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信じてた − 旧・小説投稿所A
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信じてた

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「いつもみたいに食べてあげるからさぁ〜…白旗あーげて♪」

叩き起こされて20分後…
余裕の笑いを絶やさないカイオーガとは対照的に、
ロンギヌスは剣を床について息切れしていた。ずっと見てきたはずの圧倒的な力に、何とかついていけるレベルだ。


「…っ…ど、どうして…」

「教えてあげるからさ……ねっ?」

「…断るっ!!」

カイオーガが消えるように動くのと、彼が加速カードを掴むのと同時だった。

カシッ…「アタックライド__クロックアップ(CLOCK UP)!!」

周りが止まっているようなスピードに、ロンギヌス自身息を呑む。
カイオーガはその速度を元々会得しているらしく、強引にヒレと剣をぶつかり合わせた。


キシュィン…!! ガキッ…カィン…!!

「おそいおそい♪」

「あっ…しま…!!」

お互い肉眼では捉えられない速さだというのに、ロンギヌスは背後からガッシリと首をつかまれる。息ができないかと思った時には、地面に大の字に押し付けられていた。

「がっ…はぁ…!!」

「だめだよそんなんじゃ〜…ボクが君のトレーナーになろっか?」

ロンギヌスが悶える間にカイオーガは体勢を変え、むぎゅっと隅々まで押し潰す格好になっていた。ロンギヌスの骨が、今にもへし折れそうな悲鳴を上げる。


「はぅ…ぐ…降り…ろ…!!」

学校から帰れば毎日抱きしめられたお腹が、今は粉骨兵器と化していた。
召喚カードを使おうとしたロンギヌスだったが、あえなくカードを払いのけられる。

「言葉づかいが悪いんだねぇ…」

「ぐぅ…あ…降りて…くださ…」

「やーだ♪」

そのやり取りが引き金になったのか、
カイオーガは降りるどころかポフポフと体を揺らしてくる。その体が動く度にロンギヌスは絶叫し、はみ出た腕が床を引っ掻いた。


その時…





ピシュゥン…!!

部屋の明かりがつき、寝起きらしいラティオスが目をこすりながら入って来る。深夜まで起きていたためか、かなり眠たそうだ。

「ふぁ…マスター起きて下さい…朝で………す…」

ロンギヌスの状況を見て、あんぐりと口を開けるラティオス。カイオーガは初めて見る弟の様子に、クスクスと笑い声を立てていた。

「あ、あなた達何やっ…て…」

「ちょっと邪魔かな… 先に片付けてあげる♪」

カイオーガはグキグキと時間をかけてロンギヌスの上から降りる。そしてラティオスの方を向き直り、ジュルッと舌を舐めすった。

「なっ…何ですか兄さん…」


困惑するラティオスの目を射抜く、カイオーガの紅い瞳…
同じ目を持った兄弟にも関わらず、彼からは殺意がオーラのように発せられていた。


<2011/05/15 15:57 ロンギヌス>消しゴム
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