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ロゼはそっと鼻を寄せて匂いを嗅いでみる。

｢クンクン……別に毒があるという訳ではなさそうね♪｣

それにロゼの世界では見たこともない木の実ばかり……当然味が気になるようで。

｢……いただきます♪｣

アオイの持つカバンを奪うと木の実を１つ、また１つと味わっていく。

｢んー♪こっちは甘くて、こっちは少し酸っぱいのね……♪｣

ケモノのカバンに入るだけの木の実では竜の腹は満たせない。
ロメアのカバンもそっと取り上げると、薬草らしきものなども入っているが木の実だけを取り出して食べてしまう。

｢ん……なんだか身体がフラフラするわ……///｣

ロゼが全てを平らげた頃には頬を赤らめて目がトロンと半目になっている。

―――『ローズマリー』 花言葉 記憶

自分の異変に気づき、不思議に思って記憶を調べる時には既に遅いのだが。



『ホロンの実はお酒を作る時に使う木の実なの、分かったアオイ？』

『んー、忘れたらロメアが教えてくれるからいいよー』

『自分でも覚える努力をしてよもう……この実は襲われた時に相手に食べさせて逃走を図ったりするときに使えるんだからー』

『じゃぁ、カバンに何個かいれておこうかな』




｢……さっきの木の実はお酒の原料なのね……///｣

ロゼは極度にお酒に弱い。これだけ食べれば酔いも早まるわけで。

｢名前は狼くんがアオイ……タチアオイ。花言葉が大志……何か記憶がぼんやりしてるから記憶喪失なのかしら？
猫ちゃんがロメア……アルストロメリア。花言葉は援助、機敏だったかしら？二人とも花の名前なのね♪……でも何より｣


『美味しそうね♪』

ロゼは二人のベッドごと大口を開いて食らいついた……！！

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