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カードに溺れろ 〜Dead or Money〜 − 旧・小説投稿所A
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カードに溺れろ 〜Dead or Money〜
− ブラック・ジャック −
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「紳士、淑女の皆様、ようこそお集まり頂きました。
今宵はさぞ楽しいゲームで…一夜を明かすとしましょうか」


金色のシャンデリアが、贅沢な光を浴びせている小部屋。
その中央には、緑のテーブルが堂々と構えている。
まるで、高級カジノそのままの雰囲気だ。


「皆様には先月、参加証をお送りしていると思
いますが….念のため、係の者がご確認いたします。
どうぞ、テーブルの上にお出し下さい」


丁寧な言葉づかいに悟られる前に、九匹は金ピカの参加証を
荒々しく放り投げた。一匹ずつの後ろに構えている黒メガネ達が、
それを確認する。どうやら全員、正真正銘の参加者のようだ。


「…さて、申し遅れました。
私は今回、皆様のディーラーを務めさせて頂きます、
スカイ=ラティオスと申します。以後、お見知りおきを」


漆黒の蝶ネクタイを首元に輝かせながら、ラティオスは深々と
頭を下げる。参加者から「早く始めやがれ」のオーラがプンプン
しているのに気付いたのか、ラティオスは早速トランプに手を伸ばした。


「そして…ルールは事前にご連絡いたしました
が、規則ですので確認させて頂きます」


ラティオスは手慣れた動きでカードをきり、手早くそれを
テーブルの中心に置いた。全員の目が、その一点に注がれる。


「ブラックジャック。知っての通り、こちらの山札からカードを
交互に取り、お一人ずつ私と勝負して頂きます。カードの数字
の合計が【21】を超えれば私の勝ち、私が【21】を超えて
しまったら、私の負けとなります」


ラティオスは一呼吸おいて、全員の目をぐるりと伺う。


「ここまでは宜しいですね? 【21】になる前にドロップアウト、
つまり辞退される場合は、10万円を頂きます」

「質問がある!」

「ええ、どうぞ」


椅子に深く腰かけているザングースが、突然声を張り上げた。


「こっちが負けた時はどうなる?
賭け金に応じて金を払えばいいのか?」

「…いいえ? あちらをご覧下さい」


ラティオスは不敵な笑顔を浮かべると、指をパチンと鳴らした。
部屋の隅にスポットライトが当たり、新たに三匹の影が照らし出された。


「このゲームで負けた場合、あちらの方々の餌….おっと失礼、
夕食となって頂きますので」

「な、なにっ…!!!」

「あなたふざけてるの…!!?」


流石に今までは静かだった参加者も、これには怒りを露わにした。
負けたら食われる…つまり死を意味する。これはカジノ常連の者
にも、初めての事態だった。


「フフ…不服でしたらどうぞ、ご退場なさって結構ですよ?
ただし当ゲームの参加費100万円は、ただちに請求させて頂きます」

「「うっ….」」

「そ、そんな…」


ラティオスは涼しげな顔で、怒り狂う参加者達に釘をさした。
何の利益もないまま100万円だけ請求されるなど、欲の深い
彼らにとってはあり得ないことだ。何も言い返せないまま、
九匹は大人しく席についた。


「…賭け金の倍率は2倍。ゲーム時間は3時間。
ゲーム内容に関する説明は以上です。質問はございませんか?」


誰も手を上げない、声も上げない。
ただ、顔色が説明の前に比べて悪くなっていた。


「それではカードをお配りします。勝負は時計回りに行い
ますので、待機の方は作戦でもお考えになると宜しいかと」


ラティオスがトランプを、最初の挑戦者、ゴルダックの前に
並べ始めた。バーテンダーのルカリオが参加者の横にカクテルを
置いていくが、全員がそれを追い返した。何しろ命を賭けた
ブラックジャック、酒など飲んで酔ったら集中できないからだ。


「カードの配布終了、準備はよろしいでしょうか?」

「「「・・・・・」」」

「それでは…."GAME START"」




<2011/08/06 00:53 ロンギヌス>消しゴム
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