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『運命』の記憶 − 旧・小説投稿所A

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『運命』の記憶
− Lost and Losser −
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ドギュンドギュンドギュン!!!!
ヒュゥッ…ドガァアン!!

カラフルに飛び交う閃光、雨のように降り注ぐエネルギー弾。バビロンはロンギ
ヌス達三人を一度に相手取り、全員を青いムチのような武器で吹き飛ばした。


「フフ…この程度だったのか? 期待して損したな…」

「(なんて強さだ…互角にも及ばないなんて…)」

カイオーガもラティオスも、全力を賭して闘っている。しかし未だ一撃も喰らわせ
られないまま、時間だけが悪戯に過ぎていった。少し焦りと冷や汗を感じながら、
ロンギヌスは『B』のメモリを取り出した。


「カイオーガ!! ラティオス!! …伏せろ!!」

キチッ…『BOMB(爆弾)』



目が焼けるような光が飛び散り、バビロンを無数の爆発が襲った。ガラスが割れ、
テーブルは砕け散り、本棚が粉々になって降ってくる。古竜でさえ悲鳴を上げる
ほどの威力に、ロンギヌスは勝利を確信した。





バラバラ…パリン…ガチャン…

「たかが爆竹で…俺が止まると思うのか?」

「嘘…生きてる…!?」

こんがりと焼け焦げた椅子を跨いで、バビロンは舞い散るススで黒くなった身体を
さらけ出す。欠伸でもしそうな余裕の表情に、ロンギヌスはガクンと膝をついた。



「なら今度は僕の番だ…!!」

カイオーガは投げ捨てられていた真っ赤なメモリを拾い上げ、天井に触れる高さ
までジャンプした。10メートル程の所から、思い切りヒレをバビロンに叩きつ
ける。無論…メモリの力も借りて…

キチッ…『VIOLENCE(暴力)!!』






「うりゃぁぁあああああああっ…!!!!!!!!!」

…スッ…バキィィィイイイッ!!!!


カイオーガの攻撃は効果があったのか、ロンギヌスはすぐには分からなかった。
ただリーグ建設時の材木がむき出しになっている床が、その衝撃を痛々しく物語っていた。






「カ…カイオーガ…」
「兄さん…?」


沈黙を破ったのは、ロンギヌスの胸にくるくると飛び込んで来た赤いメモリ
だった。新型なので傷一つ付いていないが…これだけが帰ってきたと言うことは…




「う…ぐへぇ…」

「俺を叩き割ろうとしたのか? 笑わせる…w」

カイオーガは流線形の背中を踏みつけられ、肺を圧迫され呻いていた。最後の砦
とも言えるポケモンを倒され、ロンギヌスは失意が波のように寄せるのを感じた。



「兄さん…いつもの馬鹿力はどうしたんですか!?」

カチッ…『ICE AGE(氷河期)』

兄を救出しようと、ラティオスは青いメモリを胸に突き刺す。そのメモリは彼に
氷竜と同じ力を授け、周囲に身も凍るような冷気を漂わせた。部屋の隅にいるレ
ムリアも、室温が急激に下がるのを肌で感じていた。


「ラティオスやめろ!! お前まで…」

「自分の身内すら護れなくて…兄弟を名乗る資格、ないですから。」


素直で真面目なラティオスが、ロンギヌスの命令を無視したのは初めてだっ
た。真正面からバビロンに向かっていき、短い腕からいつもより数段上の冷凍ビームを放つ。


ピキキキキキキ…ドギャァァン…!!!

「くっ…避けきれなかったか…」

ビームはバビロンの左肩を貫き、一瞬で動けない程に凍りつかせる。血管まで
冷えそうな痛みに顔を歪め、バビロンは躍起になって氷を取ろうとしていた。




「だがこんな程度で…俺は止められないぞ!!」

「なっ…」

ラティオスの救いの手がカイオーガに伸びた瞬間、バビロンの支障のない右腕が、
チョップとなって彼の首を直撃した。途端に意識をふらりと失い、ラティオスは
床に顔を突っ伏して崩れる。



「そ、そんな…」

「まあ所詮はその程度だ…ポケモンなど。」

リーグの二強とも言われる二匹が…今やバビロンの支配下となって倒れている。
カイオーガはもう暴れ気味に抜け出そうとしていたが、自分より重いバビロンの
足から…逃れられる理由もなかった。


「さて用事があるのはこのシャチだ…人質として預からせてもらうぞ。」

「ま…待て!! おい…!!」

「三時間後…俺はまたここに来る。それまでに
そこにいるムゲン竜、そしてT4メモリの設計図を用意しておけ。さもなくば…」

「マ、マスター…!! 絶対に渡しちゃ…」

「別に渡さなくてもいいぞ? こいつが…死ぬだけだ。」

冷たくそう言い残し、バビロンは空気に溶け込むように消えてしまった。
人質となった…カイオーガの手を引いて…



<2011/06/03 23:17 ロンギヌス>消しゴム
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