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信じてた − 旧・小説投稿所A

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信じてた

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双方メモリを握りしめ、睨みを利かせて距離をとる。
カイオーガの少し膨らんだ腹を見つめ、レムリアは厳し
い口調で言った。

「もし本当にここが嫌ならそれでいいわ…今すぐ出て行ったらどう?」

「やーだねっ♪ それじゃつまんないじゃん」

表では笑みを絶やさないカイオーガだが、内心は未だ
知らないレムリアの戦闘力を警戒していた。百戦錬磨
の彼でさえ、レムリアの戦っている姿はほとんど見たことがない。

二人はもう語る言葉も失せてしまったようで、お互いに飛び掛かっていった。



一方ロンギヌスは・・





ニィチュ…チャッ…ぐぷぉ…

「くそ・・あいつよくも・・」

自分を呑み込ませたレムリアに怒りの火を灯しなが
ら、撫で回そうと迫り来る肉壁と格闘していた。
いつもならば消化される心配はほとんど無いが、この
状況ではそれも十分にあり得る。ロンギヌスは焦っていた。


「畜生…どうやって出ればいい・・」

上を見上げ、胃袋の天井とも言える小さな穴を見つめる。
獲物が来てそう時間が経ってないためか、蟻のはい出る隙間も
残されていなかった。流石に逆流して出ようとするのは、無理
があるようだ。


「といってもトマートみたいな能力がある訳でもないし・・わざと消化されるのも困るしな」

ふと他国の友人を思い浮かべたものの、今は回想を
している時ではない。ロンギヌスはグニッとした胃壁に手を
置き、せいぜいIQ90の脳をフル稼働させて考えた。



「消化されるまで多くて15分か。 少なくて・・」

自分がトロトロに液化されるという恐怖ムービーが
脳内に再生され、ロンギヌスはぶんぶんと首を振った。

「いやいや…絶望するような事は考えないっと・・」








「とりあえずベターな戦法いってみるか・・オラァッ!!」

メモリも無いまま素の力で、ロンギヌスは胃壁に殴りかか
る。拳はグヨッと小気味よく壁の中に沈み、軟らかすぎるゴム
のように弾き返されてしまった。ついでに身体ごと反動で跳ね
返され、反対側の胃壁に当たって倒れる。

「柔らかすぎだろ…いくらなんでも」

いつも悪戯で蹂躙されまくっていた肉の壁に、ロンギヌスは
あらん限りの悪態をついた。当然返事はなかったが、刺激され
たためか空間が揺れ動き始める。


「ちょっ・・タンマ・・!!」

グロォ…ぐにゅぅ…!! ムグッ…

暴言の続きを言わせてもらえないまま、胃
壁と顔面キスを余儀なくされる。唾液の何と
も言えない臭いを強制的に押し付けられながら、
体中が少しずつ肉に埋まりかけていく・・


「フグァ…!! い、いつもなら・・気持ちいいんだ・・けどな・・」

いつも通りの愛撫尽くしだというのに、ロンギ
ヌスは今回は恐怖感しか感じられなかった。
仲間に殺される恐怖・・消化の痛みを恐れる気持ちが、彼の心を支配する。





〜10分後〜


ぬちょっ…ぬちょっ…‥グゥ…ピトッ…

「こ、ここで…自分の家で…仲間の胃で‥…死ぬのかよ・・」

別に思い出などが走馬灯のように見える事も無かった。むしろ
恐怖と胃壁につぶされそうになっているにも関わらず、睡魔が
ロンギヌスの頭を惑わしだす。



「眠んなよ俺・・今寝た・・ら・・」


<2011/05/15 16:00 ロンギヌス>消しゴム
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