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夢のドア − 旧・小説投稿所A

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夢のドア
− Capter 2 −
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そんなある時、彼はまたその夢を見ようとしたが、いつまでたっても黒い世界ばかりだ。

その時、突然彼の意識が薄くなり、目の前が黒くて見えないのに、意識までもが真っ暗になった。






気がつくと、彼は、懐かしい消毒液の匂いが充満していたあの病室の、あのベットに横たわっていた。
ちゃんと肉体がある… 頬をつねってみると、痛みをちゃんと感じる。

生き返ったのか?

そう思った。

この部屋には誰もいない… 前にベットが3つ、隣に自分のも合わせて3つあるのに、
それぞれのベットには何もなかった。気配さえも感じない…

ただただむなしく時間が過ぎ、いかにも闇々しい雰囲気に襲われた。

…怖い…

最初に感じたのは、そういう気持ちだった。

自分の後ろのネームプレートを見てみる。

間違い無く、自分の名前だった。
そして、その横には、『○○市立総合病院』と、赤十字のマークが描かれていた。


スライドドアのガラスの色に吸いつけられるように、そのドアに近づく。

僕は、勇気を振り絞り、病室のスライドドアを不安と期待の気持ちで開けてみた。


目の前にあるのは、ただの空間だった。


その何もない空間に、自分が開けたスライドドアと、他にもドアがあったのだ。

白と黒の風水をかたどったマークのモノクロドアに、月の形のマークが彫られている黄色いドア、
脳裏に焼き付いている、あのアニメのような回廊のように、歪んだ時計が描かれたセルリアンブルー色のドアや、
どこか懐かしい、あの海を連想される絵が描かれた紺色のドアがあった。




<2011/05/31 00:13 ネイム>消しゴム
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