嫌悪感−誰も知らない、学校のいじめ体験

ホウキンは
奴等の気が向く度に繰り返しやられた。

その中で、この”ホウキンが行われている現場”を あの担任の竹内が、目撃した事があったのだ。

今思えば UとYは竹内が教室に居ても、 お構いなしにホウキンをやっていたのだから この時、いかに竹内という教師をナメていたかが解かるだろう。

この日は丁度 教室の後ろの方でホウキンが行われた。 もうこの頃には、俺なりに ”馬鹿どもへの対処の仕方”が解かった時期だったので 泣き叫ぶような事はせず、「もう、やめろよな〜」と なんとかこの流れを冗談になるように努めていた。

そんな状況の中、 流石に竹内も教室内の異様な様子に気が付いたのだろう。 丁度ホウキンが終わって ぜん裸にされた体を、服で隠しているような状況の所へ竹内がやってきたのだ。

この時、竹内は初めて ”ホウキンという、いじめの現実”を目の当たりにして その場に立ち尽くし、絶句していた。 そして聞こえるか聞こえない言葉で、なにやら独り言のように呟いていたが、 しばらくすると教室を出て行った。

・・・何故、竹内はこれほどのいじめ見て、 何もしないで「人」としていられるのか? 俺は心の底から、 この竹内という教師はいったい何なのか?と、思う。

教師で

担任で

大人で

人間なのにだよ

この後も竹内という教師は いじめの現場を確かに見た筈なのに、何の対応も示さなかった。 俺はもう、理解が出来ない。 竹内の行動を無理やり理解しようとするなら、 この時、竹内は俺が冗談のような軽い感じで振舞っていたので ただの「悪ふざけ」だと思ったのかもしれない。

「ぜん裸にされて、冗談のように振舞う」

・・・言葉で書けば僅かな字数だが、こんなの屈辱の極みだろ! 何処の人間が、無理やり素っ裸にされて、笑っていられると思ってんだよ!

俺はね、情けない事に ・・・あの時、一瞬”期待”してしまったんだ。 このホウキンという、いじめの現状を目の当たりにした竹内という”人間”に ・・・くだらねぇ

教師という人間に いつの間にか「嫌悪感」を覚えたのは、 始まりは、中学で出会った、 この「竹内という教師」からという事を、今更ながら実感をしている。



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