新年早々、横島の周りはすさましい暴力と破壊の嵐が吹き荒れていた・・・
二年参りという事で、横島とその女友達(自称:恋人&ペット)とその一部の保護者などが一纏めに移動。
シングルマスを何とか生き残った武士<もののふ>に介錯しまくっていたのはほんの些細な小事である。
人で溢れる境内を、屋台から流れる匂いに引っ張られそうになるけものっ子達を我慢させながら進む一行。
無事にお祈りをし、横島がほっとした隙を天使は駆け抜けていった。
振る舞い酒とはいえないが、神社で売られている一枡500円のお神酒を横島の眼を掻い潜り飲み、お神酒に当たったけものっ子組は。
「ひっく・・・ 光の使者 ぷりきゅあシロでござる」
「もぅ、あしもとふらついてるわよ。 とっとと・・・光の使者ヒック ぷりきゅあタマモ」
「「こんな所で萌萌言ってる悪い子は、とっととお家にかえって(ピィィィィィィィィ にゃおぉぉぉぉぉん わんわわわん こけこっこぉぉぉ めぇぇぇぇぇぇ ひ、ひぃぃぃぃぃん)よ!!」」
神社の上に飛び上がり、不適切用語を声高らかに叫び、おっきなお友達&おっきな姉さン達に痛恨の一撃を撒き散らしていたり。
ケイはケイで、某高性能宇宙海賊戦艦のヒューマンインターフェイスのように、
「にゃんにゃんにゃにゃにゃにゃ、にゃんにゃんにゃにゃにゃにゃ・・・・」
と、ほんわかした空気をお年寄り達の前で披露していた。
おなじみとなった巫女服に身を固めたおキヌ。 やはり酔っ払っている。
「いいですか、女性の胸はいやらしい殿方の欲望で汚されるものではなく。 幼子をいつくしみ、育て、その懐で守るべき神聖なものなんです。
聞いてますか?
そもそも『母』のなかに有る点は女性の胸でありとても大事なものなんです。 それを小さいとか大きいとかで優劣をつけたり勝手に幻想を持つなどもってのほかです!
小さくても薄くてもちゃんと優しく大事に扱ってもらえれば感じますし、将来的にはお乳も出ます!! そこっ!足を崩さない!!!!!」
などと、こんなときにまでカメラを持って来て、盗撮まがいのことをしていた犯罪者予備軍に説教大会。
一部はその状態にうっとりと・・・ まるで保母さんに怒られたい幼稚園児のようだった。 (その手の漢の店のオプションであるそうな)
東のゴッゴマザー 美神美智恵 対 西のゴットマザー 横島百合子 の対決は美衣を巻き込んで佳境に入っていた。
酒樽が転がり、艶っぽい空気が漂っているが。
美智恵の側には、腕の中で引きつっているひのめと、もんじゃの海でおぼれている令子。
百合子の側には、やっぱり美人の女性達に声をかけ百合子の摂関の末、血袋となってしまった大樹が転がっていた。
「(ご、ご主人様助けてください にゃ、にゃ~~~~ん)」
美衣は二人から放たれる殺気に挟まれ、尻尾を丸め固まっていた。 (恩返し 美智恵編参照の事)
そして、横島と我らがゴット姐さン 小鳩ちゃんは。
「忠夫さん・・・」
「あぁ・・・ これが最後の年始行事だと思わないほうがいい。 来年も再来年もありえることなんだ」
「私怖い」
などと、現実逃避に『初代○ジラ』ごっこをしていた。
車を持つ唐巣神父・西条の助けで何とか全員を美神事務所に掘り込み終わった横島は、築地に転がる冷凍マグロの様に転がる女性陣に毛布をかけ終わりどっと疲れていた。
「おつかれさまです」
「あぁ、新年早々こんなになるとは思いもつかなかったよ」
どっかりと絨毯の上に座る横島に、お茶を渡す小鳩。 まるで長年連れ添った夫婦のようだ。
「こんな状態だし、もう遅いから夜が明けてから一緒に帰ったほうがいいよ」
「そうですね、はい、そうします」
お約束ならここで『キック・オフ』な感じになるのだが。
ゆらりと立ち上がる影、
「うふふふ、 タ・ダ・オ♪ ほら、おかあちゃんとねんねしましょうね♪」
酔っ払いに敵は無し、百合子が暴走状態で再起動したのだ。 横島の背中から腕を回し遠慮なしに抱きつく。
「おかんやめてーなぁ! 胸が胸が背中に当たってるって!! オヤジに抱きついたらいいやんか」
じたばたと暴れる横島だが、母親に逆らえなくもがくだけである。
「もう、照れちゃって ? そうだ、小鳩ちゃんも忠夫と一緒にねんねしましょうね♪」
そう言って百合子は腕を瞬間的に動かすと、横島と小鳩の服を脱がし、横島を挟み込むように抱き固めそのまま夢の中へ旅立った。
教訓:難波のおかんに敵は無い
今起こった状況に対応できない横島だが、情報は五感から溢れるほど流れてくる。
右胸に当たって見えるのは、昔お世話になった乳である。 年齢を感じさせない熟れた果実が豪華な乳バンドからはみ出ている。
この前見た美智恵と同じぐらいだろか。 懐かしいにおいもするし、感触も安心できる何かが伝わってくる。
左胸に当たって見えるのは、これからお世話になるかもしれない乳である。
質素な乳バンドからはみ出そうになっている青くみずみずしい乳である。
横島の視線にぼしゅっと顔を朱に染め固まる小鳩。
「(これってやっぱり親公認?
すると、今からナニをアレして天国に連れって行ってもらってもOK?
こんな事だったら、気合入れてもっと程度のいい下着を着てくればよかった!
だけど、血で汚れるし。 他の物でも汚れるし。 これぐらいがいいのかな? えっと、この前終わったのが○○日だから、ちくしょうはずれだぜ。
まぁ、この後毎日可愛がってもらうからそれはそれだな。
いきなり親の前でナニってのも、刺激的かもしれない。 それに、最初にしてもらえるなんてダーリン、あてーは我慢するぜ)」
小鳩の妄想は加速をつけて空回りしだし、そして、
気を失った・・・
ちなみに横島はとっくの昔に気絶していた。
「忠夫さん、小鳩はいつかきっと天国に連れて行ってくれると信じています。 だから、死なないでください」
美神ビルの屋上から芋虫のようにぶら下がった横島に小鳩は呟く様に祈った。