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【保】誰という姿 − 旧・小説投稿所A
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【保】誰という姿

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「っぐおっ!?」
その巨口が私を呑み込む寸前にガイアが腹を押さえ、退いた。
私はすぐに体を横にし、ガイアを呆然と見つめた。
「おっ・・かっ・・んぉぅ・・っ・・」
ガイアは嗚咽を漏らしている。腹にあった生々しい膨らみは徐ヶにガイアの胃袋・・・・食道・・喉・・と
次々に膨らませながら逆流していき・・
「んごぁ!・・げほっ・・がほっ・・」
ゴパァッ!ドチャドチャっ・・
大量の粘液やら胃液などをまき散らしながらあの仔が吐き出された。
「!?ぼうや!」
「お、お姉ちゃん!」
ガイアの体液から体を起こし、身を翻す。
が、胃袋に収まっていただけあり、動きが遅い。
しかし、大丈夫だった。ガイアもまだ動ける様子ではない
「お姉・・ちゃん・・もう・・大丈夫・・」
ガブモンは私の前にまで体を引きずり、ガイアに体を向ける。
「何をするつもり!?ぼうや、ボロボロでしょ!?」
胃袋でだいぶ弄ばれたようだ。
全体的に毛は溶かされて短く、角にあたっては半分も消化で失っている。毛皮も溶けて穴が開いている。
「き、貴様ぁっ・・・」
「ガイア・・」
「まあいい・・シルクもろとも、もう一度喰らうまで!」
口元から伸びる粘液の糸を手で拭い、ガイアが怒りを露わにする。
「思い出したよ・・僕は人間だ・・」
ガブモンから紡がれた衝撃の事実。それと同時にその拳が光を纏う。
「全部聞いてた・・お前に喰われて死んだみんなの気持ち・・その罪を償え!ガイア!」
拳の光はいっそう強くなり、輝き出す。
「ガブモンである貴様に何が出来る!」
「人間の力を統べ、今こそ断罪の力を受けろ!」
ダンっと地を蹴りガブモンの体が宙を舞う。
「ゴッドブレイカーッ!」
振り下ろしたその拳はガイアに吸い込まれるようにして直撃した。
「ぐぉぉぉおっ!?き、貴様ぁっ!ぐっ・・か、体が・・・・私の体がぁ・・・・」
驚くことに傷一つ付けられないガイアの体が拳の命中部から分解を始めていた。
それと同時にガブモンはパタリとその場に倒れ込んでしまった。
「ま・・まだだ・・ただでは消えん・・貴様を丸呑みにし・・・今すぐ消化してくれるッ!!」
ガイアが牙を剥き、巨口をグパァと開きガブモンを最後の足掻きとして喰らおうと迫る。
ガブモンは意識こそあるものの、胃袋での消化運動による衰弱と今の技による消耗をその目に宿している。
「グォォォォォォォッ!」
「ぼうやッ!」
激しく痛む体に鞭を打ち、力強く地を蹴った。
今、護らなくて、何時、護る!?
ガチンと噛み合う牙が空を喰む。
「き、貴様ら・・などにっ・・・」
「さよなら・・・ガイア。」
私は確かな怒りと憎しみを目に宿し、ガイアを冷たく見下した。
その口元から牙を覗かせ、完全に消えた・・・


 * * * 

僕はもう人間ではない。
ガブモンだ。姉さんを助ける為に人間であることを捨てた
ゴッドブレイカー・・・
あの技が人間の代償だ。
「・・私はシルク。貴方は?」
「ぼ、僕?・・僕はル、ルビィ・・」
「情熱の宝石の名前?ふふっ・・」
「あっ!ひ、酷いよ笑うなんて!」
「ごめんなさい。ふふっ・・ふふ・・・」
ルビィ・・この名前が僕に似合わない事ぐらい分かってる
だけどいい。やっと今、この情熱を注げる人が見つかったから。
いつかこの名前が似合う人に慣れたらいいな・・
「体・・・もう大丈夫なの・・?」
「うん・・大体は・・」
まだ胃液によって爛れた皮膚が所々残ってはいるが、ダメージはあらかた回復している。
ただ、溶かされた角の半分は帰ってこないが・・
「本当・・?・・よかった・・」
「姉・・・んっ・・」
不意に姉さんが寄ってきて、そっちを向いた瞬間、唇を奪われた。
優しい・・キス。
僕は優しく姉さんに抱きついてそれに応えた。


何時までも・・何処までも・・


fin



<2011/11/25 21:38 セイル>消しゴム
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