Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!

暗翳の空 解き放たれし竜 − 旧・小説投稿所A

RSS | 感想 | TOP
暗翳の空 解き放たれし竜

|<< < 2 / 11 >>|

夜の帳が降り、辺りが闇色に染まる 唯一の明かりは空で輝く幾つも星と三日月だけ

そんな空の下を一台の馬車が走る
西部劇やファンタジー映画によく出るものだ
木製のタイヤとボディに、白い布がテントのよ うに丸く張られている

その周りには何人か人間がいた
剣を腰に携え、布に銀板を張り付けた様な私服に近い鎧に身を包んだ者達
見ての通り、彼等は兵士である

そして馬車の持ち主は商人
王の命令で彼等はこの商人の護衛を勤めているのだ

ベーシンロー王国と隣町までの距離は遠い
近道はあるのだが、危険な道と言われているので殆んどの人間は遠回りをする
彼等も今その状況だ

だが遠回りでも危険はある
商人の馬車と言えば、中身に様々な物品が詰め
込まれている
それを山賊が狙うのだ

その為、兵士が護衛についているというわけだ

「もう少しです」

一人の兵がそう告げる
山々に囲まれたベーシンロー王国
それを教える山々が見えてきたのである

あと少しで到着…… その時だった

「!?」

左右が山に囲まれた時に、彼等の背後から爆発音がした
山賊だ

爆弾は相手を怯ませる程度で作られたようで、 大きなものではなかった
だが爆発音に驚き、馬車を引いていた馬が高く鳴き声をあげる

「山賊だ!かかれ!!」

左右から襲ってきた山賊に立ち向かう兵士達
あちこちから、キンッと剣がぶつかり合う音が聞こえてくる

「こっちががら空きだぜ?」

「しまった…!!」

戦いに夢中になる中、一人の山賊が隙を見つけて馬車へと潜り込む
それに気づいた兵士が急いで走り出した

乱暴だが白い布を切り裂き、無理矢理中へ入り、そこでも山賊と戦う
商人も有り合わせの武器で近づいてくる山賊を追い払っていた

「イスト隊長!数が多すぎます!」

イストと呼ばれた男は目の前の山賊を蹴飛ばし、他の兵士の援護をする
三十路を迎えている彼だが、剣の腕は国で一番と言える程高い
王からも厚い信頼を寄せられており、何処からどう見てもエリートと呼べる存在だ

「馬車に乗れ!!」

目の前の山賊を斬ると、命令を下す そして倒れた山賊の懐を漁った

そうしている間に兵士は馬車に乗り込む
その後を山賊が追うがイストがそれを妨害する
懐を漁って出てきた小さな爆弾 先程山賊が使っていたものだ
それを複数周りに投げた後に自分も馬車へ乗る

「出してくれ!!」

商品のせいで少しキツい体勢になりながら、商人にも指示を出す
バチンッと鞭の音が響き渡ると馬が走り始めた

「最後に…!!」

馬車にスピードがつき始めた時
イストは持っていた最後の爆弾を山賊に向かっ て投げ出した
爆発音が響き、黒い煙が天へと昇る様子を見ながら彼等は無事にベーシンロー王国へと到着した

少し商品が欠陥、落としてしまったが商売に支障は出なかった
山賊との戦いを考えると、これだけで済んで良かったと思えるものだ
その事で国王は彼等を褒め称えた

特に最後に冷静な判断を下したイストを

「光栄です」

国王に誉められるのは実に名誉な事だ
普通の兵士なら喜ぶ。だが彼は違った

「何でお前はあそこにいなかったんだ!?
 お前のせいで山賊に金目の物盗まれたんだ ぞ!!」

場所は変わって酒場
薄暗い場所で、各テーブルに置かれた蝋燭やランタンがぼんやりとそこを照らしていた
色とりどりの酒瓶や隅っこに積まれた樽、木製の床や煙草の煙が酒場独特の雰囲気を醸し出している

そんな場所にイストと怒鳴り声が響く
その後にドスッと誰かが倒れる音がした

「お前のせいで、次はあのクオールと……」

「お、落ち着いて下さい!」

目の前にあった樽を蹴飛ばし、抑えきれない怒りをぶちまける
他の兵士が何度も抑えようとするが、皆彼に殴られる始末だ

国王の前では礼儀正しいエリート兵士だが、本当は全く違う 部下に平気で暴力を振るう
それがイストという人間だ

そんな彼はクオールという人間を嫌っていた
もちろん彼もまた暴力の被害者だ
イストより若く、仕事が出来る事…もはや存在 自体を憎んでいた
俗に言う嫉妬というやつである

「あーぁ…かったるい…」

殴られて床で踞る人間を尻目にイストは酒を口に含む
怒りを忘れようと、煙草も吸う

酒と煙草の匂い
それらはイストの一時の怒りと共に闇へと消えた



第3者視点ムズいww
でも頑張りますよ♪

付け足し
メモ帳で書いた為、見にくい文章になってました
すみませんm(__)m
<2012/10/08 19:02 長引×どんぐり>
消しゴム
|<< < 2 / 11 >>|

TOP | 感想 | RSS
まろやか投稿小説すまーと Ver1.00b