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【保】おつかい − 旧・小説投稿所A

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【保】おつかい

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シャンシャンとやかんのお湯が音を上げる。
「・・・遅い・・」
器用に二本足で立ちキッチンで作業するポケモン。
・・グラエナ。  グラである。
コンッ・・・コンコンッ。
唐突にドアがノックされ、返事が無いままにそれは開いた
「お〜寒い寒い。」
「・・貴方でしたか・・返事するまで開けないでくださいよ・・・全く。」
淡い期待を拭い、表情にでないように努めながらグラは言葉を吐き出した。
「邪魔してもよいか?」
「ええ。構いませんよ。ちょうどスープも出来たところなので召し上がっていってください。」
キュウコンはぶるっと身震いし、体に積もった白銀を振り落とす。
「雪をかぶって・・・そんなに酷いものでしたか?」
「うむ・・・久しく吹雪いたの・・」
キュウコンは机の椅子に腰を下ろし、グラは再びキッチンに戻る。
二本足で立ち上がり、側の食器に湯気のあがるスープを注ぐ。
「どうぞ。」
「お、美味そうじゃ。そうじゃ。もう一品、お主はどうじゃ?」
「はい?」
キュウコンはグラを見つめ、ペロリと舌舐めずった。
グラは作り笑いを貼り付け、少し後ずさった。
「なんての。冗談じゃ。まぁ・・酒にでも酔った時にでも思わず・・喰うかもしれんがの。」
「・・・笑えないご冗談を。」
肩の力を抜いて今度は微笑を浮かべる。
キュウコンは懲りる様子も無しに笑っている。
「・・・また、食べたんですか?」
「ちいとばかし前にの。美味かったぞ。」
「・・・・僕が聞く限りではこれで32匹目・・どれだけ食べる気ですか?」
「私の命ある限りじゃ。どうじゃ?予約しておこうかの?」
「結構です。貴方の腹の中に収まるつもりは毛頭ありませんので。」
「・・・つまらん奴じゃの・・・主も喰えばよいに。」
「そこまで飢えていません。それに弱者をいたぶるような事はしたくありませんし。まぁ・・時と場合によります。」
キュウコンの笑えない冗談をあっさりと流すグラ。
「そういえば・・主の弟たちが見えぬが・・」
「あぁ・・一匹は親が見つかったので帰りましたし、もう一匹はお使いを頼んで・・・」
「なぬ?お使いとな・・?」
「え、えぇ・・小柄のザングースですが・・」
キュウコンは顔を逸らし、ぼそりと呟いた。
「・・喰ろうてしもうた・・・」
「はいっ?」
「そのザングース・・私が喰ろうてしもうたんじゃ・・」
グラは血相を変えて、キュウコンに食いかかる。
「ちょっ・・は、吐き出してください!」
「うぬ・・ちと待て・・」
机から少し距離を取り、キュウコンが腹に手を当てる。
「んぅ・・かぁ・・」
嗚咽と共にボタボタと体液が床に撒き散らされる。
あの膨らみは腹から食道、喉へと上っていく。
ずぶっ・・にちゅっ・・ぬぷっ・・ぬぷぅ・・・
僅かに響く、生々しい水音。唾液と粘液が擦れる嫌らしい音。
「んぐっ・・おぅ・・げぇっ・・」
ごぷっ・・ぱちゃ・・どちゃどちゃ!
「ザングース!」
大量の体液と共に小柄のザングースが胃袋から吐き出された。
グラがすぐに衰弱したザングースにタオルをかぶせる。
「まだ溶けておらぬようじゃ・・良かったの・・」
「・・本当ですね・・良かった。」
器用に両前脚でザングースの粘っこい体液を拭き取る。
「・・すまぬ。グラよ・・」
「いえ・・ありがとうございます・・・貴方がいなければこの顔を二度と見ることは無かったかもしれません。」
隣町の道のりは吹雪いていた。キュウコンに喰われなければ、暖かい胃袋に入っていなければ恐らく凍死していた可能性が高い。が、キュウコンに消化される可能性もあった
グラがキュウコンと知り合いで、急用が重なった奇跡であった。

 * * * 

「今回はお世話になりました。」
「何、私はただザングースを喰ろうてしまっただけじゃ。別に何もしておらぬ。」
「またまた・・・」
下げた頭を上げ、長い息を一つ。
「主のザングース・・美味かったぞ。主もどうじゃ?」
「・・そんなつもりはありませんよ・・」
「・・また来た時はザングースを喰わせてくれるな?」
「どうでしょうね・・」
キュウコンの紅舌がグラの頬を舐める。
「主もこんなに美味い味をしおって・・」
「僕なんか食べても美味しくありませんよ。」
「謙遜か・・そういう所がまた美味そうにみえるんじゃよ・・主・・確信犯じゃな?」
「ははっ・・まさか。」
そうさらりと答えを返し、キュウコンは妖しい笑みを浮かべて、グラのもとから去っていく。
グラは溜息を一つ。
ガチャリ・・・
家に戻って、玄関のすぐ隣の鉄製のドアを開く。
「・・さて・・ザングース?」
「ひゃぁ・・ぅ・・」
灯りのない暗闇の世界。辛うじて日光であたりがうっすら見えるぐらい。
この部屋はグラの・・躾部屋だった。
「おつかいにいってくれたのは感謝する。でもな?お兄ちゃんとの約束2つ目・・言ってみ?」
「あぅ・・あっと・・し、知らない人には・・・・ついていかない・・」
「そう。分かってるじゃないか。じゃあ・・なんであんな事になったんだ?」
「さ、寒くなったから・・キュウコンさんが暖めてくれるっていったから・・」
「だから、腹の中に収まってたと?」
「・・た、食べられると思ってなかったんだもん・・」
ザングースは涙を浮かべながら首をふるふると横に振る。
「・・反省の色は無し・・お仕置きが必要だな。」
「ひっ!?お、お願いっ・・それだけは・・」
グラの紅眼の双眸が煌めいて、細められる。
それだけでザングースはおののいて、後ずさる。
グラの口元から舌がだらりと姿を現し、唾液が糸を成して垂れている。
お仕置き・・それはグラがザングースを丸呑みにする事を意味していた。
キュウコンの前ではああ言っているが、この時だけは別。
時と場合による・・だ。
「もし、キュウコンと俺が知り合いでなかったらお前はキュウコンに溶かされていた。分かっているのか?」
恐怖で震える体を抱え、ザングースはコクコクと頷く。
どっ・・むぐっ・・
グラは乱暴にザングースを押し倒し、両前脚で肩を押さえると、口を開く。
耳を咥え、やや強めに甘噛む。
「ぁあっ・・や、やぇ・・」
体をビクンと震わせ、喘ぎ声をあげる。
ぎゅむぅ・・・ぐにぃ・・あぐあぐ・・
くちゅ・・にちゅ・・ぐちゃぁ・・
甘噛みにねっとりとした唾液が伴い、粘っこい水音が混じる。
「ぁはっ・・やめっ・・お、お願いっ・・や、やめぇ・」
ザングースが言葉を紡ぐ瞬間に強く噛む。
快感に悶えたザングースは上手く言葉を紡げない。
「・・まだ終わりじゃないからな?」
唾液に犯され、ぺたりと垂れた耳が吐き出されるとグラの舌は首筋を犯し始める。
べろり・・ぬちゅぬちゅっ・・ぐちゃ・・ぐちゅぅ・・
ぬりゅ・・ぐぷっ・・
ねっとりとした唾液が瞬く間にザングースに塗り込まれ、毛は唾液を吸い、体に張り付く。
グラの舌とは無数の銀線を引き、唾液に泡が立つ。
「はっ・・はっ・・・はっ・・ザ、ザングースぅ・・」
やはり、ザングースは美味い。キュウコンに言われるまでもなく美味いことは知っていた。
お仕置きという口実に何度かザングースを味わおうした自分がいたことは否定しない。
だがここ最近はザングースを喰っていなかったために相当溜まっているらしかった。
それが今、反動で来ている。
「グ、グラ・・お兄ぃ・・ちゃっ・・」
ザングースの頬は紅い。
視界が突如、グラの口内で一杯になった。
粘液に包まれた口内。今か今かと蠢く舌。
牙から牙へ垂れる高粘性の唾液と銀線。
「ぅ・・ん・・え・・あ・・ぅ・・・」
もう体も口も上手く動かせない。

 ーばくりー

顔がグラに包まれる。
顔には舌。後頭部には上顎。
キュウコンとは違い、グラはザングースの呑み込むのにギリギリだった。
「んっ!?っえっ・・ぶぅっ・・・あ・・ぶぅ!」
その状態から上顎で動きを封じられ、顔が舌の愛撫に晒される。
じゅるるっ・・にちゅ・・ぬちゅっ・
活発な唾液分泌。下顎だけではそれを溜めきれず、ザングースの体を伝ってボタボタと床に滴り落ちる。
顔、首、胸、腹それぞれの部位をグラの舌が余すことなく蹂躙していく。
「ぁっ・・・やぅ・・はぅぅ・・」
舌と顎を器用に使ってグラの体内にザングースが呑み込まれていく。
ずるずると唾液に塗れたザングースの体が粘液と絡み合い口内を滑っていく。
んぐっ・・んぐっ・・・んっ・・
顔を上に向けるグラ。喉とザングースが垂直になる。
大量の唾液が先に燕下されていく。
「グラ・・お兄ぃ・・ちゃん・・」
遂にザングースの足を喉が捕まえた。

ーごくっ・・ごくん!ー

一気に胸辺りまで呑み込み、そして全身を呑み下す。
瞬く間に喉が大きく膨らみ、胃袋へと下っていく。
そして、グラの腹を生々しく膨らませ・・・・動かなくなった。
「げふぅ・・俺の腹で反省するんだな。」
口元から滴る涎を舌舐めずり。
生臭いゲップを吐き出し、腹をまさぐる。
このままの状態では家事はできないので、グラも横になって眠りについた。

 * * * 

その後、ザングースはちゃんと吐き出されたとさ。
だが、今回でおつかいが嫌いになったらしい。
キュウコンとグラに食べられたからだ。
それに、キュウコンはザングースを執拗に食べようとしているそうだ。
おや?今日も騒がしいようで。

「わぁ〜〜!た、助けて!グラお兄ぃちゃん!」
「待つのじゃ!今日こそ胃袋に収まって貰うぞ!」
キュウコンがザングースを追いかける。
?・・あれは?
大きく口を開き、涎を滴らすグラ。
ザングースは気付いていない。

 ーばくり!ー
ぬちゃぬちゃっ、にちゅ、ぐちゃ、ぐちゅ、じゅるるぅ
んぐっ・・ごくり・・

「グラぁ!」
「この仔・・逃げ足だけは早いんですよね・・・」
「ザングースを私に献上せい!」
「いやいや。そうはいきませんね。」
「ほぅ・・ならば丁度良い。主も一緒に喰うまでじゃ!」

ぐぱぁ・・
ーばくんー
ぐちゃ、ぬちゅ、ぎゅむぅ、あぐっ、むぐっ、
ぬちゅぬちゅっ、ぐちゃっ、ねちょ、ぐぷぅ、
んぐんぐっ・・
ーごくりー

よい子はよく前を見ましょうね。

「ご馳走さんじゃ。今度は主を喰おうかえ?」


<2011/11/25 21:34 セイル>消しゴム
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