、刑の執行を意味するんだぞ!!
囚人とはいえ、中には信頼する仲間もいる。
それに、元々戦いを好まない自分が壮絶なバトルを生き残れる自信はない。
そうだ!!
もしかしたら、このまま刑は執行されないかもしれない。
統治者もきっと忘れてしまったに違いない!!
ここでひとつ訂正しておくが、横島=龍騎は決して弱くない。実力申し分のない一流の戦士だ。特に剣術に関しては超一流で、小竜姫など手も足もでない。
だが、その実力は本人の優しさによっていつも本領発揮まで届かないのだ。
現実世界に転生してから数年。
力を奮うことのない世界で、龍騎こと横島忠夫は青春を日々謳歌していた。
我が儘な上司にこき使われて危険な任務にも巻き込まれたが、虚実世界での戦いの日々に比べれば何のことはなかった。
だが、楽しい日々が続けば続くほど“刑の執行”が気になった。執行されればどんなことが起こるかわからない。壮絶なバトルロワイヤルにみんなを巻き込んでしまうかもしれない。
最悪、誰かが死んでしまうかもしれない。
それだけは、絶対に耐えられない!!
(何をため息をついている?主よ)
「心眼か?ちょいと悩み事がな・・・」
(ふっ・・・雪之丞を叩きのめすというなら力を貸さぬこともない)
「俺の考えてることはお見通しか・・・・よし!!行くぞ!!」
横島は意気込んで控室を後にした。
だが、神は非情なり。
戦いの瞬間は刻一刻と近づいていたのだった!!
「次の試合は横島忠夫選手対伊達雪之丞選手!!両者、結界の中へ!!」
審判の指示に従い、雪之丞は結界へ入った。
しかし、肝心の相手がいつまで待っても姿を見せない。
『野郎怖じ気づいたか?いや、そんなはずはない。あいつは必ず来る!!』
雪之丞が期待に胸を膨らませながら、ミカ・レイこと令子は安堵していた。
『賢明な判断よ、横島君。こいつはどうやってもあんたの実力じゃ敵わないわ。悔しいけれど、今回は棄権ということで・・・』
すると、向こうからバンダナの少年が走ってきた。
「すんませーーん!!遅れました!!」
「よくきたな!!さあっ、おっぱじめようじゃねぇか!!」
雪之丞は満足げな表情を浮かべ、魔装術を展開した。
どんなときでもこれを最初から使用することはなかった。
雪之丞には確信があった。こいつはまだまだ強くなる。だったら、その相手に手加減するのは失礼に当たる。
『あのばかっ!!死んでも知らないから!!』
毒づいてはいたが実際、横島の身を案じる令子であった。
戦いが始まった。
雪之丞は霊波砲を次々と繰り出し、横島を追いつめていった。
横島も霊気の盾で何度も防いではいたが、そろそろ限界に近づいていた。
「やばいーーー!!心眼、何とかせーよ!!」
(無茶を言うな。こちらには無駄に消費できる霊力がないのだからな)
「頃合いだな・・・・受けてみやがれ!!横島ぁっ!!」
雪之丞の右手から、フルパワーの霊波砲が放たれた。
横島はそれをとっさに庇った。
だが直撃する瞬間、二人の目の前を何か黒いものが横切った。
それは横島の利き手に吸い寄せられるように収まった。
黒いカードケース
その表には銀色の龍を模したエンブレムがはっきりとあった。
始まったのだ!!
横島はあたりを見渡して次の攻撃に備えた。
奇妙な耳鳴りがさっきから止まない。近くにモンスターがいる証拠だった。
「何をきょろきょろしてやがる!!行くぞ!!」
「待て!!伏せろぉぉぉぉぉぉ!!」
雪之丞のすぐ後ろに、モンスターは迫っていた。
蜘蛛のモンスター・ディスパイダー。
しかし、それを感知できるのは横島だけで、雪之丞には何のことかさっぱり理解できない。
会場に特設されたオーロラヴィジョンからディスパイダーはすでに、雪之丞の背中に粘着性の糸を飛ばしていた。
このままにしておけば、雪之丞がエネルギーにされてしまう!!
横島はありったけの力をこめて、雪之丞を蹴り飛ばした。
「ぬぉっ!!不意打ちとは卑怯じゃねぇか!!」
「バカ!!早くここから脱出・・!!ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
二の句を告ぐ前に横島は糸に絡めとられ、ヴィジョンの中に吸い込まれていった。
「横島君!!」
「横島さん!!」
「横島ぁ!!」
ミカ・レイ、おキヌそして雪之丞が口々に叫ぶ。
「ん?あれを見てください!!」
ピートの指差した方向。
ヴィジョンのなかに横島の姿があった。
だが、自分たちがいる場所に横島がいない。
「小竜姫様!!これはいったい何なんですか?!」
(我が、主は別の世界へ連れ込まれたらしい)
「心眼!!無事だったのですか?」
(小竜姫。我はなぜかわからぬがはじき出されてしまった・・・・主が危ない!!)
「わかっています!!でも、姿が見えないのでは・・・!!」
だが、当の本人は落ちついていた。来るべきときがきた・・・・
他に何の形容も仕様がない。
『理解しているではないか・・・・龍騎』
「オーディン・・・!!」
『ただいまをもって、超絶武闘刑を執行する!!戦え!!最後の一人になるまで!!』
横島はディスパイダーの前に立ちふさがった。
「お前を倒さなければ、俺はここから出られない。俺は戦うことは好きじゃない。誰かを巻き込んだり、死なせてしまうのも。
だから・・・俺は絶対に負けない!!負けるわけにはいかない!!変身!!」
横島はVバックルにデッキを装填し、ディスパイダーに向かって走り出した。
赤い光が全身を包み、そこから無双龍の力を纏った超戦士・龍騎が現れた!!
「あ、あいつ・・魔装術が使えたのか?」
(いや・・・あれはそんな生易しいものではない・・・魔装術など足元にも及ばぬ力を感じる!!)
そして、それを今一人の戦士が腕組みしたまま見つめていた。
その名を、メドーサと言った・・・・・
NEXT EPISODE
次回予告
ディスパイダーを難なく倒した龍騎。
しかし、そこに新たなる戦士が現れた!!
「貴様・・・!!」
「こういうのが戦いなんだろ。違うのか?」
戦わなければ生き残れない!!
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