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『お…起きたか？続きを聞くかい？……よし、では話すか。』

飛鳥はその島に流されてから、リオレイアとリオレウスに育てられる事になったのだ。理由は特に無いが、飛鳥が良いなら良いのだろう。二匹とも飛鳥を自分の子供の様に見ているようだし。
次の日、飛鳥は森丘の近くの森を散歩しに出掛けた。森にしては、日の光があっちこっちにさしていたが…
森には、アイルーやケルビ、モスと言った大人しい生き物が住んでいた。
飛鳥は何もかも新鮮で、ついつい触ったり……一番触ったのが、アイルー。
アイルーは触ったりしても怒らず、むしろ彼女に甘えたりする。
飛鳥はアイルーと別れると森の奥へどんどん突き進む。
奥に進むたんびに少しずつ、暗くなっていく。ついに日の光がささない所まで行ってしまう。

「ん〜…ここは…？」

飛鳥は振り替えって丘に戻ろうと走り出すが、なかなか森から出る事が出来なかった。ついに迷ってしまった。
森の奥。静かに流れる小さな川。暗いせいか、飛鳥は少し寒くなりﾌﾞﾙﾌﾞﾙと震え出す。

「さ…寒い…」

すると、後ろから…ｶｻｶｻ…との音が…

ｶｻｶｻ…ｶｻｶｻ

「な…何？」

飛鳥はゆっくりと後ろを振り向く。

ｶｻｶｻ…ﾊﾞｯ！

後ろにいたのは、ナルガクルガだった。そして、飛鳥に向かって飛び付く。
飛鳥はナルガクルガに押し倒される。

「キャ！」

『ｸﾞﾙﾙﾙ…』

しかし、飛鳥は苦にならなかった。ナルガクルガのお腹の毛がとても柔らかく、暖かったからだ。寒かった体が少しずつ暖かくなっていく。彼も飛鳥の事を襲うつもりはなかったようだ。

『ｸﾞﾙﾙﾙ？』

彼は、『暖かい？』と聞いてる。しかし、彼はモンスターの言葉を理解出来るかちょっと心配していた。

「…暖かいよ…ナルガクルガ…」

伝わったようだ。彼はちょっと嬉しくなる。どんな生き物だって自分が伝えたい事をわかってくれると嬉しいですよね。しばらくすると、飛鳥は眠ってしまう。その原因は、彼の暖かな体温と肌触りが良い毛。眠気を誘う道具と言っても良いかな〜…
ナルガクルガはこの時、ちょっと困った。何故ならもうすぐ日没。
彼女を丘に送らないと…
すると、ナルガクルガは飛鳥を背中に乗せると落とさない程度の速さで丘に向かう。






「ん……あれ？ナルガクルガ？」
彼女が気付いた頃には、もう彼の姿が見えなかった。飛鳥は丘の草原で一人立っていた。日はほとんど沈みかけてた。飛鳥は急いでリオレウス達の巣へ走って帰る。
巣の入り口の前に立ち、森の方を向き…

「また！会おうね！ナルガクルガ！」
と叫び、手を振る。彼にまた会える事を祈りながら…

『ふ〜…今日はここま……ｱﾗﾗ寝ちゃって…』

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