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君と見た空 − 旧・小説投稿所A
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君と見た空

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時は正午…
常夏であるこの島に、燃えるような太陽がギラギラと降り注いでいた。カイオーガの水技を弱め、熱に弱いルカリオ達を苦しめるこの環境は、闘いを長時間に渡って長引かせた。


「……ぅ…う…」

鉛のように重い瞼をこじ開け、ギラティナは争い続けるカイオーガを見る。しかし気絶していた時には感じなかった翼の痛みに襲われ、再び地面に顔をつけて倒れた。

アルセウスはその様子を横目で眺めながら、冷たい言葉を投げかける。

「目覚めたのか……無様だな。」

「いい加減にしろ…!! いつまでこんな事…」

ギラティナは動けない悔しさに歯を食いしばり、突き刺された杭を抜こうと躍起になっていた。

「もちろん彼…カイオーガが我に忠誠を誓えば解放してやろう。まあするとは思えますないが…」

「フン…当たり前だろう。貴様についていく奴らの気が知れないね…!!」

「好きに言え…いずれにせよお前が死刑なことに変わりは無い。」



一方大乱闘を繰り広げるカイオーガ達は、まさに一寸先には死が見えるといった状況だった。セレビィはウィザードメモリに意識を集中させ、大技を放つ用意を構える。

…「WIZARD__マキシマムドライブ(MAXIMUM DRIVE)!!」

「消え…なさい…!!」

七色の光線が四方八方からカイオーガに狙い撃たれ、自然魔法7つ分の威力で大爆発を起こした。セレビィは自信たっぷりに引き下がり、爆煙からカイオーガの死体が見えるのを待つ。


ニュルッ…ギュギュゥ…!!

「えっ、あ…きゃ…!!」

踊るように舞う土埃から現れたのは、ピンクに濡れた蛇のような舌だった。セレビィを巻き寿司のようにあっさり捕らえると、主人のカイオーガの口へ戻っていく。

「油断するなんてだめだよ…もっと緊張するのが闘いってもんでしょ?」

「は、はな…離し…て…」

ルカリオが爆発の衝撃に怯んでいる間を使い、カイオーガは軽い昼食を取った。セレビィを舌先と遊ばせながら、さりげなく喉の奥へと引き込んでいく。


ハァ…バクン!

「ん…んんっ…!!」

「はいごちそうさま♪」

一瞬の抵抗もさせずに呑み込み、カイオーガの白腹はぷくんと膨れ上がった。ゴクッという不自然な音を耳にしたルカリオは、慌ててカイオーガの方を向き直る。

「お前…よくも…」

「だってお昼ご飯まだなんだよ〜…? 耐えれる訳ないじゃんか…」

「ふ、ふざけるな!!」

ルカリオはまた狂った狼のように雄叫びを響かせ、一心不乱に飛びかかっていく。理性など失わせるメモリの力で、彼の戦闘力は10倍近くまで跳ね上がっていた。

ガチャン…「FANG__マキシマムドライブ(MAXIMUM DRIVE)!!」

「勝負だ…!」

野獣みたく口をワナワナと震わせ、怒りに身を任せて拳を構えるルカリオ。「牙」のような白い色に輝くその腕は、まさに魔人の左手だった。


<2011/05/15 16:09 ロンギヌス>消しゴム
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