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グラス − 旧・小説投稿所A

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グラス
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「えぇ・・・これから流すは、エヴァリティス地方歴100年、ベルランブ国にて起きた人喰いの真相を忠実に再現したものです」

容姿からして14歳程。
そんな少女が舞台にてマイク片手に話している。

彼女の話の意図が分からない。
エヴァリティス地方歴100年のベルランブ国で起きた人喰い・・・これは、童話として親しまれているが・・・現実の話だと信じている者は少ない。
しかし、彼女の真相という言葉からして、彼女は【ヴァラン・ヴァレイ】の童話は現実の話だと信じている。

まぁ、金無しで聞けるのだから、暇つぶしには丁度良い。

「まずは・・・童話で語られている話に、スポットライトを当てましょう」

スクリーンにはヴァラン・ヴァレイの童話そのものが映し出されていた。



















人喰い少女ヴァラン・ヴァレイ

昔昔・・・食物が育たないと有名な国があった。
食物が育たなくては、食べるものが無い。
他の国から貰うにも物々交換のようなもので、食物の代わりに他のものをその国にあげている。
しかし、やはりそれだけに頼っていても国は痩せたままで、民は飢えに苦しむばかりだった。

その時、年端も行かぬ少女が植物の種を植えた。
すると、一日ですぐに芽が現れ、次の日には花を咲かせた。
そして、彼女は次に芋を育て始めた。
親も居ない彼女が何処で知識を得たのか知る者は居ない。

やはり、その芋は一週間もたたないうちに食べれるものになっていた。
そのことを知った国民は、彼女に尋ねた。

「どうやって育てたんだ?」

と・・・彼女は笑いながら・・・

「秘密は教えない・・・でも、作ってあげる」

そう、答えた。
国王は彼女を王宮に住まわせようと言うが、彼女は拒んだ。
その代わり、屋敷が欲しいと言うのだ。
そこで、国王は国の北に位置する町の屋敷を建てさせ、彼女を住まわせた。
そして、召し使いなどをつけさせ、不自由ない生活をさせた。



















それから、4年がたち・・・その国は幸実る国になった。

しかし、彼女に仕える召し使いは不振に思った。
彼女の容姿が全く変わっていないことに気づく。
そして、召し使いは彼女にそのことを言ったらっしい。





次の日に、召し使いは誰も居なくなっていた。

国王は事件だと感じ、屋敷に調査を入れた。

しかし、結果は返ってこない。

理由は、調査班も消えたからだ。

日に日に増える行方不明者と比例し、彼女の食欲は増す。

【種】を植えずにそのまま食べるほどに、彼女を全ての食を求めた。

既に食を極めていた彼女は新たな味覚を求めた。

それは悪食。

人喰いは・・・彼女が、否・・・彼女の新の姿が、行っていたこと。

真の姿を見たものは居ない。

否、居ないのではなく・・・消えるのだ。

もしかしたら・・・貴方も。


はい、今回の話は・・・

「教えないわよ♪・・・ヘリオス以外誰も知らないのだからね」

「グラン・・・俺も知らないのだが・・・」

「!?ごめんごめん・・・仕方ない」
<2013/03/14 22:02 ヘリオス>
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