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堕ちるプラズマ − 旧・小説投稿所A
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堕ちるプラズマ

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森を鳴かす木々のこすれあう音。その奥に広がる伐採された土地に、Nとゲーチスが向かい会っていた。




「それで……手に入れたのですね?」

膨らんだポーチから漏れる光を貪欲に眺めるゲーチス。それを察したのか、Nはポーチを背中に隠した。


「…でもこれはボクが使う。自由世界、ボク達の理想の世界………現首領としても、ボクがそれを叶えてみせる。」

ゲーチスは額に一瞬しわをよせ、微笑した。まるでその考えを嘲り、見下しているかのような、暗々しい笑みだった。



そして笑いは驚くほど唐突に消え、ゲーチスは右手を挙げる。




それを見た数人の団員は素早くNの肩を抑え、拘束する。輝くポーチは団員の手に渡り、そのままゲーチスへと捧げられた。


Nの瞳に、疑いと恐怖の色が浮かぶ。






「!!!………な、何を…!!」

「フフ……甘いですねぇ、N。もうちょっと疑り深く狡猾に育てたつもりだったのですが…」

ゲーチスはポーチをローブに隠し入れ、氷のような目をNに向ける。

Nは団員をふりほどこうともがいているが、相手は5人。多勢に無勢だった。



「返して…くれ……それはボクの…!!」

「煩いですね……?」


ゲーチスは懐から透明な物体を取り出す。
プラズマ団の刻印が押された、ダイヤの手錠だった。

それを抵抗を続けるNに近づき、しなやかな手首にガチャリとはめ込んだ。



「さてさてさて……感謝しますよ?N。ご苦労様。」


身動きできない様子を見つめ、無防備な顔を殴りあげる。


「ぐがっ……っ…」
「…この再教えてあげましょうか……
お前は遺伝子操作で生まれたバケモノ。私が仕方なく育ててやったんです………良かったですねぇ〜死ぬ前に初めて他人の役に立てて。あとは死んで頂ければもっとありがたいんですが……」



冷酷な父親の影が見え隠れする瞳で、Nは辛うじて気を持っていた。


自分が生まれた理由…死ぬ理由…生きる理由……あの幼い部屋の中で、自分の悪夢は始まった。N様と言われ、ポケモンと暮らしたさっきまで……………その記憶は、その思いは、ガラガラと意識と共に崩れていった……




































「…気絶しましたか………弱いですね。」

Nの下向いた顎をぐだっと持ち上げ、だらんと落とす。


「…まあわざわざ手を下さなくてもいいでしょう……そこらに放っておきなさい。」

団員はぐったりとした体を引きずり、キャンプの外へと出ていった。




























「さてと………」

ゲーチスはポーチを取り出し、こぼれる光を見つめる。

「…これで私は………!!!ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ!!!!!!ヒーーーーッヒャヒャヒャヒャヒャ!!」

世界を支配……いや叩き潰す程の力が、今自分の手の中にある…………それたけで笑いが止まらなかった。



「フハハハハ…………さあ……!!いきますかねぇ!?」



永久の力に泥酔しながら、ゲーチスは山頂に向かって歩き始めた。


<2011/05/15 14:51 ロンギヌス>消しゴム
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