「なっ何っすか!アレ!?」
「ガーゴイル《動く怪物の石像》だわ!!」
美神と横島の前には巨大なガーゴイル
美神はガーゴイルに向かい神通根で斬ろうとする
だが敵の装甲の前に弾かれる
「へぇ〜なるほどね、・・・だったらこれはどうかしら!!」
美神の神通根が変化し始める―――
――心眼は眠らない その10――
事の始まりは今日の昼過ぎでの出来事である
横島が遅刻気味に出勤し、オフィスにはマリアがイスに座っていた
このマリア、実は充電中で触れば感電を引き起こす状態であった
一見して何でもないように見えるマリアに触れてしまった横島
「のわーーーー!!」
『なっ何ごとだ!!』
見事に感電し、暴れる横島と突然の出来事に驚く心眼
そんな最中に美神がオフィスに入って来る
横島が美神に助けてもらおう美神に触った瞬間
キィィィィィィィィン
美神の母親である美智恵が体得していた時間移動だが
美神が感電をキッカケに自分も発動してしまった
美神、横島、マリアの三人が行きついた場所は、
1242年のスイス・イタリア付近の国境であった
一同は辺りをさ迷っていた最中にマリアの電池が切れてしまい
そして今の状況に至る
「へぇ〜なるほどね、・・・だったらこれはどうかしら!!」
美神は己の霊気を高めていき神通根が鞭の形に進化する
これは神通根が美神の念の出力に耐えられなくなり変形していったのだ
美神は妙神山での修行によって霊気の出力の上昇といった全体的な
パワーアップを大幅に果たした。これは原作と違い、
最後の仕上げに斉天大聖老師と戦ったのが影響しているのだ
何はともあれ美神は自分の力を上げる事に成功していた
美神の鞭がガーゴイルの羽を弾き切る
怯むガーゴイルに追撃をする美神
棒状の時と違い、鞭状は加速がつく分、
その威力と射程範囲が大幅に上がっている
一介のガーゴイルは美神の敵ではなかった
「ミ・カ・ミッ!!ミ・カ・ミッ!!」
『おぬしは手伝わんのか・・・』
美神の圧倒振りに横島は何処から取り出したのか、
扇を持って応援に励んでいた
心眼の独り言はスルーされる
結局、敵の反撃もなく美神の圧勝で終わる
「いや〜美神さん、すごいっすね!!
ムチか〜、ますます女王様っすね!!」
「一言多いわよ!」
小突く美神
そこで心眼が
『待て、囲まれておる・・・この気配はただの人間のようだが』
驚く横島と美神、
そこに一体のおかしな犬と一人の女性が現れる
「こんにちは!僕、横島!!」
『だからそれをやめぬか!』
美神と心眼に怒られ少しだけ大人しくなる横島
女性と話をしていくとマリアが連れてこられる
「マッマリア!!」
「何!なぜこの人形と私が同じ名なのだ!!」
女性はマリアといい、話を進めて行く内にカオスと知り合いだとわかる
話を進めて行く内に、先ほどのおかしな犬はカオスが制作した機械犬
でバロンというらしい。ちなみに肝心のカオスは地中海で吸血鬼退治を行っているらしい。
「姫様!!大変です!
プロフェッサー・ヌルの部下が!!」
「何ですって!!急いで村に戻ります!!」
突然の報告に皆が慌て始める
そしてバロンを先頭に皆が帰還し始める
「お願いだ!さきほどの化け物と戦っていた所を見ると、
あなた達はヌルの味方ではないはず!
力を貸してくれ!!」
「ちょっちょい待ち!!」
始めはごねる美神であったが、最後にはカオスの研究材料をパクる事で了承する
村に着いたときにはすでに敵がすぐ傍まで迫っていた
「まずいわね・・・マリア!戦えないものを村の奥に急いで集めて!!
横島クンはあの村人が非難するまで耐えて!!」
「おっ俺がっすか!!」
『こちらはまかせろ美神どのは結界の準備を急いでもらおう!』
すぐさま美神の考えを読み取り、喚く横島に指示する
村の入り口付近で隠れている横島
『ふぬ、アヤツら人間ではないな・・・横島よ、敵は数が多い!
先日みたいにサイキックソーサーを爆発させて叩くのが一番だ!!』
「ちくしょう〜やばくなったら逃げっからな〜」
やっぱり美神と最近は心眼にまで逆らえなくなってきた横島であった
「あっあれバロンじゃ!!」
『あれほどの者を倒せるヤツが向こうにいるというのか!?』
実際はバロンは犬の習性に逆らえず自爆したのだが、
それを知らない心眼は驚く
「あーくらえ!!」
サイキックソーサーを投げ敵付近で爆発させる横島
ヒッヒヒィィィィン
実はこれの最大のメリットは敵に直撃しなくても
馬が暴れだしてしまうという事だ
馬を静めるのに必死になる相手
そこにすかさず二発目を放つ横島
「キサマ!このヌル様の親衛隊、暗黒騎士団の隊長である
ゲソバルスキーをなめるな!!」
頼んでもいない自己紹介をするゲソバルスキー
横島は冷静にその自己紹介を無視って放ち続ける
しかし徐々に横島との距離を詰め始める敵連中
「もっもういいだろ!?心眼!!」
『では止めに最近練習していたヤツを放ってやれ!!』
心眼のセリフに横島は安堵した後、精神を研ぎ澄ます
そして―――
「サイキックブレット!!」
―――弾丸の如く霊気の弾が横島の手から飛び出す
早い話、これはサイキックソーサーを圧縮させて
スピードを大幅に上げる事によって敵の回避をさせないようにして
命中精度も極端に上げた技である
その分、発射されてからは曲げたり、爆発させたりする事はできないが。
その強さと速さは横島の霊力に比例する
ちなみに最近の特訓で横島は霊気の
圧縮や伸縮そして爆発するコントロールを行っていた
そのおかげでサイキックソーサーはサイキックブレットへ派生した
ちなみにかなりの集中力を使うため、現段階では連発不可である
その弾はゲソバルスキーには当たらず隣の部下Aに直撃する
そのまま吹き飛ぶ部下A
弾は貫通し、後ろの部下Bも吹き飛ばした
「よっしゃー!!んじゃ逃げっぞ!!」
『ふぬ、これからは命中率の高める練習が必要だな』
逃走は横島の十八番、彼は余裕で逃げ切った
横島の奮闘もあってか敵は村人が集結している場所に着く前に、
バロンの緊急信号によってカオスが帰還した。
それにより退却したゲソバルスキー達
「横島〜アンタのせいで精霊石、無駄にしちゃったじゃないの〜!!」
「ヒ〜!!何でや〜!!」
結局、精霊石の結界は意味を発する事はなかった
それによって全くの八つ当たりをする美神
「あ〜ところであまえらは誰だ?」
カオスの発言によってとりあえずおさまる美神
一同は話をしながら、とりあえずカオスの研究所に向かう
研究所でカオスはバロンの修理を行いつつ美神たちと話す
美神は元の時代へ帰らせろとカオスに言う
マリア姫はヌルの退治を頼む
その時であった
「私の話を聞いてくれませんか?」
「プロフェッサー・ヌル!!」
「っち!立体映像投影機か・・・バロンに仕掛けるとはな」
バロンに仕掛けられていた機械からヌルの立体映像が飛び出す
ヌルの話はカオスとの協同経営であった
「見損なうな!!カオス様は・・・姫のカオス様は・・・」
「姫・・・」
マリア姫はカオスに抱きつきながら叫ぶ
マリア姫の言葉にカオスはヌルとの協同経営を拒む
美神はそのあとヌルにハッタリを言ってヌルの正体が
魔族であることを暴く
「そういえばお前達の件があったんだっけな!」
マリア姫と抱き合っている所を指摘され我に返るカオス
「結論からいえば可能だ!!」
実は横島の頑張りもあって村に持ってきたマリアはゲソバルスキーに回収されなかった
マリアが手元にあるためマリアさえしっかり動けば帰ることは可能である
「すまないが帰る前にヌルを追い払う手助けをしてもらいたいんだが」
美神は渋ったが確かにカオスがいなければマリアを治すことは不可能
研究資材を条件に美神は了承する
翌日、ヌルは城で美神やカオスを倒す算段を立てていた
そこに部下Cが焦りながらやってくる
「大変です!!ミカミとあの男、村で邪魔をした男が暴れています!!」
「何!!」
急いで美神の元に向かうヌル
そこでは美神、横島がザコソルジャーを蹴散らしていた
美神はマリアを探す必要もなかったので
カオスの驕りであるから小細工を使わずヌルが来る前に
あらかた片付けたかったのである
「なかなかアジな真似をしてくれますね!」
「来たわね!!ヌル!!」
美神は来た早々のヌルにカオス特製破魔札を投げつける
だがヌルとゲソバルスキーには通じない
「まぁそんな簡単にはいかないか・・・行くわよ横島クン!!」
「もうやけじゃーーーー!!」
美神は神通根を鞭状に、横島は栄光の手で暴れる
「とっととくたばりなさい!!」
美神の攻撃がヌルを襲う
ヌルはゲソバルスキーを盾にする
「なかなかやっかいですね・・・ならば本物の魔法の威力
見せてあげましょう!!」
ヌルは手に持っていた杖をかざし力を込め始める
杖は美神の方を向いている
「美神さん!!」
『いかん!!横島!!』
「貴様などカエルに等しい!!」
凄まじい力が美神を襲うが精霊石で代償に防ぐ美神
「命拾いしましたか・・・ではもう―――っく、なんですか!!」
「サイキック猫だまし!!」
第一波が美神を襲っている間にヌルに詰めた横島は
とりあえずヌルの視覚を奪う
「小癪な!!」
ヌルが今度は横島に向けて放とうとするが
「よくやったわ!横島クン!!」
美神がそれをさせない
横島も美神の援護を受けてヌルに接近戦で戦おうとする
そこで隙をうかがっていたバロンが杖を奪う
美神は杖を受け取り放とうとするが
『使うな!!こういうのは大抵、奪われた後も対抗手段を持っておる!!』
この一言で押しとどまる
接近戦の不得意なヌルは徐々に追い詰められる
「えぇ〜い!!うっとしい!!」
「うわっ!」
突如ヌルの霊圧があがる
美神とは反対側に吹き飛ばされる横島
「本来、魔神族は人間界では力を完全には発揮できません。
しかし私は他の魔族とちがい知力でそれをカバーできる」
そういいヌルの姿がタコに変化する
ヌルの足が美神たちを襲うが美神は鞭で弾き切る
だがヌルは再生し、切った先からはゲソバルスキーが誕生する
「厄介ね、横島クン!戦略的撤退よ!!」
そういって美神はバロンに乗って撤退する
反対側に居る横島も逃げ出すが、
「あなたはここで死になさい!!」
「あちっ!!」
ヌルは横島に狙いを定めた
ヌルの足から火炎が吹き出す
「我が八本の足には八つの力が宿っている!!今のは火炎の足!」
『やっかいなものを!!横島。そこにある剣を拾え!!』
喚きながらも栄光の手を楯状にして防ぐ横島
心眼の指示通り、ザコソルジャーが使用していた剣を拾う
「こしゃくな!!風の足!」
「いっいてぇ!!」
『耐えろ!!ヤツのセリフからすれば・・・』
縦横無心の突風が横島を切り裂く
「止めです!!雷の足!」
『待っておったぞ!!投げつけろ!』
「おりゃーー!!」
先ほどの剣をヌルに投げつける
その剣は避雷針代わりになりつつヌルに突き刺さる
「ぎゃーーーー!!」
『おろかな、己の技を自ら暴露するとはな・・・今の内に逃げるのだ!!』
「おう!!」
横島は霊視によって最も魔力が溢れているところを目指す
一方のカオスたちであるが、美神たちが暴れている隙をついて
カオスとマリア、マリア姫はヌルのエネルギー源に到着した
「これは地獄炉か!!」
地獄炉とは魔界からパイプを引く事によって直接魔界から
エネルギーを供給する施設である
カオスは急いで停止に取り掛かる
取り掛かっている最中に美神がヌルから逃げ切り頭上から飛び降りてきた
「早くしなさいよ!!このグズ!!」
「あせらすな!!」
カオスは尚も作業を続けるが
「何かあると思ってら!!貴様ら、私の地獄炉で何をしている!!くらえ氷の足!!」
氷の散弾が美神たちを襲う
美神とカオスは冷静に対処するが
グサッ
「あっ」
マリア姫の胸に氷が突き刺さる
「姫!!!」
「マリア!!」
カオスはマリア姫に駆け寄り具合を確かめる
「クソッ!!胸のおかげで臓器には至ってないが、
このままだと血が!!」
「残念ですね〜。姫はぜひとも我妻にと思っていたのですが・・・」
ヌルは大して残念そうもなくそう言い放つ
カオスは立ち上がり―――
「キ・サ・マーーーーー!!!」
「バカッ」
美神の忠告は遅かった
特大の霊波砲を放ち限界に近いものを放ち膝を着くカオス
ヌルは吹き飛ぶが致命傷には及ばない
「アンタは早く地獄炉は操作しなさい!!私がそれまで抑えるわ!!」
「グッ・・・頼む」
カオスは操作を再開するが
「させませんよ!!あなたたちもくたばりなさい!!」
「なめるな!!」
ヌルは足を使おうとするが美神の鞭に阻まれる
「アンタ、ちょっと弱ってるでしょう!?
もしかして横島クンにしてやられて口じゃない?」
「え〜いだまらっしゃい!!あの小僧もすぐ送ってあげましょう!!」
ヌルはそう言い放ち複数の足を使用する
その時―――
ドガーーーーン
「くっ!!何故後ろから!!」
「何やってんだ!!てめぇ!!!」
―――横島到着
ヌルを振り切った横島もまた地獄炉に向かっていた。
途中ザコソルジャーを倒しながらであったためかなりの時間を要した
『嫌な瘴気が漂っているな、近いぞ!!』
「おう!!・・・アレじゃな―――」
見える先は胸から血が流れ倒れているマリア姫
ブチ
――サイキックモード発動 & リミッター解除――
横島は背後からヌルに渾身のサイキックスマッシュを放つ
「何やってんだ!!てめぇ!!!」
「横島クン!!」
「小僧、あと少しだ!!そいつを抑えろ!!!」
吹き飛ばされるヌル
カオスの時とは違い、なかなか再生しない
そこに美神と横島が追撃する
「キッキサマラーーーー!!」
怒り狂うヌル
「遅い!!」
カオスは地獄炉を逆操作する
途端に力を失うヌル
カオスはヌルの前に立ちヌルの計画について尋ねる
だが、質問に答えずヌルは逆上する
「なら、お別れだ・・・姫の痛み、思い知れ」
カオスとヌルに決着がつく―――
「考えるんだ!私はドクター・カオスだぞ!!」
血に塗れたマリア姫の前で叫ぶカオス
「カオス様、、が、、、気に病む、、、必要、、、ありません」
目覚めたマリア姫がカオスに
「ごめんなさい、ヒーリングは使えないの・・・」
「・・・(心眼、何とかしてくれ!!)」
美神は己の無力さを嘆く
横島は心眼に尋ねるが
『・・・まぁなんとかならん事もないが』
「「「えっ!」」」
『横島よ・・・おぬしが栄光の手に目覚めた時
自らの腕を治癒させたのは覚えておるか?』
「あっそういえば!!」
そう勘九朗に腕を斬られたとき横島は
栄光の手の発動と共にその腕を治癒させた
「でも、俺が・・・できるのか」
「たのむ!!出来る限りの事はしたい!!」
カオスも懇願する
『横島よ、気を張る必要はない・・・ただ助けたいと思うのだ』
「そうよ・・・まぁリラックスなさい」
「・・・んじゃいきますよ」
横島の手が今までと異なる輝きを放つ―――
オフィスで待つのは年老いたカオスとオキヌ
「それでどうなったんすか?」
「あぁ、あの小僧は見事にヒーリングを成功させよったわ」
いつの間にか茶飲み話になっていたようだ
「それで美神さんたちは無事に戻ってくるんですか?」
「姫の具合が大分よくなった後、送り返したのじゃが」
バシュッ
その時、美神たちが頭上から降ってきた
「美神さん!横島さん!!」
「オキヌちゃん!よかった!!」
オキヌが泣きながら美神に抱きつく
マリアはマリア姫から預かった伝言を伝える
「心は・いつも・あなたと・共に」
「そうか・・・ご苦労だったな、マリア」
そしてマリアは横島にも伝える
「横島さん・マリアを・頼みます」
「えっ!!」
――心眼は眠らない その10・完――
あとがき
明日から冬休みか〜今年の冬は何をしよう
ちなみに栄光の手の目覚めたシーンを見たら本当に横島は治癒してますよ
>・・・エクトプラズムさん
やりますね〜実は同じ事考えていました!!どうでした?
名前は参考にさせてもらったので不快でしたら変えますので
言ってください
え〜元々ネタの少ない作者なんでレスでいろいろ言ってくれると非常に助かります!!
>通りすがりさん
ご指摘ありがとうございます
え〜と皆さまが言ってるように今回詰めすぎましたね。
次回からは気をつけます
>kさん
なんかいろいろご指摘ありがとうございました。
文の方は修正してみたんですが、これなら意味は通じるかなと思います。
「。」の方は新作からは気をつけたいと思います。
加筆といった修正は後でしようと思っています
とりあえず勢いがあるうちは書いたほうがいいといいますし・・・
あとめっちゃいいわけですが”膨張して爆発”で検索すると1000件以上でたので勘違いしてしまいました。
本当にすいませんでした。