はじめに
ここで…
令子「いつになったら私は活躍するの?」
さぁ?
『第一試合、横島忠夫選手対ティラ・ミス選手、結界内へ』
「よろしくおねがいします」
赤いコートを着たメガネ女性が片手を前に出してきた。
「お互い悔いが残らない試合を」
横島はその手を握り握手を交わした。
「はじめ!!」
ティラがメガネとコートを脱ぎ捨てた。
そして…
「オーッホホホホホホホホホホホホホ!!」
SM女王が現れた。
「さぁ、可愛い坊や、たっぷり可愛がって、あ・げ・る(ハート)」
「ボンテージ姿のネェチャンはシンクラヴィアだけで十分なんだよね」
「女王様とお言い!」
ムチが横島を襲う(原作の横島なら喜んで当たっただろう)。
「『強襲の手』〈ハンズ・オブ・レイダー〉」
サイキックソーサーで出来たイガ付きボールをムチに当てて攻撃を防ぎ、跳ね返ったボールに右手から出した漆黒の霊力の鎖がはまり『強襲の手』が完成した。
「坊や、面白いことするのね」
ムチと破砕球がぶつかり合う。
「おおお!!」
ティラがはじいた破砕球が不意に軌道を変えティラに当たった。そのままティラは結界外へ出て気絶した。
「勝者、横島!!」
――――――――
「不動さん、何で最後、横島のハンマーが変な動きしたの?」
「あの『強襲の手』の先はサイキックソーサーで出来ている。だから自在に動かせるのだ」
「だったら何で最初からしないワケ?」
エミの指摘はもっともだ。
「あれはねぇ〜多分相手を油断させるためよぉ〜。ハンマーとムチじゃど〜やったってムチの方が小回りが利くものぉ〜。そうでしょ〜不動君」
「たぶんな」
――――――――
それから横島は順調に勝ち抜き…
『決勝戦、横島忠夫選手、真宮寺さくら選手、結界内へ』
「…はじめ!!」
さくらが審判のかけ声と同時に抜刀した。
「『禁断の手』〈ハンズ・オブ・フォビドゥン〉」
それを漆黒の大鎌で受け止める。
「ハァァァ!」
横なぎ、突き、斬り上げ、止まることなく繰り出される斬撃を大鎌で防ぎ続ける。
「せい!」
大鎌が首を狙う。
「クッ」
バックステップでかわし大鎌をやり過ごすと突きを放った。
「うおっ」
体をひねって避け、そのまま回転して勢いをつけて大鎌をふる。
「やりますね」
「お互いにな」
二人は踊るように立ち位置を変えながら攻め避け防ぐ。
「楽しいな」
「はい。でも、これで終わりです!はぁぁぁ!!」
「おお!!」
激しい激突に煙が立ち込める。
『な、何も見えない!立ち込める煙で何も見えません!中ではどうなっているのでしょう!真宮寺選手か、横島選手か!どちらに勝利の女神はどちらにほほえむのか!?』
煙が晴れるとそこには大鎌で体を支える横島とのびているさくらがいた。
「勝者!横島!!」
『最年少GSがここに誕生しました!!』
――――――――
六道邸では横島の合格パーティーが行われていた。
「あらあら、横島君の食欲は師匠譲りかしらぁ〜」
味がわかっているのか聞きたくなるような勢いで食べまくるアキラとそれを眺めて微笑んでいる冥穂。
少し離れたところで横島はシンクラヴィアとミヤビと話していた(三対の嫉妬の目線のおまけ付きで)。
「よくこの時期に佐久間さんが二人を手放したな」
「榮太郎がギャルゲーしている間に最高指導者達の命令書をエーネウスが渡してくれたのよ」
「今頃はワタシ達のあなを最高指導者達でうめてるかもネ」
――――――――
「二人とも手伝ってもらおうか」
「えいちゃん、待ってください。私たちはやったことないんですよ」
「せやせや」
「安心したまえ、そんなときのためのアシスタンXだ!」
「「イヤーーーーーー」」
最高指導者達の絶叫が響きわたる部屋にかわいそうな子羊ではなくヒャクメが入ってきた。
「報告書持ってきたの………またくるのねぇ!!」
榮太郎の姿を見て大急ぎで退室しようとしたが間に合わなかった。
「ヒャクメ、ここに入ったのが運のつきやったな」
「きっと楽しいですよ」
「いやなのねーーー!!!」
数日後、机に突っ伏し、「もう許してください」とか「すみません。一時間後には必ず」と呟き続けるキーやんと「あは。あははは。あはあは」とうつろな目で笑い続けるさっちゃん、ピクリとも動かないヒャクメがいた。
あとがき
次回からは数年後の話をやります。
二番弟子は原作に登場した彼女になっています。
外伝『右手に鎌を左手に…』で白虎とセイレーンは誰だ?という感想があったので…
シンクラヴィア…セイレーン
ミヤビ…白虎
ファミ通文庫『まじしゃんずあかでみぃ』のキャラなのでくわしくはそちらで
では