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『運命』の記憶 − 旧・小説投稿所A

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『運命』の記憶
− 笑える危機 −
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バイオリック社から千キロ離れた…ポケモンリーグにて
(オススメBGM:ミサトさんがビール飲んでるときのアレw
========



「はーっ…..日曜日の昼過ぎほど暇なときは無いな。」

「ハハ…いつも音楽聴いてるくせに♪ 勉強しなくていーの?」

「マスターの辞書に『勉強』なんて言葉、ハイレベルすぎてありませんよ…」


カイオーガ、ラティオス、レムリアに囲まれ、だらだらと
無駄な時間を過ごすロンギヌス。聞き飽きたのかiPodも放
り投げ、コンビニで購入したおにぎりを貪っていた。レム
リアがイライラを募らせ、普段より数段怖いトーンで口を開く。


「チャンピオンの仕事もせず勉強もせず….最悪ね…。」

「し、失敬な!!月に四回しかない貴重な日曜日、それをエンジョイして何が悪い!?」

「別に悪くないと思うよ? ねーっ♪」

「…ね、ねー…」

ロンギヌスのぷっちょを口に放りながら、カイオーガが
助け舟を出した。当然、ロンギヌスがそれで釣っただけなのだが。


「僕はレムリアさんに賛成ですけどね….確かにだらけ過ぎです。」

「ふーん…マスター知ってる? ラティってレムリアのこと大好きなんだよ♪」

「にっ…兄さん!!!」


兄弟のプライドを賭けた鬼ごっこ。
顔を真っ赤にして兄を追うラティオスを横目に、
レムリアは可笑しそうに口を押さえていた。


「まあ頑張ってるとは言えないよな…..よし! マクドでも行くか!」

「…..そう」

「ごめんなさい調子に乗り過ぎましたすいません見捨てないでください。」


ロンギヌスは土下座でゴンゴンと床に頭を叩
きつける。レムリアに捨てられるという事は、
ここの唯一の家事係が失われる事を意味するのだ。
炊事、洗濯、掃除、…どこかのチャンピオンよりも彼女は忙しい。


「だったらメモリの整理ぐらいしてなさい!! 散らかるから大変なのよ? あれ」

レムリアの白い指が指し示すもの…
それは見事にカーペットの上にひっくり返された、
大切な(はずの)メモリトランクだった。ロンギ
ヌスはダッシュでそこに向かい、言われた通り整理を開始する。


「えーっと…あ、そう言えば検査してたからお前らのメモリも預かってたっけ….おーい返すぞ!!

まずは1つ目…黄色いメモリを漁り出し、スイッチを押してみる。



キチッ・・『LUNA(幻想)!!』

「『幻想』の記憶か…これレムリアだよな?」

「….そうよ」


レムリアはむすっとした態度で、放り投げられたルナ
メモリを受け取る。まだ気を許してくれないか…と
後悔まじりにため息をつき、ロンギヌスは2本目を手に取った。



キチッ・・『ETERNAL(永遠)』

「『永遠』….あいつともずっといられる訳じゃないんだよな…」

まだ逃げ弟から逃げ続けているカイオーガを見て、柄にも
なくひっそりと呟く。昔あの島で手渡したこのメモリが、
未だに二人を結ぶ橋となっている事に小さく感動した。
もちろんこれを使ったところで…別れはいつか来るのだろうが…


「マスター、それパス!」

「何がパスだよあんにゃろ…」

ロンギヌスは頭を振って気を直すと、目が合ったカイオ
ーガにそれを投げつけた。大きなヒレで器用にキャッチ
すると、再び部屋の中を走り回る。


「さてさてラティオスのは…これか」

キチッ…『SKYPIA(大空)!!』

残る彼のメモリは、水色と白のマーブルという、何とも
異色な物だった。ロンギヌスはしっかりと狙いを付け、
冗談で馬鹿に振りかぶって投げてみた。
後で…またしても後悔するとは知らずに…


ビュッ…ゴチン!!

「いたいっ!!……僕に恨みでもありますか? マスター…」

「(し、しまったぁー…!)」

スカイピアメモリは放物線を描いてラティオスの後頭部を襲っ
た。カイオーガに挑発され、地味に痛い攻撃を受け、流石に
冷静な彼もお怒りの様子。ただ口調はいつも通りなのが、
返ってロンギヌスの恐怖をあおる。


「兄さんへの報復は後回しですね…先にマスターから削除しますか…♪」

「ちょ…え、そ、それはダメ!! それだけは!!」

やっぱり土下座で床に頭を擦りつけるロンギヌス。それを頭に
『怒』マークをつけて笑うラティオスの手には、あの底無し
の黒い空間が浮かんでいた。

相手を異次元世界へ落とし、ゴミのように消滅させてしまう・・
なぜここで最強技を持ち出すのかロンギヌスは理解しかねたが、
恐らくそれだけキレちゃったのだろう・・


「やめっ…カ、カイオーガHelp me!!」

「ぼく英語わかんなーい♪」

「嘘つけゴラ! じゃあ助けてくれよ早く!!」

「え〜……ぷっちょ全部くれる?」

「その『全部』をさっきお前が食い尽くしたんだろがぁああ!!!」

「んじゃヤダ♪」


くだらない漫才を繰りひろげている間にも、青い悪魔(弟Ver.)は
主人を壁際まで追い詰めていた。ペロッと舌なめずりし、
手の暗黒空間を開放させる。


「ではではマスター…黄泉の世界でまたいつか…♪」

「だっ…ダメダメダメダメダメダメ!!まだ早いって」

無条件に床にぽっかり穴が開き、動けないロンギヌスを引き
ずり込んでいく。ラジカセもびっくりの悲鳴は無駄に終わり、
10秒もせずに肩がずっぽりと埋まる。あと頭を引き込まれれば…


「ごめんなさい天才ラティオス様許してくださいずっと崇めますからどうかお願いしますっ…!!」

「すいませんでしたねぇ、こんな気持ちの悪いドラゴンタイプ気取りを飼って頂いて…お礼にすぐ終わらせますからご安心ください?」

「ら、らべぇぇええええ!!!」



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「という脅かしは、やっぱり怖いですか?」

全てが闇に飲まれる寸前で、ロンギヌスの髪の毛一本を掴み、
グイッと体ごと引き上げるラティオス。無様にも痙攣してい
る主人に顔を突きつけ、ニヤッと調教師のような顔を見せる。


「反省してくれました? マスター♪」

「はは…はい…はい…はい…はい…はい…はい…」

「(…ちょっとやり過ぎたかな…)」



かけがえの無いこの日常。
しかしそれが次の日…変えようもない運命によって
崩れ去ることは、誰も予測していなかった。

未来を本当に予知できる者など…いないのだから…



<2011/05/20 23:42 ロンギヌス>消しゴム
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