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『運命』の記憶 − 旧・小説投稿所A
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『運命』の記憶
− モーニングコーヒー −
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お勧めBGM:『Des Cordes opus 1』
※youtubeあり
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ピッ…ガランゴトン…!!
チャリチャリ…

午前六時・・昇り始めた太陽の光に照らされるポケモンリーグ。
その挑戦者用ロビーで、ロンギヌスは自販機の前に立っていた。
出てきた缶コーヒーと釣り銭をかき出し、大きく朝の伸びをする。


カシュッ… カパッ…

「おはようございます。珍しいですね? こっち来るなんて…」

コーヒーの蓋を開けると同時に、早起き仲間のラティオスと
遭遇した。彼は毎日ここに訪れるのは常連らしいが、ロンギ
ヌスはいつも寝ぼけながら自家製を作っていたので初めてだった。

「ふわあぁ〜っ….…おはよ…」

「元気ないなぁ....朝は嫌いですか? 早起きなのに」

ラティオスも120円を自販機に押し込み、いつもの無糖を
買う。その後二人で休憩室のソファに腰を落とすと、早朝
だからか間に沈黙が流れた。



「・・・・」

「……昨日のこと…まだ、怒ってる?」

「昨日のこと?」

「ほら…メモリ投げたらお前キレたじゃん…嫌われちゃったのかな…って思って…」

「・・・・デリケートなんですね、意外と」

「…い、意外で悪かったな…」

ロンギヌスは飲み終わったコーヒー缶を、ゴミ箱目がけて
放り込む。しかし気負いのせいかそれは外れ、ゴミ箱のふ
ちに当たって跳ね返ってきた。人気の無い休憩室の床を、
空き缶がカラカラと虚しい音を立てる。


「そこまで気にしないで下さいよ…大好きだから一緒に暮らしてるんです」

「そ、そうか…」

「......ただし..♪」

ぼうっとしていたロンギヌスの隙をついて押し倒し、
鋭いかぎ爪を胸に押し付けるラティオス。カイオーガ
譲りの紅い左目が、ロンギヌスを抵抗を封じ込めた。


「今度またカチンときたら…問題なく殺しちゃうかも知れませんからご注意を…♪」

「えっ…でもんむぅ…!!」

文句は受け付けないとばかりに、唇が爪に塞がれる。
かなり強い力で押さえられ、頬に跡が残りそうだった。


「OK?」

「y..yes...」

「ならいいですよ。もう水に流しましょう?」

自分の方へと転がってきたロンギヌスの缶を掴み上げ、
今度はラティオスが投げる。缶は気持ちよくゴミ箱に
吸い込まれ、ガランとやかましい音を上げた。



「そうそう、前から聞こうと思ってたんですが…
ここのリーグって誰が管轄してるんです?」

「んー…? 名目上はチャンピオン…つまり俺なんだけどね。
面倒だから『クォーク』に任せてるよ」

「ク、クォーク…? 初めて聞きましたよ? そんなの…」

「あーそっか、まだ教えてなかったな。ちょっとついて来て」

彼らは朝のひと時をその休憩室で終わり、ロンギヌスはラティ
オスを連れて廊下に出た。
広いロビーを抜け、あまり利用されないエレベーターの前に立つ。


「クォークっていうのは去年、アメリカ政府から買ったスーパー
コンピュータだよ。最上階に設置されてて…リーグの全ての仕事を司ってる」

「なるほど…?どうりでここの就職試験、
内定率が低すぎると思いましたよ」

「全部クォークがやってるからなw
…人間がやる事なんてほとんど無いよ」


エレベーターに足を踏み入れ、七階以上フロアを昇って行く。
電光板に『9』と表示されると、二人はそこで降りた。


「リーグの9階か…来たこともないです」

「まだ建設中のところもあるからな。こっち」

壁一面が真っ黒に塗られた廊下を進んで行くと、アーチ型
の扉があった。すぐ近くには高級マンションのようなパスワ
ード入力の装置が取り付けてある。どうやら電気的に鍵が掛
かっているようだ。

「えーっと…パスワード何だっけ」

「…微塵も知りません」

「あー思い出した! ポチポチポチッと…」

ロンギヌスは人差し指でボタンを叩き、何とかロックを
外した。扉が左右に割れるように開き、二人を中へと導く。



「ここは・・・」

「イッシュリーグの中央制御室。
俺と関係者以外、入れないってことらしいよ」

「でも僕が入ってますけど…」

「お前ならいいよ、信用してるからな」

「……嬉しい事言ってくれるじゃないですか…
どういう仕組みなんですか?このシステム」


世界に二つとない、IT技術の塊。
それを舐めるように見回しながら、ラティオスは
興味深そうに問いを投げかけた。


「全然知らないよ。簡単に使い方の講習を受けただけだからな」

「…やっぱり……」

「ただ知ってんのは…最先端のガイアメモリが
使われてるって事だけだ。たった一本だけね」



<2011/05/30 22:51 ロンギヌス>消しゴム
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