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君と見た空 − 旧・小説投稿所A

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君と見た空

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「…くそぉ…!!」

巨大な岩を片手で持ち上げ、カイオーガは海に怒りをぶつけた。
凄まじい水しぶきと共に、数匹のコイキングが打ち上げられる。

「はぁ…はぁ……はぁ…」

思い悩んでいる今も、ギラティナは神隊の
玩具にされている。
カイオーガはそう考えると、彼らに対する
憎しみが津波のように湧き上がる思いだった。



「(…ルギア……君ならどうするの…?)」

先にこの島を去っていった友人に、届かな
い悩みを打ち明ける。その返事は引いていく波に乗せられ、返っては来なかった。


「いったいどうしたら……」

ドガガガァァァァァン!!!!


突然、島を揺るがすような爆音が響き渡
る。オイルの焦げたような臭いに、カイ
オーガはむっと顔をしかめた。


「くさぁい…!! な、なんだあれ…?」

振り返ると島の反対側から、黒い煙がモクモク
と立ち上っている。カイオーガはすぐさま
海へ飛び込むと、マリンバイク並の速さで泳いでいった。






「いったった〜…燃料こんなとこで尽きるなんてシャレになんないだろ……絵に描いたような無人島じゃないか…」

若い男が、岩山に激突して動かない船から出てきた。
参ったようにボロ船を眺め回し、疲れたため息を放つ。

そんな久しぶりに見る人間の姿に、カイ
オーガは目を丸くしていた。
水面からひよっこり顔を出し、男の挙動を探る。


「ジョウトから船で世界一周はやっぱり無謀だったか…? まあ今更やるしかないけど。」

「(怪しいなぁ……よぉし…♪)」

男カイオーガはとうとう、男に襲いかかる事を決心する。水音を一切立てずに背後へ迫り、男の肩に抱きかかった。

「うわっ…な、なんだお前…!!」

「それはこっちのセリフかな? ちょっと話聞かせてもらうからね♪」

覆うように男にのしかかり、馬乗りになって尋問するカイオーガ。重みに耐えられず、男は無理やり仰向けに押し倒された。



「…この島に何か用事?」

「し、仕方ないだろうが…!! 船が…」

全く好めない態度にカチンときたのか、カイオーガはヒレを大きく振り上げる。鉄鋼を曲げる程のヘピーパンチを喰らえば、男の頭蓋骨は吹き飛んでしまうだろう…

「死んじゃえ♪」

「ひ、ひいぃっ…!!」

カイオーガはニヤッと殺人者の笑みを浮かべた。手加減なしに、ヒレは空を切って振り下ろされる。





…ピタッ

「どかーん♪」

「ゆ、許してく……え?」

効果音つきで、その攻撃は男に触れる寸前で止まった。カイオーガはさっきとは違う意味合いの笑いをこぼし、ひょいと男の上から飛び降りた。


「冗談だよも〜…そんなに怖かった?」

「あ、当たり前だ…死ぬかと思ったんだぞ…!?」

「まぁ…殺す気でやったんだもんね♪」

幼稚な悪戯に引っかかったと分かると、男は逆上してしまった。しかしそれもカイオーガには計算通りだったようで、クスクスと成功の笑いを絶やさなかった。


<2011/05/15 16:04 ロンギヌス>消しゴム
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