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消えた理性 − 旧・小説投稿所A

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消えた理性

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カイオーガはコラッタを探していた。
あの後、どこかに行ってしまったのだ。
「コラッタくーん!おーい!…ふぅ。一体どこに…あ。」
居た。砂浜に独り佇んでいる。

「おーい!コラッタくん?」
「あ、ああ、よう。」
「元気ないね〜。どうしたの?」
尋ねた途端、いきなりコラッタは涙を流してきた。
「え!?な、なんで泣くのさ!」

「お、俺、自分が情けないよ…お前に頼らないと生活出来ないだなんて…
決闘にまで関わらさせてしまったし…
自分が嫌いになってくるよ…」



「そうか…もう疲れたの?」
「ああ…生きていく気力が消え失せたよ。
もう…死にたい…」
しかしカイオーガはそれを聞いて怒らなかった。それどころか、その思いを優しく受け止めてくれた。

「こんな事言うとお前は怒るかもしれないけど…」
「……」
「やっぱり俺、身も心もお前と1つになりたい。」
「……」

「怒りたいんなら怒れよ。殺しても良い。
というか殺してくれ。」
「…分かったよ…1つになろう。」

カイオーガは遂に認めた。コラッタを殺す事を。今のカイオーガの目には前のような悲しみや怒りはない。あるのは、親友と1つになれる幸せだけだった。
そしてカイオーガは口を開け、一口でカラッタの体をくわえこんだ。
「ああ、むう…。」

カイオーガは痛めつける事無く、優しく舌と唾液で歓迎してくれた。
クチュウ…ヌチャア…ヌプリ…
かなりいやらしい音が辺りに響き渡るが、
カイオーガは舌の愛撫を止めようとはしない。
人生最後の快楽を、コラッタに与えるために…

「くわぁ…むうっ!…うわあ」
喘ぎ声を上げながら、コラッタは喉へと近づき、そして…



ズリュ…ズププ…ムニュ…
「あ、あああ…」
足、腹、胸がブニブニした喉肉に包まれる。コラッタも抵抗せず、静かにしている。
カイオーガが口を開いた。
「君にとって僕って…何?」
コラッタは静かに答える。


「親友…いや、それ以上だ…」
「……ありがとう…」








ゴクリ。



嚥下された。


<2011/05/15 13:09 ロンギヌス>消しゴム
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