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ドリームセレクト − 旧・小説投稿所A

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ドリームセレクト
− 時計の針は何を指す? −
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「ん…んぁ…」

彼がゆっくりと声を上げた。
あの夢が終わり、いつもの教室で目を覚ます。

「…」

何も変わらぬ風景。
もう見飽きてもいいという程見た狭苦しい教室の壁、白いチョークで字が書かれた黒板。
何もかも変わっていない。
でも、変わっているとするなら1つだけあった…

「授業、終わってる…!?」

彼がふと時計に目を向けると、その時計は授業の終わりの時間を指していた。そして今は授業合間の休憩時間。
授業を寝て過ごしてしまうのはこれが初めてであろう。
いくら夢を見たといえ、あっという間に時は過ぎ、流れ行く時に対して体はついていっても、心はポツンと置き去りにされている。
…彼自身もよく分からない。
だが、あの時見た夢の記憶は焼き付けられるように頭の中に残っていた。

「あいつ…今頃何してんのかな…」

彼はボソリと呟く。
夢は夢でも、彼の見た夢の印象は強過ぎた。
1つの思い出として脳が勝手に覚える。そしてそれを放さない。その感覚はなんとも不思議なもので、夢を忘れることは不可能とでも言うように、彼の見た夢は動画の如くループされる。それも何度も何度も…。

「今日の俺なんか変だ…」

いつもならスッと次に進めたことも今日だけは何か進まない。
目の前に次に進めるドアがあっても何故か開けられない…
彼は自分に閉じ込められるように悩む。
そして、また呟く。

「もう1回…会えるかな…」

と、まるでドラマの恋人が終わり間際に言えるようなことを自然と口に出した。
これほど忘れられないのだろう。
確かに夢だ。現実には持って来れない。儚く終わりを告げる夢だがあの夢だけは生きている気がする。

「ん…待てよ…会える。会えるぞ…」

彼はそう言った瞬間、ニヤリと笑う。
得策を思いついたのだろうか…
彼はそれに自信を持ったかのように強気になる。
そしてもう一度時計を見る。

「数学が3時限目だからあと…1つ。英語だけだな。いける…」

今日は何かと学校が早く終われる日。
この学校の一番上の生徒の卒業も近いためでもあり、最近は早く終われる日が多い。
彼が独り言を呟き、軽くガッツポーズをとっていると
キンコーンカンコーン
と、休憩の時間の終わりの告げる喧しいチャイムが鳴る。
教室内はガタガタと音を立て、また授業の体制と入る。

「Hello everyone!」

すると、やたら発音の良い少し太り気味の先生が入って来る。
彼は時計に気をとられながら授業を受けていた…。


やっぱり台詞少なくすると1000文字行かないねw
実際英語苦手だったり(殴
<2013/02/18 23:15 三日月の真実>
消しゴム
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