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【保】粉砕された日常 − 旧・小説投稿所A

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【保】粉砕された日常

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「…ん………?」

俺は目が覚めると同時に、目に入ってきた光景に困惑した
そこは柔らかいラギア様の胃袋の中なんかじゃなくて見慣れた自室の天井が見えたんだ

「あ…れ…?」

キョロキョロとまわりを見回しても、あの黒竜神の姿はなく
砕かれたはずの硝子竜も始めから砕かれてなかったかのように机に置いてあった。

「夢…だったのかな…」

手元を見ると携帯電話を握ったまま寝ていたようで
画面には〈ククク…〉とだけ書かれたメールが写っていた。

「…夢…だったんだ…」

いたらいたで面倒を起こしたりするけど、居なかったらいないで少し寂しい
それが例え、夢だったとしても。

「…学校…行かなきゃ…」

俺はいつものように準備をして、いつものように学校へ登校した。

「…で……あるから…………」

いつもと変わらない日常


普段の生活


「………はぁ……」


求めていた平穏のはずなのに、溜め息しか出て来ない


「また会いたいな…」

キーンコーンカーンコーン…

「起立、気を付け、礼、ありがとうございました」

授業が終わり、俺は次に使う教室の鍵を職員室へ取りに行った

「失礼します…」

俺は職員室の引き戸を開け用件を言おうと顔を上げた

「ほう…先生も…」

先生「と言っても……ですがね……」

普通に先生達と談笑しているラギア様の姿が目に入ってきた
夢だけど夢じゃなかったー!なんて某宮崎アニメの台詞で突っ込みながら
俺は職員室の引き戸を閉め、誰かが鍵取ってきてくれると信じて次の教室へ向かおうとした

「待たぬか」

「ヘゥッ!」

後ろを向くと引き戸を開けながら職員室からラギア様が出て来た。

「どうした、何をそんなに驚いている?」

「え…えっと…」

上手く言葉が出て来ない、何て言ったら良いのかわからなくて
ただ慌て続ける俺にラギア様は俺の頭を軽く殴った

「いてっ…」

「ククク…」

笑いながら、ただ俺を見ている
その顔が妙に憎らしく感じたのでお返しに鼻フックをお見舞いした

「ふん…」

ガシッ…

「ふ…ぐぐ…」

が、鼻に届く前に見事に止められた

「こんなことをしている暇があったらさっさと授業に行ったらどうだ?」

悔しいけど正論だ
俺は足元に置いてあった自分の鞄を持ち上げ授業に向かおうとして、一度振り向きラギア様にこう言った

「…今日も俺の事食べてくれますか?」

「ああ、勿論だ」

それを聞くと俺は、踵を返して授業に向かった



<2011/11/28 23:35 大樹>消しゴム
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