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▽レス始

「世界の終わり、そして決断。〜ver.serious〜(GS)」

永風&相棒 (2004-12-23 09:42)
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”世界が崩れ逝く”


そんな文字通りの光景が彼等の目の前に広がっていた。

夕陽で紅く染まっていた空は、より上空から硝子の様に罅割れ、砕け、漆黒の何か〈ソラ〉へと堕ちて〈昇って〉行く。

崩れた空白は黒い何か〈ソラ〉により侵食され、それ自体へと変貌していた。

それはより下へ、下へと、範囲を広げる為に同様のことを繰り返してゆく。

「崩れ逝く世界…か」

座して夕日を眺めていた男は、悲哀を以ってその光景〈絵画〉に題名をつけた。

「ま、俺等の世界〈日常〉は疾っくのとうに壊れてたけどな」

別の男が壊れ逝く世界を皮肉る。背を凭れ、横目で夕日を寂し気に眺めていた。

誰も文句を言わないところを見ると、事実のようだった。

「……ですね…」

数秒の沈黙の後、さらに別の男が賛同する。立ったまま、真正面に夕陽を眺め続けていた。


瓦礫と、瓦礫と、瓦礫と、瓦礫。

それは四つのことを表していた。

一つ、三人の男が陣取っている場所。

一つ、眺めている光景を彩る背景。

一つ、それは世界の実状。

一つ、それは世界の実情。


―――世界が崩れ逝く以前に、既に世界は壊れていた。


それが今、現在にして崩れ逝く理由なのかもしれない。

壊れた世界(玩具)…故に世界(塵)を排除する…

「…………」

「…………」

「…………」

三人に言葉は無かった…とは言え”感慨が無い”、と言う訳でもなかった。

寧ろ、”未練”が強かった、強過ぎた。


―――もう実現不可能なこと、故に…


「…どうしてこうなってしまったのでしょうか?」

「…さあな」

「今更悔いたことでしょうがない…それは解っているが…それこそ、今更って感じだな……」

「ああ、そうだな」

「ええ」

男の掛け声に二人は頷いて見せた。

そして、しばらくの間、沈黙が辺りを支配した…

三人は沈みゆく夕陽を見る………沈んだ。

辛うじて、夕陽は侵食されなかった…

彼等にとって、それは救いだった。

暗闇が辺りを支配する。

最早、空は何か〈ソラ〉へと化し、月も、星も、何もかも見えない…灯りがない、真の暗闇へと変貌を遂げていた。


「……出て来い」

座していた男が突然、誰かを呼び出す。

別の男は凭れていた背を起こし、またもう一人も身を翻して、座した男の変わりに身構えた。

声に呼応するかの様に、夕陽とは逆方向…座した男の背後に何かが現れた。

一つ、神々しいまでの光を持つ男性。

一つ、神々しく、かつ禍々しい闇を持つ男性。

「今更何のようだ、神界の指導者、そして魔界の指導者よ」

「僕達を滅罪しに来たんですか?」

身構える二人が殺気を放つ。空気が重く圧し掛かる様に、現れた二人に打ち中てられた。

「いえ、私達は貴方達をどうこうするつもりはありません」

「せやせや、だからそんなに気張らなくてええで」

それを意に介した風でもなく、二人は殺気を受け流す。

「何を、しに?」

座した男がゆっくりと立ち上がり、向き直る。

「謝りに…そして取引をしに来ました」

「…………」

神と悪魔は頭を下げた。

「私達の力が及ばなかったばかりに、世界を破滅へと追いやってしまいました…申し訳ありません」

「スマンかった…」

三人はさして気にした風もなく、冷ややかに二人を見つめていた。

彼等の目は、訴える…何を今更、と。怒りではなく、悲哀の想いで…

神と悪魔は頭を上げる、その目を見て沈痛な面持ちをするが歯を食いしばった様にそれを隠した。

「取引、とは?」

「世界を壊させないこと」

「報酬は?」

「日常という名の幸せ…そして、大切な人達を」

「代価は?」

「あんさん達の力」

「何をすればいい?」

「過去に戻り、改変を……」

「…………」

「…帰れ、そんな取引には応じられない」

「何故?」

「大切な人はもう戻らない、二度とだ。」

「なぜなら、例え過去だとしても、変えた時点でそこはここではない別の場所…平行世界の一つになってしまうから…」

「その時点で俺等にとって大切な人と同一人物だったとしても、俺等にとっては限りなく同一に近い他人となっちまう…」

「故にですか?」

「ここは俺達が護ろうとした世界、彼女達が護ろうとした世界、彼女達が愛した世界、そして……彼女達が亡くなった世界…」

「ここは俺等の生きた証…」

「ここは彼女達が生きた証…」

「ここは俺達が精一杯闘って、精一杯生きた証だ。何より、先に死んでいった者達にも、申し訳がない…」

哀しげに、座していた男は自身の信念〈エゴ〉を示した。

神と悪魔は大きく溜息を吐く。

彼等の目には一切の迷いすら皆無であり、濁りもなく、ましてや陰りもなかった。

「……ワイ等は過去に戻り、歴史を改変し、ラグナロクを回避させる」

「残った主な軍隊は、闘神阿修羅、偉大なる魔界の王パイモン、そして生命の木の守護者ラファエル」

「……それ等の軍隊が、最後の徒花を咲かせにあんさん等に迷惑を掛けるやもしれへん…スマンがワテ等では止められへん…気ぃつけやー……」


―――魔人達よ

魔人――彼等は人の身でありながら、世界〈日常〉を壊した神族と魔族を憎み、力を望み、そして超えてしまった者達。神魔族を凌ぐ力を持ちながら、尚成長し続ける者達。

そんな彼等に神と悪魔は背を向けた。

その背を見続ける三人…座した男が言葉を紡ぐ。

神と悪魔はそれを背中越しに聴いた。それは彼が相棒二人以外には出さなくなって久しい、穏やかな声だった。

「健闘を祈る――――――頑張ってな」

そう言いながら、三人は夕陽が沈んでいった闇へと消えて行った……


一際高い場所にある瓦礫、そこに魔人達が陣取っていた。

「お〜いるいる、長年の決着がやっとつきそうだな」

そう嬉しそうに言いながら、あの瓦礫に凭れていた男は一瞬にして全身鎧を纏っていた。

「ええ、僕もラファエルと決着をつけるつもりですよ?」

黒いマントを靡かせ、そして緑眼が真紅へと変貌した。笑みを浮べる口元には鋭く尖った犬歯が目立った。

「しっかし、パイモンって相変わらずいい女だな」

遠くを見つめ、ニカリと笑う座していた男。額には真紅のバンダナ、手にはビー球の様な物を弄んでいた。

「そういう所は変わらねーな…」

「まぁ、それが貴方のいいところなんでしょうけどね…」


―――横島(さん)

苦笑をしながらも、彼等は獰猛に変わってゆく。

「さて、最後の闘いだ…この世界を壊した奴等に目に物見せてやるぞ…」


―――雪之丞

―――ピート

「おう」「はい」

彼等の目の前には数百もの聖に属する者、魔に属する者達の軍団が広がっていた。

また、何か〈ソラ〉の侵食は、遂に地上にまで影響を及ぼし、少しずつ…軽い物から順に瓦礫が吸い込まれてゆく。

世界崩壊ももう僅か…それでも彼等は闘おうとしている。


何の為に?


―――決まっている、彼等の背後をよく目を凝らして見てごらん。

そこには幾千、幾万、幾億もの粗末な墓が建ち並んでいた。

その中の幾つかに、丁寧に作られた物があった。

墓標の名前にはこう刻まれていた……

――我が愛する者達――

彼等〈死者〉を護る為に、彼等は闘う。


あとがき

永風:ども、はじめまして〜、永風です。あんまりダークにならないように気をつけたのですがどうだったでしょうかぁ?

相棒:どうも、そのダチの相棒です。

永風:………そんなハンドルネームでいいんかい?

相棒:いい。

永風:あそ……一応、私と相棒とで創作した協同作です。

相棒:二人集まってない知恵絞りました。

永風:お前、ここのあとがき書いてるだけじゃん。

相棒:言うな。

永風:へい。


―――閑話休題

相棒:んじゃ、解説してくれぃ。(←なげやり)

永風:………(ジト目)…ま、いいけどね…

相棒;なんだよ?

永風:別に、じゃあ解説。何が訊きたいの?

相棒:誕生秘話。

永風:……はぁ…お前が突然、暇だから何か読ませろって受験生の俺ん家に来て読んだのがきっかけだろう…んで、俺が受験終わってからって言ってんのに無理やりヤラせて…

相棒:アア、ソウダッタ、ソウダッタ。(←棒読み)じゃ、次、このマンガで好みの女性キャラは?

永風:……一位タマモ、二位メドーサ、三位小竜姫、次点ベスパ。

相棒:偏ってんなぁ。小竜姫様以外、どいつもこいつも強気キャラばっかじゃん。

永風:……もうどーにでもしてぇ…(泣)

相棒:次。(←無視)魔人ってどんなお前の中でどんな設定?

永風:(ああ、やっとこまともだ…)基本的に神魔族っていうのは生まれたときから持つ霊格が決まっていて、霊力はそれ以上鍛えても成長も衰えもしない。まぁ、技術の進歩や衰えはあるかもしれし、単純な霊力を喰らって制御できれば強くなれるけど。でも、この小説中の三人は元人間、半人魔。故に成長できるっていうこと。それでもここまで来るのには時間が掛かるけどね。

相棒:(説明好きなやっちゃなぁ…)何でこの三人なん?

永風:ピートはいいでしょ、ハーフ・バンパイアなんだから。横島もよくあるルシオラの魔族因子が活性化。

相棒:じゃ、ユッキーは?それと、横っちが強いのはいいとして、ピートが強いのは?

永風:ユッキーは、魔装術が原因。憎しみの想念が強すぎて、でも人は捨てたくなくて半魔族化。本当は人と魔物の雑種であるタイガーも居たんだけど、めんどかったし。所詮タイガーだし。んで、ピートが強いのはバンパイアの力を完全に引き出し、かつ修行したから。ほら、最後の方で目が紅くなってるでしょう?あれって、バンパイアとしての血の濃さを底上げして、魔族或いは魔物としてのバンパイアの力を上げてるんだよねー、実は。

相棒:へー、そう。ま、所詮タイガーだからねー、薄らでかいくせに影薄いし。ところで、ピートの目って緑だっけ?

永風:どっちかってゆーとエメラルドグリーンっぽかったけど…

相棒:どこにそんな描写がある?

永風:えーと…確か、13巻の裏。

がさごそ…ひょい。

相棒:あ、ホントだ。くだらないこと覚えてんなぁ。

永風:………もーやー…(泣)

相棒:次。(←無視)世界、壊れてるけど、何で。

永風:あんまり、考えてない。大して深く練ってないし、短編仕様だし。

相棒:あそ、次。(←めんどくなって、既にやっつけ仕事と化している)阿修羅とかパイモンとかってのは?

永風:大体全部メジャーなもんだと思うけど?わかんないんだったら自分で調べれ。ちなみに私の独断と偏見で、阿修羅はバトルマニアっぽそうだったのでユッキーの、ラファエルはナルシスホモっぽそうなのでピートの、パイモンは「バス○ード」で女だったのでつい横島の当て馬にしちゃった、適当に。

相棒:ふ〜ん。ま、そんなとこかなぁ?じゃ、疑問に思ったり、感想があったらどんどん応募してくだせぇ。答えるのはコイツだから。(ドキッパリ)

永風:……質問真面目に、感想は多少ふざけていてもかまいまへんので、お待ちしております。

相棒:ちなみに、明らかな矛盾点を発見して質問してしまった場合、この根性無しは逃げますんであしからず。

永風:あしからず。(ドキッパリ)

相棒:…………そこ同調するのって、どうかと思うぞ?

永風:そう?

相棒:うん。あ、ちなみに続編っぽいのありますよ〜…厳密にはこれの続編ではないッスけどねぇ〜。それじゃ!

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