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神々の戯れ〜水神の苦手なもの〜 − 旧・小説投稿所A

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神々の戯れ〜水神の苦手なもの〜

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「――というわけで最近妙な連中がこの山に居着いてるらしいんだよ」

村長たちから話を聞いた月夜兎は早速水神にもそのことを知らせていた。

「うーん、確かにそれはどうにかしないとね。人間が宙に浮くだなんて胡散臭いなぁ。あっ、ところで村で起きてるおかしなことって具体的に何なのか聞いた?」

「ああ。なんでもどこからともなく変な音がが聞こえてきたりとか幽霊が出たりとからしいぞ」

すると水神がビクッと体を震わせた。
月夜兎は気付かず

「水神も連中の化けの皮を剥がすのを協力してくれるよな?」

と当たり前のように提案する。

「えっ!私は、その、そんな些事に時間を割きたくないから月夜兎ひとりでやったら?だいたい月夜兎はこの一帯の土地神なわけだから、水神である私が出しゃばるわけにはいかないよ!」

「ありゃま。変なところで気をつかう奴だな。分かった、私が――」

そこで月夜兎の言葉が途切れた。
なんだか今の水神の口調がやけに必死だった気がする。
だいたい確かに名目上は私がここの土地神だが、本来は水神の一族こそがこの地に住まうれっきとした神様なわけだ。
私と水神が初めて会った時だって、この地をテリトリーと考える水神に執拗に攻撃された。
そんな水神が黙って私に全てを任せるか?
待てよ、ひょっとして……。

「なあ、水神。ひょっとして、幽霊が怖いのか?」

「違う!幽霊なんか怖くない!幽霊なんか全然怖くない!」

どうやら図星のようだな。
水神の反応を見て月夜兎は確信した。

「そうだよな。天下の竜神様が幽霊なんか怖がるわけないよな?」

「そ、その通り!誇り高き竜の名にかけて、そんなことは断じてない!」

よし、煽った甲斐があった。
月夜兎は憎たらしいほどの笑みを浮かべて

「そうだよな。実を言うと私は少し怖くてさ。水神、やっぱり協力してくれないか?ひとりじゃ怖いけど、幽霊が平気な水神と一緒なら平気だろうからさ」

と言った。
水神はしまったという顔をするがもう後の祭り。

「わ、分かったよ!私もついていってあげるよ!」

もう後に引くことは出来ず、月夜兎の目論見どおりになってしまった。


<2011/09/06 21:46 とんこつ>消しゴム
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