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【保】深い森の奥で − 旧・小説投稿所A
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【保】深い森の奥で

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「がっ!………あ、あ、あ……」
「はあ、はあ……バ、バクフーンの兄貴……なんか、息が苦しい……」

目つきの悪いマグマラシの目の前で……ミロカロスの剛力に
今にも押し潰されそうな圧力を受けて、バクフーンの体が大きく反り返っていく。
目の前で見せつけられる恐怖に胸を締め付けられ、呼吸が不自然に乱れていった。

「うふふ……まずは一番生意気なことを言ってくれたあなたから、
 お仕置きしてあげるわ……私の一部にしてあげるのよ、嬉しいでしょ。
 ……そこのマグマラシちゃんは、ちょっと待っててね。」

あの表情を浮かべたまま……声だけは優しく話、
目つきの悪いマグマラシにお預けとばかりにペロリと一舐めした。

その瞬間に目つきの悪いマグマラシの中で何かがプツリと切れた。

「……あ、あいつ……あいつが悪いんだ!!
 ミロカロス様!! バクフーンは好きにしていいから!!
 俺だけは助けてください、お願いします!!」

生きたい、無事に帰りたい。
その事が目つきの悪いマグマラシに全ての良心を捨てさせた。
親分として慕っていたバクフーンを……犠牲にして恥も外聞もなくミロカロスに許しを請うた。

ピクリとミロカロスの額が動き、バクフーンに向いていた顔を、
ゆっくりと目つきの悪いマグマラシに向けると……

「ふーん……あなたって友達を犠牲にするのね……
 私……大嫌いなのよ! あんたのような奴は!!」

目つきの悪いマグマラシの発した戯れ言が、
かんに障ったミロカロスは、冷たく吐き捨てるように
言い捨てて、全力で締め付けにかかった。


グギュギュ!!……グッギュワァアー!!!


隣のバクフーンと同じように締め付けられて、
目つきの悪いマグマラシの体が大きく反り返っていく……
しかし、ミロカロスはそれだけでは飽き足らないのかズルズルと体を動かし、
目つきの悪いマグマラシにその体を幾重にも巻き付けていく……

「…………が……あ…………」
「気が変わったわ……最初にあなたからお仕置きしてあげる……」


一切の身動きを封じ込められた目つきの悪いマグマラシを、
ミロカロスは唾液の滴る長い舌で手荒く、執拗に嘗め回していく……
その舌のに嘗め回されるたびに臆病者のマグマラシが
体験したことと同じような、何度も電気が走る感覚に全身を麻痺させていく……
『あ……あ……あ』としか言えなくなっていく目つきの悪いマグマラシ。

それを剛力の締め付けから解放されたバクフーンが、
尻尾の先で巻き付かれて、荒く息を吐きながら……
恐怖にとりつかれ何も言えず……その一部始終を見ていた。

「……ふふふ……もうそろそろ食べ頃かな? 
 次には大物が控えていることだし……それじゃあ……
 人でなしのマグマラシちゃん、今から私が美味しく食べてあげるわね。」


ペロリッ! 


……カプッ、ジュルジュルルル!!


最後に目つきの悪いマグマラシを
ペロリと一舐めするとそのまま大きく口を開いて、
目つきの悪いマグマラシの小さな頭を……

いきなり丸ごと頬張った。

臆病者のマグマラシの時とは違い、
長い体を使って食べ急ぐように、
目つきの悪いマグマラシの体を喉に押し込んでいく。

それを恐怖を浮かべた目で見るバクフーン……
その目には、ミロカロスが顎を動かし、
尻尾を動かすたびに…ジュルジュル…と
口の中に引きずり込まれていく、
目つきの悪いマグマラシが映し出されていた。

……段々とそれを見ていた目が……自分の視界が暗くなっていくのを感じて
それを受け入れたバクフーンは、途中で意識を失った。


……そして、


ジュルルル……ゴクリ……


あの時と同じようにミロカロスは、
目つきの悪いマグマラシの全身を口の中に収めてゆっくりと口を閉じた。
唾液の慕っている口をジュルリと再び舌を出して舐めとる。


ズブズブ……ジュル、ジュル……ズリュ!


大きくミロカロスの喉を膨らまして、目つきの悪いマグマラシが落ちていく。
胃袋の中に落ち込むと……あの時よりも、ミロカロスのお腹を一回り大きく膨らませた。


「ぷっはー……さすがに食べ過ぎだったかしら?
 でも、すごく美味しいから止められないのよね……あら……」
 

ぽっこりと膨らんでしまったお腹をみっともなさそうに見ていると
ミロカロスはマグマラシ達の味を思い出してしまった。
ポチャン、ポチャンと音を立てて唾液が泉に落ち、それが波紋をつくりだした。

「いけないわね、みっともないから……少し静めなきゃ。」

ミロカロスは静かに目を閉じると最初の内は時折、
プルプルと震えたりしていたのが、時間が経過するにつれてジッとしたまま動かなくなる。
それに伴い、みっともなく口から溢れていた唾液が少しずつ減っていき、

……止まった。

「はぁー……これでいいわね。さてと……待たせたわね。
 食べるには、ちょっと苦しいかも知れないけど、次はあなたよバクフーンちゃん。」


ミロカロスは尻尾の先に捕まえておいた、
食べ応えのありそうなバクフーンに向かって楽しそうに振り向く。

「あら……もう駄目になっちゃったのかしら?
 ふふふ、まさか嘘ついて騙そうとしているんじゃないでしょうね。」

その時初めて、バクフーンが気絶していることに気が付いたミロカロス。
本当に気絶しているのか確かめるためにペロペロと首筋などを軽く嘗め回してみる。
しかし、まったく反応を示さないバクフーン……

「本当に駄目になったみたいね……
 それなら、起こしてあげた方がいいわね。」

不気味に笑うとミロカロスは、
尻尾を巻き付けたままのバクフーンを持ち上げ勢いよく水の中に叩きつける。


ドッパーーン!!


ミロカロスの背よりも高く水柱が立ちのぼり、
まるで雨が降るかのようにバサーっと水滴が落下する。

「ぐはっ! ……う、ううう。 ここはどこだ?」

ゆっくりと目を開き、目覚めたバクフーン。
意識がハッキリとしないのか自分が今どのような状況に
置かれているのか思い出すのに手間取っていると……

「おはよう……バクフーンちゃん。
 ……お仲間さんはもう私が食べちゃったから、次はあなたの番だよ。」

ミロカロスは目覚めの挨拶にバクフーンの鼻先を軽く舐めた後、
そのまま口を開いていきながら首をのばして、バクフーンの頭に口を近づけていく。

「がぁ! お、お前なんかにおれ様が食われてたまるかー!」

眼前に大きく開かれた唾液が滴り落ちる、ミロカロスの口を目にして、
全てを思い出したバクフーン。
背中の炎が再び大きく燃え上がり、黒い煙幕を作り出した。

「ん、なに! これ!」
「これで……どうだ化け物!!」


いきなりの暗闇に慌ててミロカロスは、煙幕から顔を引き抜く。
その一瞬……ミロカロスがひるんだその時に、


ガブッ!!


ミロカロスに負けず劣らずの大きな口を広げ、
自分に巻き付いている尻尾に噛みつき牙を食い込ませた!
鋭い痛みがミロカロスを襲う。

「くう……痛っ!」

バクフーンの思わぬ抵抗にミロカロスの口から悲鳴が小さくこぼれる。
それと同時に痛みで僅かに尻尾の締め付けが緩んだ。

「グウォアァァァア! 離れやがれ!」

今がチャンスとばかりに雄叫びと共に力を振り絞り、
ミロカロスの尻尾をはねのけたバクフーン。
そのままミロカロスの体によじ登り、
泉の中に落ちないようにミロカロスの長い体の上を走りぬけ……
岸へと飛び移った。

「ああ……私美しい尻尾に……傷が……」
「ふん!いつまでもそうしてやがれ。」

悲しそうに尻尾をジッと見つめているミロカロスを、
せいせいしたかのようにバクフーンはあざ笑い、森の中に逃げ出して行った。

その後ろ姿を横目にミロカロスは再び牙の刺さった後の尻尾の傷を見た。
そのまま目を閉じて集中する。
体が少しずつ光に包まれて、傷口が消えていき……
光が消えた後には傷口は跡形もなく消え去っていた。

「ふ、ふふ……私って優しすぎたみたいね……普通に飲み込むだけなんて……
 あのバクフーンには、もっと恐怖を味あわせてあげなくちゃ。」

不適に笑うミロカロスの表情は今までとは変わらない……
しかし、その心内では……バクフーンへの憎しみで満ちあふれていた。



<2011/06/10 21:35 F>消しゴム
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