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ゴクッと日常 − 旧・小説投稿所A

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ゴクッと日常

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実体化したイメージが薄暗い店内を、紫色の光で包み込む。それが見る見るうちに弱まっていくと、現れたランポス達が見えるようになった。


「これって……確かとても遠い地方の…」

「ああ、一度喰ってみたくてな…フフ…」

慌てふためく餌達を前にして、ギラティナの目が豹変した。舌を緩そうにはみ出させ、口元をすする。


「噂には聞いていたが…予想より旨そうじゃあないか…」

「ギラティ…こ、怖いよ…」

カイオーガを震え上がらせたのは、何より彼の声だった。いつもの渋く低い響きではなく、不気味に高い悪魔のような声……そんな事を気にも留めず、ギラティナはランポスの一匹を掴み上げた。


「いつもピカチュウやバンギラスだったんだ…期待してるぞ?」

ギャッ…ギャァ…

ランポスの虚しい悲鳴を無視して、目を閉じて口を全開にするギラティナ。初めての味に涎を垂らしながら、ぐおっと一気に口に閉じこめる。

ヌメッ…リュ…チュルッ…ニュ…

「ハ…期待通りだ…」

獲物が舌に触れた瞬間感じた旨みに、我慢を捨てて二匹、三匹と放り込んだ。もぐもぐと口蓋と舌で挟み、肉の味わいを吸い取っていく。


もぐぅ…ハゥグ…ングゥ…♪

「「「ギャッ……キィ…」」」

「やけに暴れるなこいつら…大人しくしてもらわねば…」

ランポスをもはや命と扱わないのか、容赦なく天井に顔を向ける。当然重力に従い、目立った膨らみは喉辺りで停止した。呑まれる前の最後の抵抗か、意味もなく揺れ動いていた。


「問題だカイオーガ…私はこの後どうする?」

「え〜…? やっぱり食べしちゃうんでしょ?」

「フフ…正解だ。」

ググッ…ごくん…

ギラティナは答えど同じくして喉に力を込め、三匹はいたランポス達を一呑みした。
赤と黒の鮮やかなラインを渡るように、膨らんだ部分が下りていく…





「ご馳走さま……お前達の魂、私が責任もって預かっておこう…」

「あるいみ地産地消だよね♪ …あっ、マスターおはよう。」

ロンギヌスがふらふらと酔ったように立ち上がった。疲れたようにレムリアにもたれかかる。


「ギラティナ……俺のお金は…」

「ありがたく頂戴した。まさか文句など…」

「ありありだっ!! 俺今月どうやって生活すれば…」

「命に代えれば安いものだろう…? 」

ギラッと紅い瞳に射抜かれて、ロンギヌスは勢いを失っていった。反抗の言葉も尻すぼみになった。



<2011/05/15 16:19 ロンギヌス>消しゴム
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