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信じてた − 旧・小説投稿所A

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信じてた

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「…脅迫?」

「だ、だって・・言う通りしないとマスターを・・」






「・・殺すって・・」

カイオーガは泣き止んだものの、時々しゃっくりを繰り返していた。しかしロンギヌスはここで、唐突な疑問を思い浮かべる。

「え…でもお前が勝てないなんて・・あのゾロアークそんなに強いのか?」

「あいつの髪の中調べてみて。 多分持ってるはずよ・・」

レムリアに言われた通り、ロンギヌスは気絶したゾロアークの髪をまさぐった。ふと硬いものに指が触れ、さっと手を引き抜く。



…『LIGHTNING(稲妻)!!』
…『FOREST(森林)!!』

黄色と緑のメモリを持ったまま、ロンギヌスはポカンと口を開けた。どうやらゾロアークはカイオーガの苦手とするメモリを使い、強制的に従わせていたようだ。


「そりゃお前でも勝てないよな・・水タイプだし」

「この子もメモリ中毒者だった・・てこと?」

レムリアはゾロアークの脇下に腕を入れ、ぶらぶらとマリオネットのように立たせた。未だ目を覚ます気配はないようで、全員がその処置について頭を悩ませた・・



「とりあえず医務室に寝かせておきましょうか?」

「ラティオス…」

いつものカイオーガなら有無を言わせず餌にしていただろうが、生憎今日はそういう気分にはなれないらしい。
レムリアからゾロアークを預けられると、ラティオスは静かに部屋を出て行った。




「そ、それでさ…あの…」

話題が失せて静まり返ったとき、カイオーガが俯きながら呟くように言った。レムリアは空気を読んだのだろうか、さりげない足取りでラティオスに続いた。


「ボクは……まだ…」

いつもとはガラッと異なった口調だが、ロンギヌスは何も言わなかった。膝を折り、目線を合わせる。


「仲間・・でいいの?」

「俺が90過ぎて死ぬまでな」

カイオーガの顔にもようやく笑顔が戻り、二人は部屋を後にした。


<2011/05/15 16:00 ロンギヌス>消しゴム
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