俺?俺の名なんてどうでもいいじゃないか。
・・・いや、そう言う訳にもいかないな。 よし、俺はこれを読んでるアンタの「分身」だと思ってくれて良い。
コイツの様子は今日まで、つーか昨日の夜から少し変わったなと思い始めたんだ。
普段なら病気や怪我を隠してたりすると、アレイはいつも少し態度が変わる。・・・ってか、コイツは少し違うんだ。
どうも俺に心配をかけまいと、強がってる。元気な姿を見ていて欲しい、頑張った姿を褒めて欲しい。
そのせいで、最初は気付かなかったせいかバトル中に突然倒れたこともあった。
その後、ジョウイさんに叱られて・・・良い思い出だ。

何が言いたいのかってと、アレイはどうも俺に好意を寄せていたのかもしれない。
単なる予測に過ぎないが、長年付き合ってきたパートナーとしか自分は考えていなかった。
しかし、アレイはその一方で自分に想いを募らせていたのだろう。

だが、彼女・・・って、言ってなかったがアレイは♀で、俺は男な訳で。
いやだから俺はその気持ちに気付いてやれなくて、ってコト。
世の中にはポケモンを恋人にするって言う不思議な人達が居るんだが、まさか俺がアレイの気持ちに気付いて、それを受け入れたら同じ人種になったかもしれない。




まあ、ここだけの話だが。
世の中には更に不思議な人種も居てだな、被食フェチって言うらしいんだ。
飼い慣らしたポケモンの腹の中に、自分から進んで入っていく・・・。
それなりに体格差のある、大きいポケモンじゃないとムリそうなんだが。 ホウエン地方に現れた、何だっけかな・・・ グラードン、カイオーガ、レックウザの三匹を操るトレーナーが居るそうなんだが、ソイツもその被食フェチってやつらしい。

まあ、確かにロマンはあるだろうが・・・腹の中に入るなんてもっての他だ。
消化される危険もあるだろうし、何よりそんな行為が好きな人間なんてそうそう居ないだろう。
つまり、俺はそれに当てはまらない訳で。

普段なら口の中に顔なんて入れない、入らない。
・・・あれ、そういえば何で俺はこんなことを話してるんだろう。

何だかとても大変な何かがあったような・・・。


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