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白き悪魔 − 旧・小説投稿所A

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白き悪魔

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「効いてないぞ…!」

バリスタの左側の席に座っていた射手が驚いたように声を絞り出す

他の兵士に至っては余程衝撃を受けたのだろう、装填するのも忘れ、矢を抱えたまま呆然と立ち尽くしていた

「な、何しているんだ! 早く装填しろ!」

「は、はい…!」

射手は装填手を怒鳴りつけ、彼らの動作を横目で感じながら、無意識の内に唇を噛んで呟いた

「鋼羽か…」

鋼羽(はがねばね)とは、人間を捕食するような超大型の鳥類に生える羽で、通常の鳥に生える羽と同じく、もこもこしている

だが、繊維が強く、なかなか切れない

このため斬撃に強く、また、何枚も重なると刺突や打撃にも効果があるため、バリスタなどではダメージを与えにくいと言われている

効かないと分かっていても、兵士達は都市を、ハルセアを守るために攻撃をやめる訳にはいかない

急いで次の矢を装填している間に、エグゾセはゆっくりと辺りを見回した

エグゾセの視界は、少し遠くの石造りの避難所を捉えた

身を寄せあって、恐怖で震えている獣人達が大勢詰まって居るだろうその場所は、さぞかし魅力的な物に見えたに違いない

だが、自分の力ではそれを壊せないと悟ると、避難所の入り口に視線を移す

建物の隙間から見えたそこは、まだ避難所に収容しきれていない、大勢の獣人達が入り口に押し掛けていた

エグゾセの行動は早かった

大きく翼を広げ、ぐっと身を屈める

周囲に建っていた家の壁が、派手な音を立てて翼に貫かれ、薙ぎ払われた

笛の様に透き通る咆哮を放ち、地面を強く蹴り、翼を振り下ろし空気をぶん殴ってふわりと飛翔する

次の羽ばたきで空気を後ろに叩き出し、それによる反作用で一気に加速、入り口に押し掛けている獣人達に迫った

進路上にあった木造の建物を翼で叩き壊し、辺りが埃で包まれる

エグゾセの巨体は止まらず、勢いそのままに、獣人達目掛けて突っ込んだ

地面にぶつかるようにして着陸し、地震の様に強い衝撃が辺りを襲う

エグゾセの体当たりを喰らった数名の獣人が玩具のように宙を舞う

空中に放られた彼らはエグゾセが身に纏っている羽が緩衝材になって致命傷を免れたのだろう、四肢をじたばたと動かしながら、かなりの高さから地面に叩きつけられ、動かなくなった

エグゾセの巨大な足の下敷きになり、呻き声を漏らす者

恐怖のあまり、地面に座り込んでしまう者

怪我は無く、エグゾセから逃げる者と様々だった

凶悪な重量を誇るエグゾセの下敷きになってしまった獣人が圧死しないのは、意図的に重圧を加減しているからだろう

エグゾセは視線を落とし、足を少し横にずらすと、隠れていた獣人が仰向けだったために顔が見えるようになった

獣人は、中年の体格ががっちりとした男性だったが、エグゾセにかけられている重量が余程辛いのだろう、苦しそうな表情で呻き声を漏らし、涙目になっている

エグゾセは彼の苦痛に歪んだ顔を覗き込むと、嬉しさと楽しさが混ざったかの様な笑みを浮かべた

普通、鳥は人と違い表情を作ることができない

だがエグゾセは人の様に口角を上げ、目を細めた

ただ身体が大きいだけではなく、もしかすると構造も普通の鳥とは異なっている部分があるのかもしれない

エグゾセの表情は、足の下敷きになっている獣人からも見て取れた

「た…助けてくれ…」

彼は最後の望みをかけて、エグゾセに命乞いをした

それを聞いたエグゾセは覗き込んでいた顔をさらに近づけ…



















ゆっくりと…しかし確実に…彼にかける体重を増やし始めた…








絵の下手な私が全力で描いた絵




一日遅れでしたが、何とか投稿できましたw

鳥の笑みって見てみたいものですよねw 家のインコを見ていると、とにかく無表情なので表情が欲しいですw

と、ここでお知らせなのですが、次回の更新から挿絵を載せることにしました!w

(毎週は無理ですが、出来るだけ多く投稿しようと思っておりますw)

挿絵自体は去年からやっていたのですが、妹に任せた結果……たったの3枚しかできませんでした………ハイ…私の監督不行き届きで申し訳ないです

で、今回も挿絵が載せたいと思ったのですが、妹に任せていたら去年の二の舞になりかねません

そこで考えたのが、誰でも考える超々究極技…!!










自分で描く






ハイ……このサイトに出会った当初…本当は絵が描きたかったんです…

しかしあまりの画力の無さに敢え無く轟沈…結果…私は小説を取りました……

正直……物凄い悲しかったです……



しかし今回の事態に直面して、よくよく考えて見ると、やっぱり自分で描くしかないんですよね…w

それで…やってみる事に決めました…!

絵も小説と同じで、練習すれば上手くなる…そう信じて頑張っていきます…w

絵の腕の方は幼稚園児にも負けてしまう程ですが、いつか普通というレベルまでもって行きたいです…!

閲覧数は第4話投稿時点で554 みなさま、ありがとうございます 感謝の至りです

本編の最後に載せたのは、先週描いた竜を絵です…w

あまりにも下手ですが、笑わないでくださいね…w

それではみなさん! また来週お会いしましょう
<2012/06/26 19:20 雪風>
消しゴム
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