Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!

信じてた − 旧・小説投稿所A

RSS | 感想 | TOP
信じてた

|<< < 9 / 11 >>|

グキッ…ドタッ…!!

「うぅ…つよい…んだ…」

ロンギヌスの消化が間もなく始まろうとしているのに、カイオーガは仰向けに床に倒れた。レムリアは容赦なくそれに馬乗りになり、ギラッと牙を見せつけた…

「あらこんなもの? もっと手応えあるとは思ったんだけど…」

不敵な笑みをこぼすレムリアに、カイオーガは何も言い返す事が出来なかった。70年以上の人生で数える程しかなかった敗北に、自信が崩壊しかけていた。

「ボクも…まだまだなんだ…ね…」


上には上がいる…
痛感させられたカイオーガの目に、キラキラした涙が浮かぶ。しかしレムリアは顔色一つ変えず、裏切り者を冷酷にも床へと押さえ付けた。


「さあ言った通り…マスターをあなたのお腹から出してあげなくちゃ…」

「えっ…」

カイオーガのぷっくりした腹部に、鋭い爪が優しく置かれる。何をされるかという恐怖に、彼は声にならない悲鳴を上げる。

「や、やめて…よ…」

「ふふ…♪ あなたの口に手を入れて引きずり出すのがいい? それとも…」

爪が深くお腹に食い込み、比例してカイオーガの悲鳴が大きくなる。レムリアの血も涙も無い行為に、それを見ていたラティオスは閉口した。

「おなかをサクッと裂いて…マスター取り出しましょうか…♪」

「い…いやぁ…」

心を蹂躙され、ねぶられるまま泣き声を上げるカイオーガ。しかしレムリアの爪が引き裂こうと上がった瞬間、ロンギヌスの大声が轟いた。



「…やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」

「きゃっ…」

突然の罵声に怯み、レムリアはヒッと退く。カイオーガはその隙をついて反撃…はしなかったが、自分の膨らんだお腹を見つめながらしゃくり上げていた。


「ま、まだ……生きて…?」

「当たり前だろ…!! 俺は90超えるまで死ぬ気は無いっ!」

胃袋の中だというのに妙に元気な声が、くぐもりながらも聞こえてくる。レムリアもクスッと薄ら笑い、今度は優しくその膨らみを撫でた。

「ちょっとした冗談よ…♪ 私がそんなグロテスクな事…すると思う?」

「お…思わない……」

戦いに敗れ、腹を裂かれる恐怖を味わったためか、カイオーガは幽霊を見た子供のように大人しかった。
泣き晴らしたその顔から、レムリアはそっと涙を払った。


「とりあえずマスター出してくれない…? 少し話し合いましょう?」

「う…うん…」

まるで母親に躾られた子供のように、カイオーガは素直にロンギヌスを吐き戻した。
ロンギヌスは新鮮な空気をふんだんに吸い込み、唾液を落とそうと躍起になっていた。



「教えて…? 何で今まで私たちを…」

ロンギヌスが一番聞き出したかったことを、レムリアが先陣きって問いかけてくれた。


<2011/05/15 16:00 ロンギヌス>消しゴム
|<< < 9 / 11 >>|

TOP | 感想 | RSS
まろやか投稿小説すまーと Ver1.00b