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表裏一体 光の頂 − 旧・小説投稿所A

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表裏一体 光の頂
− 困惑 −
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父上の言うことは正しい。
神とたかが人間の命は対等ではない。
「嫌か?嫌ならば他者を連れてこい。六人ほどな。」
「そ、それは・・・」
「己の私情の為に他者の命を刈り取る事ができるか?いくら堕神とはいえできんだろう?」
ふと、お祖父様の表情が曇っているのが分かった。
いくら神の掟とはいえ実の息子、血の繋がった息子を殺すことに抵抗を感じているのだろう。
神と人間の命は対等ではない。
これは正論であり。崩すことは容易ではない。
だが、私にとって花梨はたかが人間ではない。
私の半身であり、償いでもある。
それに一度私が彼女を殺している。
ならば・・
「それならば、私の命を献上いたします。どうかそれでその人間を見逃してください・・・」
「楓っ!!」
怒濤の表情を貼り付けた父上がその場から動いた。
牙を剥いて私に体をぶつける。
「お前という馬鹿者はっ!!お祖父様のご厚意を仇にするつもりか!?この阿呆が!!」
父上の鉤爪が頬を裂く。
父上が手を出すのも分かる。
お祖父様よりも自らの血を分けた息子を手に掛けるのに抵抗を感じているのだ。
「お前は頭まで堕ちたのか!?」
「葵・・」
母上が表情を曇らせ、その名を呟く。
全身の毛を逆立てて感情を激昂させている。
私は何も言えず、ただ俯く。


捕食者は椿でいきます
アンケートありがとうございました
<2011/06/09 21:01 セイル>
消しゴム
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