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エンペラーフェスティバル − 旧・小説投稿所A

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エンペラーフェスティバル
− 凶悪な記憶 −
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南館を担当するカイオーガは、とある部屋のノブを回した。厳重なロックを通り抜けた彼の前に現れたのは、目も眩むような財宝の山だった。『GOLD』と刻まれた金の延べ棒が、大人の腰に届くまで積み上げられている。


「どうりで警護が固いと思ったら…金庫だったんだね、ここ」

もちろん、純金だけを保管している訳でもなさそうだ。
綺麗に整頓されている刀剣類、錆びついたドラム缶に収まった石油。
さらに無数の金貨や銀貨が、ジャラジャラと川のように棚からこぼれ落ちていた。


「さーて…この部屋にいるのかなぁ…?」

輝かしい宝石を蹴散らして、カイオーガは敵の姿がないか調べる。急襲されても対応できるように、慎重に人が隠れそうな場所を捜していった。


ーーーーーーーーーーーー


「いないね…見当違いだったかな…」

積み重なった木箱の横で、残念そうな唸り声を上げる。数分しか探していないのに、カイオーガは早くも諦めようとしていた。ヒレで頭を掻きながら、そそくさと部屋から出ようとする。






「…な〜んてね。みーつけたっ♪」

さっき通り過ぎた木箱に向かって、カイオーガは水爆弾を撃ち込んだ。静けさを保っていた金庫に、木が砕ける音と悲鳴が轟く。立ち込める爆煙にまみれて這い出してきたのは、なんとマグマ団首領・マツブサだった。


「ゲホッ、ガハッ!! き、貴様…よくも…」

「へへ〜ん、逃げられると思ったでしょw 頭隠して尻隠さず、だね」

得意気に笑うカイオーガを前に、マツブサは怒りを燃え上がらせる。スーツの懐に手を突っ込み、オレンジ色のメモリと拳銃を抜き出した。なんの変哲もない銃口が、まっすぐカイオーガの脳天に向けられる。



「ふーん…僕を殺す前に教えてよ。ここで何やってたの?」

「…マグマ団は現在、崩壊寸前だ…私は首領として、その復興を目指す義務がある!!」

「だから金庫に侵入して…泥棒する気だったんだだね…」

マツブサは歯をぎりぎり食い縛りながら、しわくちゃの手配所を取り出して見せた。笑顔でヒトを丸呑みにするカイオーガが、その写真の中央に載せられている。


「懸賞金4億2000万….エターナル=カイオーガ。
貴様を捕らえて政府に突き出せば、マグマ団の資金が手に入る!!」

「なぁんだ…結局お金目当てだったの?」

「世の中…金で動いてるだろうが!!!」

銃口から弾丸が発射され、カイオーガを貫き通すと思われた。だが四億の首が、銃ごときで倒れるなら世話はない。カイオーガは瞬時にそれを見切ると、身を屈めて突撃していった。

「ちぃっ…!!」

ダンダン!! ダダンダンダン!!

引き金を弾切れまで引き続けたものの、マツブサの攻撃は彼に一撃たりとも命中しなかった。余裕満々のステップを踏んでいるカイオーガに対し、マツブサはゼーゼーと息を急かしている。


「あはは…あんまり美味しくなさそうだね、君って。」

「貴様…私をナメてるのか…」

キチッ…『MAGMA(マグマ)!!』

怒りがとうとう最高潮に達したマツブサ。目の色をガラッと変え、メモリを左手首に押し付けた。その途端、ドロリと溶けたマグマが血のように噴き出す。


「…マグマの…記憶か…」

「その通り…水や氷しか扱えない貴様では…私には勝てない!!」

広い金庫の中は、あっという間に灼熱地獄と化した。火が火に飲み込まれ、近くの金塊を溶かし始める。カイオーガは自慢のハイドロポンプを、真正面から全力で撃ち放った。



チシュゥゥゥ……

「無駄と言っただろう…」

水流はマグマに触れる前に、水蒸気となって姿を消してしまった。マツブサは全身からドロドロと溶岩を流しながら、嬉々として言う。

「素直に降伏しろ…でなければ炙り殺してやる…」

「・・・・・」


<2011/07/15 22:54 ロンギヌス>消しゴム
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