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夢幻と無限 − 旧・小説投稿所A

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夢幻と無限

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「ぜぇ…はぁ…ぜぇ…ぜぇ…はぁ…」

「…おかえりなさい♪」

怒涛の勢いで部屋に突っ込んできた俺をお腹で受け止め、にこやかに頭を撫でてくるレムr…って問題はそこじゃない。

「お、おい…喰った奴ら…出せ…」

「ふふ…出してください。」

「くっ…出してください!おねがいしますっ!」

ムード的に敬語を使わないといけないのだろうが、やっぱりこいt…レムリア相手には使いづらい。かといって無礼にしたら…


「あら、溶かしちゃ…だめ?」

「あ…えっ…その…」

こ、ここで上目遣いは反則……!!
っと心がとろける前に強く声を張り上げた。

「だ、だめ…だめだめだめ!!まだ人生長い奴らなのに…」

「ふぅ…ならいいわよ。私も無駄に殺生する趣味はないし…ね。」

目の前で巨大なお腹がぐよっと蠢き、呑み込まれた生徒と思わしき塊がグムグムとせり上がっていく。逆流の果て、口から吐き出されたのは…


ドベチャッ!

「バk…俺に向かって吐かなくてもいいだろ!?」

粘液たっぷりの友を床へと寝かせ、タオルでそれを拭き取る。しばらく揉みほぐされていたせいか、そいつは全体的にふにゃふにゃになっていた。

「次の人出すわよ…?」

「あっ、待って…これ以上は裏庭でやろう。この部屋に三十人はきつ過ぎる。」


1時間後〜


裏庭には眠ったままの唾液人形がずらりと並び、なんとも不可思議な空間を造りあげていた。

「えっと…ひーふーみー…………………あれ、28人?」

「何いってるのよ。もうお腹ペコペコよ?」

「そんなこと言われても…あっ。」

「…あっ。ぅぅ…」

レムリアは込み上げてくる「もの」を抑えられず、とうとう最後の2人を吐き出した。



ドチャアッ!!

「な…こ、これって…」

「あら…ごめんなさい。とろけちゃった♪」

レムリアの口から出てきたのは、「何か」と「何か」が溶け合った「何か」だった。これが…元々人間だったとは到底思えない。

「ど、どうするんだよ…!!これ立派な殺人罪だぞ!?」

「そうねぇ…なかなか面倒だけど生き返らせましょうか?」

「え…ま、魔法!?」

「できれば錬金術といってほしいわ。何か対価になるものでも…」

レムリアは俺の部屋中を見回し、見定めるかのようにその「対価」とやらを探し始めた。そしてその目は、先月買ったPS3へと向けられる。

「あなた…この2人との仲はいいの?」

「い、いや…あんまり話さないし…というか一緒にいた事ないけど…?」

「ならいいわ。対価はこれで十分♪」

レムリアは残酷にもPS3をむんずと掴み、俺が有無を言えないまま口へと放り込んだ。

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!」

「うるさいわね…朝の目覚ましみたい。」

「お前…それは俺がコツコツ貯めて買った大切なものなのに…!!」

「なに言ってるの…あなたが悪さしたんだから自業自得よ?」

「大体なんだよ対価って…!!しかもそれ中にモンハン入れっ放しなんだぞ!?」

「私たちの場合、対価は実質的なものではないの…その人にとっての重要度によって復元させるものの価値が決まるというわけ。つまりあなたにとってこの2人はPS3並みの価値しかないのね?」

「そんな…せめてソフトだけは返して…」

世界の半分を失った俺はガクンと膝をつき、彼女の少しぷくりとしたお腹を叩く。どんなに叩いても、愛しのPS3は返ってこなかった。

「ふふ…あなた可愛いわね?」

「………ぅぅ…」

レムリアは元人間の液体の周りに複雑な線を描き、俺の知らない紋章を作りあげた。


「汝らの離別した魂よ…今こそ正しき形へと帰り…再び肉体の主となって蘇れ…………あら?セリフあってたかしら。」

「怖いこと言うなよ!!失敗したら終わりだぞ!?」

どうやら成功したようだ。液体は突然光り輝き、ヒトの形に変わったかと思うと、紋章の上には2人の生徒が眠りこけていた。


「さあ…終わったわよ?」

「PS3…返せ…」

「何を今更言ってるの…PS3の価値しかない人間なんて始めて見たわよ。」

「ハ、ハハ…(泣)」

その日から俺は、悪戯をすることはなくなった。



「そんなに悔しいの?あのゲーム…」

「当たり前だろ…いくらすると思って…」

「人間って面白いわね…?あ、そうそう。」


<2011/05/15 15:28 ロンギヌス>消しゴム
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