PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル

ぼくのなつやすみ − 旧・小説投稿所A

RSS | 感想 | TOP
ぼくのなつやすみ
− JANK PLANNING −
|<< < 8 / 23 >>|


ーーーところ変わってワクドナルドでは・・




「Shots,shots,shots…♪」


愛用のメタリックグリーンのヘッドホンを耳に掛け、脂っこい
ハンバーガーを頬張るバビロン。実は彼、こういったジャン
クフードにはまるで目が無いのだ。もし彼を擬人化してしま
ったら、超理系のぐうたらニートになってしまうに違いない。


「期待を裏切るようだがマスター、やはり息抜きなしに戦闘な
どやってられないねぇ…♪」


テーブルに置いた人差し指でコンコンとリズムを弾ませ、
まっ昼間のひと時を楽しむ。しかしポテトを口に咥えた
瞬間、ヘッドホンが何者かによって奪い去られるのを感じた。


「っ……誰だっ…!!」

「…私よ。この空気読めないポンコツ頭っ!!」


クリーム色の拳にボカッと一発喰らい、頭を掻きむしるバビロン。
命の次に大事なヘッドホン(マスターは三番目)を取り返そうと
する様は、まるでゲームをママに奪われた子供のようだった。


「よくもまぁ呑気にそんなもの食べてられるわね?」

「………………やらないぞ?」

「いらないわよっ!!」


ポテトをむしゃむしゃ食い荒らすバビロンに、レムリアも流石
にご立腹のようだ。バビロンはパッケージに口を付けると、上
を向いてそれらを一気に胃に流し込む。


「大体あなたね….指名手配中なのにどうして買えたのよ」

「ガフぅ….警戒心のないバイト店員に感謝しなければな」

「あ〜そうね…でもその前に…」


レムリアはギロリと睨みを利かせ、バビロンの肩を引っ張ろう
とする。だが彼の巨体を、そう簡単に動かすことはできない。
ウンウンと力を込めるだけのレムリアを、バビロンはクスッと
鼻で笑った。


「フフ…そんなに私をここから出したいか?」

「あ…当たり前でしょ!! …も、もう…早く行きなさい…よ…!!!」

「…まあバリューセットも食い尽くした事だし….その望み叶えてやるか」


バビロンが急に立ち上がったので、レムリアは反動で他の客に
衝突しそうになった。バランス感覚をフル稼働させて平衡を保
つと、バビロンをまたまた睨め付けた。しかしその頃にはもう、
店のドアは風が吹き抜けたようにガラガラと揺れていた。


「何なのよ….もう…」


彼に遅れを取るまいと、レムリアも店を飛び出していった。




================



「マスターもマント着るんだ….似合わないねっ♪」

「やる気失せちゃうからそういう事言わないでくれ」

「あはは…ゴメンゴメン。それじゃあ僕もカッコつけちゃおっかな?」

「……はい?」


カイオーガは帽子からハトを出す手品師のように、何処からと
もなく赤いスカーフを取り出す。それを太い首(そもそも首は
無い)にキュッと締め、やる気をゴオゴオと燃やしていた。


「うぉぉ…TODAYのボクは非常に燃えてるぜ…」

「(…スカーフに錯乱術でもかかってたのかな…)」

「ヌッヒヒヒヒ…そんじゃ行きますかァァッ!!!!!」

「・・うん。」


もうどっちが主導権を握っているのか分からない。カイオーガ
は早速「れいとうビーム」をぶっ放したが、財竜は難なくそれ
を見切る。彼に続いてロンギヌスも隠しナイフを投げたものの、
カキィンと黄金の腕に叩き落されてしまった。


「君らが僕を超えたいのは分かるよ。でもそれを許しちゃ僕の
居場所が消えちゃうんでね」

「へぇ…!? じゃあ俺の仲間になってみるか!!?」

「…死んでも断るから」


シアンの巨体が飛び上がり、左手でロンギヌスの頭を横殴りに
してきた。ロンギヌスは大至急ヒザを折って、背を縮めてそれ
をかわした。


「マスター伏せ…」
「はい準備完了!!」

「……早いね、いつも」


地面に伏せたロンギヌスは自分のすぐ直上を、透明な龍が通り
過ぎていくのを感じた。カイオーガお得意の海龍だ。ぷるぷ
る潤いにあふれた大口を開けて、財竜を呑み込まんと突撃して
いく。たった一瞬だけだが、ロンギヌスは勝った気がした。



「…何これ、水芸かい?」

「なっ….んだって…」


財竜は滑らかな動きでかぶりつきを避けると、海龍の水ででき
た胴体に右腕をずぷッと突き刺した。海龍は噴火のような悲鳴
を響かせながら、あっという間に四枚の輝かしい金貨となって
しまう。水の龍の亡骸が、カィンカィンとけたたましい音を立
てて転がった。


「なら….これでどうだっ!!」

キチッ…『ROCKET(ロケット)!!』


ロンギヌスの両肩に、馬鹿でかいロケットランチャーが出現
する。どっしり重量感のあるそれを財竜に向け、カチャッと引き
金を引いた。


「消し飛べやぁぁあああっ!!!!」


ドドギュゥゥゥゥウウウウン!!!!!!!!!


爆音を轟かせたランチャーは、照準どおり財竜の目前にまで飛
んでいった。だがロンギヌスの期待もそこまで。財竜はなんと
飛んでくるランチャーを横から殴りつけ、軌道をあっさり変
えたのだ。警視庁の庭に植えてあった木が、メラメラと火花を
散らして燃え盛る。



「ち、畜生め……このチート野郎!」

「そうだそうだ! このチートチート!!!!(チートの意味は分かってない)」

「……はぁ…すぐに綺麗な宝石にしてあげるから…そこ動かないでね」


左手を武器に猪突猛進してくる財竜。ロンギヌスはゴクリと息
を呑むと、カイオーガにそっと目配せした。


「(とにかく…時間を稼ぐことに集中しろ)」

「(了解…)」




================




「あ〜あ…ポテト喰いてぇ…」

「五分前に食べたでしょ。我慢なさい」


ワクドナルドを出たバビロンとレムリア。彼らの目の前に立ち
はだかっていたのは、人目につかない警視庁の裏口だった。レ
ムリアは心配そうな顔を匂わせる。


「でもさっきあなたが話してた…財竜だっけ? 彼に見つかった
らどうするの?」

「フフ…ちゃんと策は打ってあるよ。安心しろ」


バビロンはヘッドホンをガバッと外すと、内側に取り付けられ
たトランシーバーを彼女に見せた。どうやらこれを使って、ロ
ンギヌスと交信していたらしい。


「…今、私達が立っているのは警視庁の南側だ。だが北側では、
もうマスターが財竜と闘っている。これがどういう意味なのか、
頭脳明晰なムゲン竜さんなら分かるよなぁ…?」





「…あなたまさか….マスターを囮に…?」

「いや、マスターの方から言ってきた。『説得や脅迫ならお前
の方が上手いだろ。だから俺が囮になってやる!!』とね」


猛反発されるかと思いきや、レムリアはすんなり受け入れた。
というか、「いい作戦ね」と拍手までしている。


「それで…この先はどうするの?」

「そりゃあ決まってるだろう。マスターが時間稼ぎしている間
に、警視庁をぶっ壊…」

「目的は署長の説得よ? それを忘れないで」


バビロンは面倒臭そうなオーラをプンプンさせながら、裏口の
門をくぐり抜けた。当然ながら、監視カメラのレンズを正確に
撃ち抜いておく。レムリアもそれに続き、誰かが見ていないか
確認すると、バタンと錆び付いたドアを閉めた。





<2011/08/29 09:43 ロンギヌス>消しゴム
|<< < 8 / 23 >>|

TOP | 感想 | RSS
まろやか投稿小説すまーと Ver1.00b