その後目が覚めたふたりは、一度別れた。少女はというと、
「ごめんね、待たせている友達がいるの」と、いって泉のほとりの家に帰っていった。
今夜もう一度会おうね・・・そう約束して。

ソッドはこの谷のある高原が気に入ってしまったのか・・・その日はずっとそこにいた。
崖の先端から空を見上げ、昨日のことすべてを思い出していた。
もし彼女に出会っていなければ、今自分はここにいなかっただろう。
ソッドは命の恩人である・・・彼女を心から慕っていた。
一生かけてずっと守る・・・そんな淡い恋心を胸に、
いつもとちょっと違うふうにみえる世界を のんびり・・・眺めていた。
生きててよかった。心からそう思った。



そしてその日の夜。
少女はソッドの待つ高原に迎えにきた。ソッドは少女を背に乗せて、
少女の案内を聞きながら 奥地の泉のほとりの家まで案内した。
そこで、ソッドは 美しい青い水竜に出会うのだった。

〜捕食昔ばなし 大渓谷の りょくりゅうソッド 完〜


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