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【保】誰という姿 − 旧・小説投稿所A

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【保】誰という姿

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ズリュッ・・ズブッ・・ズブッ・・
食道と言う肉洞を生々しい音を上げゆっくり、ねっとりと燕下されていく。
蠕動運動は激しい。無理矢理、肉を押し広げて胃袋に流し込まれていっているものだから蠕動の締め付けは大蛇のそれに等しい。
「うぁぁぁっ・・・ぐぅうっ・・」
身動きは出来ない。食道は僕を収めるだけの容量はない。
蠕動で締め付けられ、粘液で呼吸は妨げられ、体が疲弊していく。
ズブッ・・・ニチュッ・・グチュゥ・・
グニュッ・・グニュリッ・・
狭いガイアの食道は巧みに形を変え、僕を締め上げる。
「ぁっ!っんっ!かぁ・・っ・・」
ジュブッ・・グニュッ・・グニュッ・・
グジュグジュッ・・・ドチャリ・・
狭い食道が終わり、僕の頭が噴門をこじ開ける。
噴門に激しく体を揉みしごかれ、僕は胃袋に流し込まれた

 * * * 

ーゴクリー

「げふぅ・・美味かったぞ。」
呑み込んだ空気をゲップとして一つ。
ねっとりと舌なめずり。
口元から滴る唾液を手の甲で拭う。
「クク・・ゆっくりと溶かされるがいい・・」
あのガブモンは今、私の体内に取り込まれ生々しい膨らみとして私の喉・・いや食道をゆっくり下っている。
私はその膨らみに手を添え感じる。
こういう奴を丸呑みにするのは実に気持ちがいい。
まず・・味。喉越し。幸福感。そして支配感。
このガブモンのすべてをたった今、私が取り込んだ。
その膨らみはゆっくりと喉を楽しませながら下っている。
どれ、もっと苦しませてやろうか・・
膨らみに触れた手で燕下を遅らせる。
これで燕下は遅くなり、蠕動が容赦なくガブモンを締め付ける事だろう。
ヌチュゥ・・・グチュゥ・・ニチュゥ・・
蠕動で粘液が染み着き肉洞と粘液が擦れ粘っこい音を上げ、太い無数の粘液糸を引いてゆっくりとじっくりと下ってくれている。
ズブッ・・ズブッ・・・グジュルゥ・・
手で妨げながらも暫くすると膨らみは下り切り、その分だけ腹が膨らんだ。
どうやらガブモンは胃袋に収まってくれたようだ。
体が震え、気分が高揚する。
「ククッ・・フフフッ・・」
笑いが止まらない。私はガブモンを喰らった。
ただそれだけ。
「この姿をあいつに見せるのも悪くない。」
ジュルリともう一度舌なめずりし、腹の膨らみ・・・ガブモンをまさぐる。
生臭い吐息と粘つく粘液を吐き散らし、暴食の邪竜は森に消えてゆく・・・



<2011/11/25 21:37 セイル>消しゴム
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