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狼と狐のち日常 − 旧・小説投稿所A
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狼と狐のち日常

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水分とゴムが擦れ、高い音が浴室に響いた。
浴室といっても家内ではなく、庭にある温泉だ。
分かり易く言えば、銭湯のようなものだ。
露天風呂とシャワー室に分かれている。
現時刻は朝5時。
不意に醒めてしまった菫に突然吐き出された。
当然ながらその状態でベットに入ろうものならベたべたに。
そうすると洗濯が面倒なので、現在に至る訳だ。
「さて、もう少し湯船に浸かろうかな」
シャワーで菫達も洗ってやる時があるので
一カ所だけ区切ってない。
まぁ、冬場は寒い。
温泉は二つ。
前は人間しか入らないので小さいのを一つだったが。
今となってはかなり大きな(そこらへんの銭湯よりもでかい)のを一つ増設した。
そちらに目を遣る。誰もいなかった。
極稀に狼狐達の誰かが入っている事がある。
それがソルだと平和には過ごせない。
ガララッ、と扉がスライドされた。
「あ、マスター、お早いですね」
「フラウこそ。いつもこの時間に?」
特に驚きはしなかった。
結構、慣れてしまったようで照れるような素振りは互いにない。
でも、隠すべきとこは隠している。
「きょ、今日は少し寝坊してしまって////」
規則正しく、完璧主義に見えるフラウでもそんな事があるんだな。
と、心の隅で思ったが今は5時。……寝坊して!?
どんな早起き……?
「バスタオルを持ってきたついでにと、思いまして……」
「バスタオル……あ、僕出るね」
本当なら僕がやらなきゃ行けない事だ。
入浴の際には必ずと言っていい程に洗濯されたバスタオルが準備されている。
これもフラウが準備していてくれるのか……本当に献身的なんだな……
自分の自由時間も夜遅いと言うのに……
居候だから、って言う自意識が強いのかな……
取り敢えず菫の唾液も洗い落とした事だし
フラウにはゆっくり湯船に浸かってもらおうかな。
と、思い脱衣所に向かおうとする。
「ま、マスター……湯船に浸かりながらお話しに付き合ってくれませんか////」



<2012/03/18 16:03 セイル>消しゴム
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