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君と見た空 − 旧・小説投稿所A

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君と見た空

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※(内容を最大限楽しみたい方、どうぞお好きな音楽を聞きながらご覧下さい)






……


「…時刻は?」

「3…2……今七時になりました」

「カイオーガ…我らを恐れて逃げたのか?」

夕日が沈んで間もない明るさ…
アルセウス達は動かないギラティナを取り
囲むように立ち、じっとカイオーガがやっ
て来るのを待っていた。



ザッ…

「…!!」

「きたか…」

広場の草影から、カイオーガは幽霊のように現れる。
復讐に燃えるその瞳は神隊をギロッと睨みつけながら、
血まみれで倒れている友人の姿を映し出していた。


「ギラティナ、死なせてなんか…ないよね?」

「フフ…当然だ。彼はこの取引の重要な見届け役…まあ眠らせてはいるのだが?」

小馬鹿にしたような冗談に、神隊は大受けだった。
パルキアも口を押さえ、必死に笑いをこらえている。


「………」

「さあカイオーガ…答えを聞かせて頂こう。
我ら神隊の一員となること…君は受け入れてくれるのか?」

威厳に満ち溢れた声色で、アルセウスは脅すように問いかける。
すぐに返事はなく、暫くしてぼそっと呟くような声が返ってきた。


「…………だ…」

「ぬ? すまないが聞き取れ…」

「やだああああああっ!!」

やっとのことで顔を上げ、大空に一心込めて叫ぶカイオーガ。その子供のような迫力に
神隊は退き、
アルセウスは失意の目で怒り狂った。

「なるほど…!? やはり自分の実力では無理だと悟ったか! そうとも! 貴様のような子供じみた輩に、我らの仲間など務められるものか…!!」

「子供でうぬぼれてた事ぐらい知ってる…
…だって自分の事だもんね。それでも…」












「目の前で苦しんでる友達ぐらい……助けてみせる!!」

キチッ…「ETERNAL(永遠)!!」

津波のような大声を後ろ盾に、カイオーガはメモリを天高く掲げる。
その吹っ切れた野獣のような迫力に押されてか、
アルセウスは言葉を失ってしまった。
しかしすぐに首を振り、負けず劣らずの声で叫ぶ。

「大勢でも構わん…奴を捕らえて我に捧げよ!!」

「「「「「了解」」」」」

パルキアを始めとする戦闘兵達が、
屈強そうな肉体でアルセウスの壁となった。
その内のニ体…カイリキーとデオキシス
が、戦いの場へと躍り出た。


「ようカイオーガ…てめぇ神に立てつく程バカには見えねぇけどなぁ!! やっぱり内側は見えねえもんだぜ…!!」

「……命令だ…排除する…」

血管が浮き出ている筋肉マンの隣で、無口
そうなデオキシスが呟いた。
二人とも神から恵まれたメモリを手にし、
カイオーガを軽蔑した目つきで見下ろす。


「ようやく使えるぜ…俺のメモリィィィィ!!!!!」

カチッ…「METAL(闘士)!!」

「………煩いぞ…」

カチッ…「TRIGGER(銃撃士)!!」

肉弾戦と遠距離戦に優れたメモリが、
二匹の体内へと消えていく。
カイリキーの地震のような雄叫びを合図に、
双方命を賭けて飛びかかっていった。


<2011/05/15 16:08 ロンギヌス>消しゴム
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