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Wolves Heart 真実の心 − 旧・小説投稿所A

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Wolves Heart 真実の心

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生暖かい空気が漂い、空気を吸えばすぐ噎せる空間。
気持ち悪い獣臭い臭いが口内には充満していた。
「っおっ・・くっ・・」
舌が蠢き、俺を弄ぶ。
舐められただけで疲弊した俺を労るかのように舌はその本能に従い、俺の味を求めて体を舐めていく。
顔、頭、腕、足、体を余すことなく重舌がねっとりと舐め回す。
幾分か唾液を吸っていた衣服は生暖かく、獣臭い唾液をさらに吸いベトベトに重くなっていた。
「っ・・っぁ・・」
舌が俺をひっくり返す。
粘っこい水音を立て、舌と背中の間に糸を引いてグルリと寝返りさせられた。
その状態から舌は小刻みに動き腹を執拗に舐める。
これまでに彼女の唾液を飲んで吐き気はあった。
彼女の口内で吐くわけにはいかず、根性でそれを呑み込む。
舌は俺を余すことなく包み込んで舐め回す。
自ら喰われることを望んだ餌をたっぷりと舐め回し、味を存分に堪能する。
「フェ・・フェンリル・・」
口内が唐突に傾く。
それに従い下にも傾斜がついてゆき、唾液でまみれ摩擦のない体はすぐに滑り始める。
喉・・食道・・胃袋・・死に続く暗き狭き肉洞へ。
(お前はこうやって・・人間を喰っていたんだな・・)
もう声を上げるのも億劫に感じられる。
抵抗する体力もあまり残されていない。
恐くはない。後悔もない。
(傷ついて・・傷つけられて・・何度も・・何度も・・辛い思いをして・・それでも生きてきたんだな・・)
自然と涙が頬を伝う。この世に未練が有ったわけでもない。
彼女の生きてきた上での思いを悟ったから。
(俺は・・お前に何をしてやれた・・)
両足が喉の筋肉に捕まり急速に引き込まれる。
抵抗はしない。彼女に捕まった以上、死以外に解放されることは叶わない。
(・・これで・・さよならか・・)
小気味のいい音が響いて暗闇に放り出される。
俺は・・フェンリルの喉を下る。


<2011/05/13 23:52 セイル>消しゴム
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