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【保】おつかい − 旧・小説投稿所A

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【保】おつかい

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「・・寒い・・」
ザングースの体がブルブルと激しく震える。
降っていた雪は次第に激しさを増し、気温も先ほどより5℃ほど下がっていた。
雪と寒さに体温を奪われ、自然に震えるほどに。
「吹雪いて来たの・・・坊や。大丈夫かえ?」
「うぅっ!だ、大丈夫っ・・ぶるっ!」
首を横に振る。だが実際、吹雪いて視界は悪い。
どんなポケモンでも隣町に行こうとはしないだろう。
「キ、キュウコンさんは・・さ、寒くはなななないんですかぁ?」
「私はほのおタイプじゃし・・此処にもう60年も生きておる。慣れた。」
「ななな長生き・・なんですねっ・・」
「・・随分と寒そうじゃな・・暖かい所にいくかえ?」
「暖かい・・所・・?・・どこ・・?」
キュウコンは邪悪な笑みを浮かべ、ただ冷淡に。
ただ無慈悲に。言葉を並べた。


     「私の腹の中だ。」


「は・・・・・え・・?」
口元からペロリと紅い舌が覗き、紅い双眸がつり上がる。
突然の事に隙だらけのザングースがキュウコンに雪の中に押し倒された。
「逃がさぬぞ?忠告はしておいたに・・聞かぬ坊やが悪いのじゃぞ?」
慣れた手つきで体と前脚でザングースを拘束した。
九つの尾が嬉しそうに空に舞う。
「ぅぅ・・えぐっ・・あぁっ・・」
ザングースはその幼さ故に言葉の意味さえ理解できないが今の状況に恐怖だけは感じとることが出来たようだ。
その目には確かな涙が浮かんでいる。
ペロリ。
流れる涙を唾液を纏う舌を舐め取り、代わりに唾液を塗り込む。
「なに・・暖かくて、柔らかい・・・寝床のような場所じゃ・・痛くはなかろうて。」
「ほ、ほんと・・?」
おもむろにキュウコンは口を開く。ポタリと唾液が糸を引いて雪に滴り落ちる。
カプッ・・
「あっ・・やっ・・」
耳がその口に咥えられ、優しく牙を立てられる。
ビクッと体が跳ね、頬が紅潮する。
「きゅ、キュウコンさっ・・や、やめぇ・・ぁ・・んぅっ・・・」
耳を甘噛みされるタイミングに合わせ、喘ぎ、身を仰け反らせる。
ザングースの疲労は目に見えていた。
息はすでに荒く、気力は感じられない。
ドロリと唾液まみれにされた耳がようやく吐き出された。
ペロッ・・・・ベロリ・・
今度は腹部を強く押さえつけられ、全身が舐められる。
何とか止めようとする両手を巧みに躱し全身を激しく責めたてる。
「ぅんっ・・あふっ・・」
ヌチャッ・・・ピチャッ・・
唾液を吸った毛がペタリと体に張り付く上に、寒さで凍り付く。
その寒さがザングースの体温を容赦なく奪う。



<2011/11/25 21:33 セイル>消しゴム
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