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【保】易すぎる依頼 − 旧・小説投稿所A

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【保】易すぎる依頼

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易すぎる依頼













「……どういうことだ?これは……」

翌日、何事もなかったことの報告と昨日もらわなかった依頼に新しく目を通すために、昨日の酒場に来てみたんだが…。

「臨時休業って、いきなりすぎるだろ…しかも訳も書いてないし」

そう…どういうわけか店が閉まってる。扉には[臨時休業]の文字が書いてある紙が貼ってあるだけ。理由なんてそこにはなかった。
これじゃあ依頼が受けられないじゃねぇか。他にも受ける場所はあるにはあるが、俺としてはいつも通ってるここでした方がいいんだよな。
かといって理由もわからずに押し入るのもどうかと思うし…今日はどうしたものか…。

「…しょうがねぇな。今日はのんびり、一日を過ごすか…」

素直に諦める。それが一番だと思った。
グダグダするのは好きじゃないし、無理なら無理とキッパリ諦める。それもまた大事なことだ。
ついでに家のことを考えてみれば…いくつか必要なものを買わなきゃいけないってことも思いだした。
依頼が受けられないのなら今日はそういう日にすればいい。いわゆる羽休め。
まぁ…いつもしてる依頼が日常生活とそれほど変わりない俺にとっては、特別なことでもないんだが。

「とりあえず今買いに行っても時間余るし…そこら辺散歩とかしてからでいいか」

店の扉を見ながらそんなことを考え、まとまってから足を動かした。
昨日言ったと思うが、俺は生活に最低限の金しか稼がない。つまり、下手な遊びとかは禁物ってわけだ。
依頼があるにしたって、昨日や今日みたいにそれを受けること自体出来ないことだってある。それを考えると迂闊には出来ないのさ。





数時間経って、俺は近くの河原にいた。
暇な時はいつもこうしてどっかをふらついて時間を潰すことが多い。遊べないからな。
それにしても…今日はついてねーな。依頼を受けられないだけじゃなく、目当ての物を扱ってる店も定休日だってことをここに来る時に思いだした。
となれば…結論はただ1つ。暇、ということだ。一日中な。
こうも暇な日もなかなか来ないぞ。やっぱりこうやって時間潰すしかない…とは考えるが、それだけで一日を潰せる気はしないな。

「とことん暇になっちまったよ…」

ふと見上げれば、青空…。曇り一つない綺麗な青空がそこに広がってる。
普段見てる空なのに、こういう時に見ると何か違うものを感じるんだよな…と、柄にもなく詩的なことを考えてしまった。
河川敷の方を見れば子どもがわいわいはしゃいで遊んでる。いいもんだな、こういう景色も。
歩くのも疲れてきたから、ちょっと一休みといくか。河川敷の方に少し足を入れ、斜面になってるところで寝転がる。
時間は昼前だから陽も良い感じに射してて、気持ち良くなってくる。

「…ちっとだけ、寝てもいいよな…誰の邪魔になるわけでもないし…」

どうせ暇なんだから…そう思って目を閉じたら、案外すぐに寝れた…気がした。

















「……い…さ……おに…ん………お兄さーん?」

「………?」

いつの間にか寝てたようだが…というとおかしいが、まぁ気付かず寝てたところだが、何か声が聞こえてゆっくりと目を覚ます。
眠いながらも目を開けてみると、1人の狐獣人の顔が視界に飛び込んできた。

「あ、やっと起きたんですか」

「……誰だ?お前…」

見覚えのない顔だったので疑問を投げかけながら体を起こす。
見てみれば狐獣人は俺より年下の、青少年…といったところか。
河川敷で1人、暇だからのんびりと寝てたちっぽけな何でも屋という名を背負ってる賞金稼ぎの俺に何の用だってんだ?
ちなみにそんな名、本当に背負ってなんかないからな。

「そういえば自己紹介しないといけませんね。と言っても名を知ってもらうほどでもありませんが…」

「なら、用件から聞こう。人が寝てるってのに起こして来たんだから、ちゃんとした用はあるんだろ?」

あくびを1つしながら頭を掻き、一応話を聞く姿勢は取る。
寝てるとこ起こされるのは正直好きじゃないが、用があるっていうのなら聞くのが礼儀だ。それぐらいはきっちりするぜ。
まだ眠気が残ってる頭を覚まさせようとしてる間に相手は俺の前に動いていた。

「お兄さん、賞金稼ぎだったりする?」

「…だったらどうするんだ?」

「ちょうど良かった!お兄さんに依頼を頼みたいんだけどなぁ」

「依頼…?」

まぁ依頼自体、酒場だけじゃなく直接頼みに来る場合も少なくはないからおかしいことはない。
主に他人に知られたら困るようなこととかを頼む時とか、が当てはまる。
ということはこいつもそのケースに当たるのかもな…。

「そうなんだよ。こいつはちょーっと公の場に出すには大きすぎるもんなんでねぇ」

「ご託はいいから依頼内容を聞かせてもらおうか。暇ではあったけど、依頼となれば俺も本気になる」

「ちょっとぐらいいいじゃないか…」

「こっちだって生活かかってんだ。それなりに腰入れてやらないと死活問題になりかねない」

「まぁいいや…話は聞いてくれるんだよね」

「受けるかどうかは、内容を聞いてからだ。ここで話すのもなんだ、場所を変えて話そうぜ」



<2011/07/06 22:44 ヴェラル>消しゴム
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