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消えた理性 − 旧・小説投稿所A

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消えた理性

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カイオーガはボスゴドラの首筋をベロリと舐め上げる。
その効果も相まって、ボスゴドラは更に恐
怖する。
「おい!だ、誰か助けてくれよ!
なあ!」
しかし民衆は耳を貸さない。みんな、一目散に逃げ帰ってしまった。
「そ、そんな…」
「残念だったねぇ〜。もしかして君の仲間なんて最初からいなかったんじゃない?」
「や、やめてくれ!」
ボスゴドラは必死に耳を塞ぐ。カイオーガの言葉は悪夢に聞こえた。
「ははは。まぁいいや。食べる分には
関係ないしねぇ。」
ムニュ、ムニュリ
ボスゴドラの体が更に口の中へと消える。
「うわああ!!ご、ごめんなさい!ゆるしてぇ!」
「あはははは!良い気味だよ。自分は弱者を従えてたのに、いざ自分が弱者の立場になったら命乞い?おもしろいなぁ。」
遂にボスゴドラは泣き出し、蒼い悪魔に向かって必死に懇願する。
「や、やめてぇ!し、エグッ!、しにたくない…、何でもするから…」
しかし返事は冷たく残酷だった。
「大人しく死んでくれるのが僕の望みだよ…あむあむ。」
 クチュリ…ヌチャリ…ヌチュ
「う、うわうわわわわ!!」
とうとう首から下は全てカイオーガの口の中に収まってしまった。
「ひぃやあ…だれか…助けてくれぇ…」
「誰も来ないよ?」
無慈悲にもそう言い捨てると、カイオーガは舌を使ってボスゴドラの体に、たっぷりと唾液を塗りつけていった。

「うみゃあ、うう、あぐう、た、たすけてくれ命だけは。」

「残念だけどそれを決めるのは僕じゃない。」
「え?…」
ボスゴドラは困惑した。何故?俺の命はコイツが握ってるんじゃないのか?
その答えはすぐにわかった。
「ほらきた。」
「?……!」
向こうから走って来るのは紛れもなく自分がいじめていたコラッタだった。
コラッタは足を、拘束されたボスゴドラの前で止めた。
「コラッタ君、君が決めて?」
「おれが?」
「そう、自分で決着つけたいって言ってたでしょ?そうしなよ。このボスゴドラを生かすも殺すも、決定権は君にあるんだ。」
コラッタは、さっきまで自分を嘲笑っていたボスゴドラを見下ろす。
「わ、悪かった!済まない!許して!頼む助けてくれぇ!」
喚いているボスゴドラをよそに、コラッタは後ろに下がり、たいあたりの姿勢をした。この状況で体当たりされるというのはつまり…
「や、やめろ!来るな!助けてぐでえぇ!」
コラッタのたいあたり!
効果はいまひとつのようだ。
しかしボスゴドラの頭は遂に口に収まり、
全身がカイオーガの温かい口の中に入ってしまった。
「カイオーガ…」
「ん?」
「後は…任せた。」
「了解♪」
そう言うとコラッタは走り去る。
それを口内で聞いたボスゴドラは、
「まってくれ!たのむ!見捨てないで!
どうか!」
しかし、コラッタにその声が届く事はなかった。




「任せられちゃった〜。それじゃあ…」
「ひいっ!!」
「あそぼうか?」
突然、舌が動き始め、ボスゴドラの体中を舐め尽くす。ベロンベロリ、クチャア、ヌチュウ、ムニュウ、グニュウ。
「んんんん!!んんんん!」
悲鳴など気にもとめず、ただ欲望のままに舐め続ける。締め上げる。圧迫する。
そして思う存分舐め終わると、カイオーガは上を向き、ボスゴドラを悪夢の喉へと持っていく。流石に死にたく無いのか、自慢の爪を舌に立てるが、カイオーガにとってはくすぐったいだけだった。
「さあ、入り口だよ?準備はいいよね?

「だ、だめぇっ!」
「答えは聞いてない。」

ずぷん、ずりゅっ!
柔らかい喉肉に全てが包まれる。そして…


ゴクリ…ゴポン

嚥下の音が、森の中にこだました。


<2011/05/15 13:08 ロンギヌス>消しゴム
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