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ICE AGE − 旧・小説投稿所A

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ICE AGE

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※少し残酷かもしれません
〜〜〜〜〜〜〜〜





「グェア……出せ…出してくれぇ…!!」

無意味にも関わらず、絶対に破れない壁を押す、殴る、叩く。氷竜は首を傾け、自分の体内を堕ちていく獲物を眺めていた。

「精々楽しませてらうぞ…?フフ…出しはしないが…」

ドラゴンの体臭を嗅がされ、冷水のような唾液を飲み、リドルは胃へと落ちこんだ。

辺りには溶けかけた人間…カードの欠片…肉壁からはみ出した腕など、氷竜の呑み込んだ全てが点在していた。当然、既に消化された者達もいるだろうが…

しかし今までの獲物とは違い、リドルは狡猾だった。金属製のカードを取り出し、胃壁が動きだす前にライバーへとセットした。


「FULL CHARGE……FINAL ATTACK RIDE……」

「悪く思うな……私を喰らうなど10年早い…!!」

カチッ…












ボゴォン!!ドグォォォン…!!!!

「ぐああああっ!!き、貴様…!!」

大穴の開いた窓から飛び立とうとしていた氷竜は、激痛に悶え、床へと這いつくばった。腹を押さえ揉み込もうとするが、次なる痛みに呻いた。

「くっ……やはり真っ先に消す必要があるな…!!」

連続的に起こる激痛に耐えながら、うつ伏せになり、腹を押しつぶす。しかしリドルには、それも計算済みの行動だった。



グニグニィ……グウッ…!!

急激に迫ってくる胃壁。それが体に触れる前に、リドルはまたしてもカードを使った。

「ATTACK RIDE…BARIA」

薄黄色の光球にリドルの体は包まれ、光の壁は胃壁を押しかえす。腹に違和感を感じ、氷竜は行動が失敗したことを知った。

「くそっ……なんて物を…」

「フッ…3年間ずっと司令を務めているんだ…甘くみるな!」


光球の中にいるので、自由にカードを使える……取りあえず安心したリドルは、余裕の表情でカードを取り出す。


「カードはまだまだある……こりゃこいつを生け捕りに…」

「なっ……や、やめろ……」

30年ぶりの世界では、やはり竜など恐るべし存在ではないのか……。氷竜は科学が憎かった。


「ふふ…私の服を汚すなんて……お前も軍法会議に掛けてやる。」

唾液でぐっしょりとした服を摘まみ、醜いものを見るような目つきで睨む。手はカードケースへと向かい、再び一枚抜き出した。


「ぐぅ…あ……調子に…乗るんじゃ…ぐぁ…」

「ハハ…大人しくしていろ…!!」

「ATTACK RIDE BLAST」
「ATTACK RIDE SLASH」
「ATTACK RIDE AXE」

カチッ…


ガゴン!ドゴゴゴコゴ……ブシュッ…!!!


「う………ぁ……」

うつ伏せて荒い呼吸を吐く氷竜に、リドルは容赦ない攻撃を続ける。いつの間にやら立場は逆転し、氷竜は科学と醜心に蹂躙されていた。


ドドドド……ガガァン……!!ドシュッ!!

「や…やめろ………くそ…」

「ハハ!やっぱり人間様にたてつくなんて……低脳の持ち主だな。」


氷竜も流石にさっきの長官の兄弟だという事を実感していた。気が高ぶれば、性格そっくりだ…


もう痛みさえ感じない胃を必死に縮め、少しでも反抗しようとするが、調子づいた人間ほど恐ろしいものは無く、氷竜の胃はズタズタになっていった。



体内という絶対的不利な立場に居ながらも、リドルはカードセットの手を緩めない。もはや軍法会議も生け捕りも頭から飛んだようで、攻撃に熱中してしまっていた。

高笑いが、胃壁を超えて部屋中に響く…


<2011/05/15 15:19 ロンギヌス>消しゴム
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