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学校へ行こう! − 旧・小説投稿所A

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学校へ行こう!
− 金欠野郎 −
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「ヤベェww やっぱ昼メシは卵かけご飯に限るな!」

「昨日も同じだった気が…..」

「マスターって貧乏なんだね♪」

「また珍妙なものを….」


リビングのテーブルに載った、七人分の卵とご飯。珍しいこと
に、バビロンも食卓の席に着いていた。箸を巧みに使いこなし、
茶碗にこびり付いたコメ粒を口に運んでいる。


「おいマスター、財布の中身見せてみな」

「ん? えーっと…一円玉が五枚に五円玉が十二枚」

「そりゃあ心強い。両替商にでも転職するか?」

「ほほぅ…チャンピオンになるのに何年かかったと思う?
お前の年齢より長いんだぞ、バビロン君」


お互いに嫌味を吐き合うが、間にレムリアが座っているので
長続きはしない。それ見よがしに、ラティオスが口を開いた。


「でも実際、マスターってお金無いんでしょう?」

「ま、まぁね….ドイツと中国、ユーロ支部からも皮肉られてるし…」

「じゃあ決まりですね、働きましょう」


その発言で、頬杖をついたロンギヌスはズルッとバランスを失った。
ラティオスはまるで、彼がチャンピオンとしての職務を全うしていな
いとでも言いたそうだ。


「あ、あのなぁ….俺が働いてないとでも…」

「そうは言ってませんよ。これ見てください」


ラティオスは一枚の紙をロンギヌスに手渡す。
書面を見た彼の額が、たった三秒でシワだらけになった。


「….ポケモンリーグ附属学校?」

「はい。トレーナーの元を離れ、優秀なポケモンを育成するのが目的
らしいですよ。言わばポケモンの英才教育ですね。施設はここの三階、
時給は…..」

「ちょ、ちょっと待った。そんな話これっぽっちも聞いてないぞ!!?」

「ああ、改装工事が終わるまでマスターには知らせないよう、責任者
さんにお願いしときました」

「なにっ!?」

「だってあなたに漏らせば、絶対ブーブーと文句垂れるじゃないですか」

「お前なぁ….大体こんなスクール教室造ったって…」

「ほら垂れた」



大歓迎、とまではいかなかったが、論争の結果ロンギヌスは首を縦に振った。

ーーーーーそして・・・




「よ〜し、当然、お前らも参加してくれるよな?」

「やったぁ〜♪」

「ちょ…ちょっと待ってくれ。私に先生になれと言うのか?」

「秒給500円なら考えてもいいが….私はパスだ」


なんとノリ気のカイオーガを除いて、全員が却下という惨事。
言い出しっぺのラティオスさえ、教師になるのは抵抗があるら
しい。このままでは学校の先生は、ロンギヌス単品になってし
まう。


「ねぇギラティナ〜、ー緒に先生やろっ? 歴史得意なんでしょ♪」

「いや…で、でもそれとこれとは…」

「イイからイイからw マスター、ギラティナやるってさ!」

「…………まあ…いいか…」&#160;


渋々ながら承諾したギラティナ。後に残ったバビロン、レムリア、
ラティオスは、そう易々とはOKしなさそうだが….



「はぁ…お金無いから….メモリも全部売っ払おうかなぁ……?」

「……えッ?」

「維持費も馬鹿にならないから….誰かさんのラボも解体しようかな….」

「おいおい….本気か…?」


レムリアとバビロンにとっては聞き捨てならない発言だ。ルナメモリ
はレムリアの数少ない戦闘手段であり、ラボはバビロンの住処だ。
二匹は顔を見合わせると、ガクッと首を落とした。


「分かったわよ….」
「迂闊だった….」

「よしよし、素直でよろしい。さてと…?」

「ウッ….さ、先に言わせて貰いますけど….僕に脅迫なんか…」


ロンギヌスに生まれて初めて、ラティオスを脅せる機会がやって来た
ようだ。四面楚歌の中、アウアウと言葉にならない声を発している。


「わ、分かりましたよ…..やれば文句無いでしょう!?」

「うん、全く」

「(マスターもなかなか….脅迫が上手くなってるな…)」


こうして住人を総動員しての、金の卵の育成生活が始まることとなった。


ちなみに時給はーーーーー1200円。





<2011/09/27 20:47 ロンギヌス>消しゴム
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