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1人と8体(仮称) − 旧・小説投稿所A

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1人と8体(仮称)
− 戦い −
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「せいやぁっ!」

依頼主に会い、問題の場所へとおもむいたライトに襲いかかる相手。
その相手を、背中に背負っていた剣で切りつける。真っ二つにされた途端、相手は消えてしまった・・・

今回の依頼は、依頼主の住む町の近くで巣くっている「アンチ・スプリット」を追い払う事。
今彼は、アンチ・スプリット「イロウン」の集団に飛び込み、内側から戦っていたのだ。
因みに「アンチ・スプリット」とは、人に害をもたらす精霊の事。いわば、"害虫"である。
そして「イロウン」は、初心者ハンターでも楽に倒せる、いわば"クリボー"や"ジャギィ"みたいなものだ。

「らあっ!せいっ!・・・今回はザコばかりで強そうなのは居ないみたいだね、ウィド。」

『そうですね・・・でも油断しない方がよろしいかと。
 こういった場合、大抵背後でボスとなりうるアンチ・スプリットが居るものです。
 その確率は82%です。油断しないで下さい。』

ライトは一人で戦っていた。にも関わらず、まるで誰かが居るかのように話しかけるライト。
当然、答える相手は居ない。
・・・だが、彼には聞こえていた。自分の心に響く付き精霊【ウィド】の声が。
【ウィド】は、"知の書"を司る精霊。基本的に彼女は戦い中は姿を表さず、
ライトの心に直接呼びかけてアドバイスをし、彼を助けている。

「よっ・・・あ、あれ?」

突然、彼の目の前を漂い、次々と襲いかかっていたイロウン達が離れていった。
それに呆気をとられた次の瞬間、彼の背後から飛び出す影。

『マスター、後ろから来ています。』

「えっ!?」

彼が気づいた時は既に遅く、その鋭い牙が迫る・・・

『またこれだ!少しは気を付けろぃ!!』

・・・だが、それが彼の体に触れる事は無かった。
触れる直前、彼の前に立ちはだかった白い影。それが剣を振り、ライトに牙を向けていたアンチ・スプリット「リネラ」の体を切り裂いた。

「あ・・・ごめん、また助けられちゃったね・・・オクト。」

"大剣"を司る付き精霊【オクト】。
彼は体を白い布で覆い、まるで円錐形の"てるてるボウズ"の様な容姿をした精霊だ。
その体長は2.5m・・・この体の大きさと、体の下から出た8本の腕に持った剣を振る事で、
今回のような背後や隙をついた攻撃からライトを守っている。

『まぁいいさ、マスターはまだまだガキなんだからなw』

「ガキって言うなぁ!!もう一人前だよぉ!」

自分をからかった【オクト】にすかさず言い返すライト。
そんな彼らの上、空の彼方からも迫る沢山の影。

『マスター、上からもアンチ・スプリットの気配があります。』

「・・・げぇぇ、何で今日はこんなに来るの!?」

『おっと、私の出番かな?』

上空から光を発し、攻撃を仕掛けようとするアンチ・スプリット「ロッド」。
攻撃しようにも、高い場所を飛んでいるだけに【オクト】も攻撃出来ない。
そんな彼らの前に現れた、"鬼銃"を司る付き精霊【ガリアス】。
狼獣人の姿を持った彼女は背中に背負った銃を1丁取りだし。上空へと向ける。

『マスター、目を閉じて下さいね?じゃないとしばらく目が潰れますよ?』

そう言い、引き金を引いた次の瞬間、銃口から飛び出した紫の一閃。
それは一瞬で上空に居たロッド達に当たり、あっというまに全滅させてしまった。

『っ!・・・相変わらずド派手だなぁガリアス。』

『いんやこんなのまだまだよ、もっと凄いのだってあるんだからね?』

『更にあるのか・・・』

『マスター、先程のイロウン達がまた接近しています。』

「おっと・・・って二人とも!話は後にして!!」

『あぁ、すまねぇ!』

『おぉ、ザコが沢山・・・地上の相手だから、私はしばらく休んでるわね♪』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふぅ、やっと終わった!」

アンチ・スプリット達のボスだった大型のイロウンを倒し、ライトは安堵のため息をついた。
周りに群れていたイロウンやリネラ達は、ボスが倒された事で散っていき、逃げて行った。
群れのボスが居ない以上、しばらく戻っては来ないだろう。

『マスター、お疲れ様です。』

そう言って、ライトが胸ポケットにしまっている「知の書」から【ウィド】が飛び出した。
精霊としては珍しい人間の姿をした彼女は地面から少し浮きながら、ライトの前に立った。

『まぁ、今回もまた俺が助けてやったがなw』

頭にあたる箇所に空いた隙間から、瞳孔が横に広がった特徴的な目でライトを見て、【オクト】が言う。

「ああ、そうだね・・・もっと早く気がつけば・・・」

『そうですね。今後の課題としては、いち早く背後の気配を察知する事が重要だと推測します。』

『それが出来たら"鬼銃"の使い方も教えてあげるからね、マスター♪』

先程撃った"鬼銃"を点検しながら、【ガリアス】がライトに微笑みかけて言った。
"鬼銃"は、通常の銃とは違い、圧縮されたエネルギーを打ち出す。
そのエネルギーで視界が遮られ隙が出来てしまう為、
周りからの気配を察知し避けられなければ使えない。

『そういえば、最近私達はマスターの役にたってないわね・・・』

『仕方ないよ。今回はザコばっかりだったから、僕らが出なくても大丈夫だったんだ。』

横で、今回の戦いに出れなかった事を嘆く影と、それを慰める影。
彼らは"盾"を司る双子の付き精霊【レーガ】と【ラーガ】。
片方が大きく、もう片方は小さい左右非対称の翼を持った竜の子の姿をしていて、
【レーガ】は雌で左の翼が大きく、"左"用の盾の精霊。
【ラーガ】は雄で右の翼が大きく、"右"用の盾の精霊。
本来ならば周りからの不意を突いた攻撃等は彼らが受け止めるはずなのだが、
会話からも分かるように彼らはライトとほぼ同い年。
その為素早い攻撃に対処出来ず、【オクト】が変わりにライトを守っている。

『それにほら、強い相手と戦う時とか、僕たち役に立つじゃないか。』

『そう・・・よね、そうだよね!ね、マスター♪』

「もちろん。それにさ、それだけ僕の腕が上がってるって事だよ!」

『アア・・・羨ましいものですヨ。私なんてほぼ役にたちませんからネ。』

2人の楽しげな様子を見、そうぼやいた精霊・・・"拘束機"を司る付き精霊、【バイド】。
体の半分が機械である彼がする役割は、逃げようとする敵にワイヤーを発射して拘束すること。
しかしそんな状況はあまり無いせいか、今までの戦いでも3割程しか活躍していない。

『まあまあ良いじゃないっすかそんな話w
 それよりもマスター、早く帰って依頼報告をしないといけないんじゃない?』

体長3mの大きな白い竜の姿をした"空泳機"を司る付き精霊【ガフ】。
全員の中で移動速度が最も速い精霊であるが故にせっかちで、ライトにそう言って、早く帰ろうとしていた。

『ガフの言う通りだ。報告するまで依頼は終わっていないぞ。
 それに・・・帰ったらお楽しみがあるしな・・・ククク』

【ガフ】と対称的に、黒い竜の姿をした"複製機"を司る付き精霊【ファンネル】。
あらゆる物体をコピーし、複製を作り出して"おとり"や"エサ"を用意する力を持った彼は、
今回こそ出なかったものの、戦いのほぼ9割で活躍している。
ただ・・・複製元となる物体をコピーするために、彼はあらゆる物を"喰らう"。

『お楽しみ?・・・おいちょっと待て。今日は俺が活躍したんだから、マスターを食うのは俺だ。』

【ファンネル】の一言に、すかさず【オクト】がそう言い返す。
【ファンネル】の影響を受け、【オクト】も人喰い精霊となっていた。
もっとも・・・周りの人間を突然襲って食う事は無いが。

『そうだよファンネル、今日はオクトと私が戦ったんだから、当然よ。』

『おいおい・・・我がいつもマスターを喰らっているのは知ってるだろ?
 マスターが死んだときにすぐに蘇生するためにも、定期的に食う必要があるんだ。』

2人の意見に、【ファンネル】はそう言った。
彼の能力"複製"は、記憶や肉体をあらかじめコピーし記憶しておくことで、擬似的な"蘇生"も可能となっている。

『1日ぐらいなら問題無いと思います。
 それに、私が定期的にマスターの記憶を記録していますので大丈夫です。』

【ウィド】が扱う"知恵"は情報のみならず、生き物の肉体の構造や記憶も含まれる。
当然、守るべきマスターたるライトの肉体や記憶も記録している。

「一旦ストップ!!ガフが言ったように依頼報告をするから、話し合いは家でしようよ!」

『そうですね。我々の話し合いは家でも可能です。家に戻る事を提案します。』

『・・・まあ、そうだな。取り合えず今日のマスターは俺が食うから。』

『仕方ない・・・今回は譲ってやる』

「じゃ、みんな一旦戻って。」

ライトのその一言で、精霊達はそれぞれが司る物・・・
 知の書、大剣、鬼銃、右盾、左盾、拘束機、空泳機、複製機
へと戻っていった。

「ふぅ・・・いつもみんな賑やかだねw さて報告報告・・・」

そう呟きながら、ライトは依頼主の住む町へと戻っていった。


いきなり長いです。そしてvore入りませんでした(´;ω;`)
一気にキャラや名称が増えたので、重要そうなのを整理しておきます。

〜人間〜   
ライト・マクレイ  
主人公。14才でありながら、No2のソロ・ハンター(単独のハンター)。
1年前より昔の記憶が存在せず、生まれも本名も不明。
精霊達とはその時から一緒だった。
一応被食フェチ。

〜精霊〜   
ウィド  
"知の書"(ちのしょ)と言う本に宿る精霊。
大量の知識を持っており、自身のマスターであるライトに
的確なアドバイスをすることで助けている。
姿は、地面から常に20cmほど浮かんだ魔道師のような女性。身長1.7m。
多すぎる知識や知恵のせいか感情に乏しく、
具体的な数値を提示したり論理的な思考をする。
何げに全ての戦いでライトを助けている凄いヤツ。

オクト  
"大剣"に宿る精霊。
8本の腕を駆使した大剣の攻撃によりライトを助けている。
普段は白い布を被っているため分かりにくいが、
本体は地面から50cm程浮かんだタコの姿をしている。体長2.5m。
すこし荒っぽい、それでいて男らしい性格。
捕食フェチ。

ガリアス  
"鬼銃"(きじゅう)に宿る精霊。
背中に背負った何種かの"鬼銃"と呼ばれるエネルギー・ガンを駆使し、
直接近寄れない程の高さ・距離の攻撃でライトを助けている。
姿は黄色い体毛を持った狼獣人。精霊には珍しく、
地面にしっかり足がついている。身長1.8m。
みんなのお姉さん的な存在で、結構優しい。オクトとは同い年。
被食フェチ。

レーガ・ラーガ  
"左盾"(さたて)と"右盾"(うたて)に宿る双子の精霊。
大型化した翼を用いて、周りの攻撃からライトを守る事で助けている。
姿はそれぞれ桃色と緑色の子竜で、それぞれ大きい翼と小さい翼を持っており、
自分の宿る盾の向きの翼が大きい。
レーガは雌で、少し泣き虫で素直。体長1.8m。
ラーガは雄で、しっかり者。体長1.9m。
2人とも捕食フェチであり被食フェチ。

バイド  
"拘束機"に宿る精霊。
2本以上の腕から発射したワイヤーリボンで敵を拘束し、
逃走を防ぐ事でライトを助けている。
姿は、円筒状の体から2本の腕が出た、まさにロボット。身長1.5m。
ちなみに腕は6本まである。
大して活躍しないせいか、少し鬱気味。

ガフ  
"空泳機"(くうえいき)に宿る精霊。
ライトや他の精霊達を抱き、翼から放出したエネルギーで
空を飛ぶ事で助けている。
白い竜の姿で、特徴的な紋様のある翼が特徴的。体長3m。
8体の中では最も速く移動出来る。そのせいか、
せっかちな性格をしている。
捕食フェチ。

ファンネル  
"複製機"に宿る精霊。
ライトや他の精霊達の能力を持った補助体「トラスター」を作り出したり、
道具や食料、果てはライト自身の複製をすることで助けている。
ガフとは対称的な、黒い竜の姿。ただし翼は無く、
背中には複製した物を外に出す"口"が鱗の境目に沿って存在する。
結構ニヒルで恐い性格。まさに捕食者。
複製対象を食い複製するために、元からの捕食フェチ。
そして彼のお陰で他の精霊も人食いに変わった。

〜敵〜    
アンチ・スプリット   
精霊の中で、人間の生活に干渉し、害をもたらす精霊をさす言葉。  
害にもいろいろあり、遊んで欲しいがためにやるちょっとしたイタズラから、  
池の水を枯らして村を死においやるものまで様々。  

イロウン  
アンチ・スプリットの一種。
初心者ハンターでも倒せる程弱く、言わば「ザコ」。
某ゲームで例えるなら、「クリボー」や「ジャギィ」。
小さなオバケのような姿で、まるでてるてるぼうず。
1体だけなら素人でも問題なく倒せるが、集団になるとかなり厄介。
実際、死亡例も存在する。

リネラ  
アンチ・スプリットの一種。
俊敏性が高く、1体だけでも厄介な存在。
植物に近い体を持ち、頭部にあたる
牙の生えた口を開いて襲いかかってくる。
例えるなら、足のついた「パックンフラワー」や「デクババ」。

ロッド  
アンチ・スプリットの一種。
上空を集団で浮遊し、地表に光の収束による爆破攻撃を行う。
敵と認識されない限りは無害。ただし一旦認識されると、
相手を見失うか倒すまで攻撃し続ける。
位置的に、打ち上げ式爆薬や鬼銃を使ったり、空を飛ばないと倒せない。
<2012/12/07 01:30 想西>
消しゴム
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